9日の日曜日、先月富山を訪れたばかりなのに、たいへん興味深い催しが「音楽夢工房」で開催されるのを知り、滑川のオーディオ仲間柳澤さんをお誘いし、参加。12月は急な雪で往生したが、今回はなぜか雪は皆無。泊駅からザクザク雪を踏みしめながら歩いたことが信じられない。なんだか狐に包まれた気持ちだ。
音楽夢工房では、毎月偶数月の「愛聴盤集まれ」という思い入れのある音源を試聴しながら、愛聴盤の愛聴盤たる由来を参加者に披露する楽しい企画と並行して、奇数月は生演奏を題材としたイベントが開催されており、なんとんも羨ましい音楽環境である。主催者の加藤さんは元高校の校長先生で長年、クラシック音楽とオーディオに親しまれこの「音楽夢工房」(オール後藤ユニットで構成された、世界でも屈指のホーンシステムによるオーディオシステムと天井高10M、広さ50畳の音楽専用ホール)というミニホールまで造られてしまった趣味人の鏡とも言うべき方。温和で教養溢れる語り口は、お話を伺うだけでも富山詣での価値がある、というもの。
今回は第4回オーディオ談義 「ピアノ録音の試み」と題し、マイクアレンジの違いによって録音の違いを検証するというもの。生演奏を録音再生を繰り返し原音と比較を繰り返すというなんとも贅沢な企画である。ヤマハのグランドピアノC6を使い、高校で音楽の教鞭をとられる伊東さんにより、ショパンのスケルツォ第2番変ロ短調 作品31のさわり(序奏)が演奏された。ご存じの方もいらっしゃるかと思うが、非常にダイナミックで曲の振幅が激しい導入部である。
しばし素晴らしい演奏に浸った後コンデンサーマイク、RODE社製K2(真空管マイク)を複数本使用し、マイク位置の高低、音源からの距離の遠近により違いを録音再生。驚くほどの違いで同じマイクでこんなに違うものか、と感嘆した。当然と言えば当然だが生演奏に比べ情報の欠落は明らかで、常日頃聴いている音源の録音の難しさと、ミキサー(録音技師)のテクニックの凄さに思い至った。
富山詣今年はますますヒートアップしそうだ。