SHAンパンでもいかが?

「最終楽章 気分はAdagio」
77歳の一人暮らし。

今になってわかる事

2015-12-02 19:46:36 | 日記
最近、岩崎 淑氏の御本の冒頭の文章を拝見して、
とても嬉しく飛び上がりたい思いでした。

岩崎先生は留学先のアメリカで
『その後の(ピアノの)人生を変えてしまうような衝撃的な体験をしました。』と
書いておられました。
『ベートーヴェンの告別ソナタの冒頭のこの和音を何度弾いても
先生は『NO』と言われるだけ。和音を弾くときのタッチと、そこから生まれる音色が
この冒頭にふさわしくないといわれるのです。』
そしてそれから10か月の間、このソナタとショパンのエチュード1曲のみだったそうです。



私も中学3年生の時に
東京芸大の伊達 純先生のレッスンを
受けることになりました。
とても緊張して、自分なりに精一杯練習し、
暗譜してお伺いしたのですが、
半年の間、ベートーヴェンのソナタの冒頭、
4小節だけしか見て頂けませんでした。

1音目のPのタッチから「駄目」と言われ続けて、
レッスンが前に進まないのです。
ディナーミク、タッチ、リズム、ぺダリングも
ベートーヴェンらしくないと言われた形跡が楽譜に残っていますが、
イライラして書きなぐった原典版はとてもお見せできるものではありません。
Ritからフェルマータまでのテンポの運び方など
感覚的な弾き方を毎回、叱られましたが、
気付くまで、根気強く待って下った先生に
その後、ただ、ただ感謝する事になるのですが・・・・・・・・・。