さて、
今回も、ある本の中に出ていた実例題を出して、
占断をしてみたいと考えます。
材料は日盤と年盤、それにお二人の本命星。
相談内容は、二人の今後について。
ある男性と付き合っている女性が、
おいでになられて、
二人の今後の事を依頼されたわけです。
女性は本名星=七赤金星、相手の男性=三碧木星。
どうなるのかということ、どうすればいいのかということ。
その二点を見てみたいと思うんですね。
まず、相談者の女性は七赤金星で、
日盤上には坤宮に廻座しています。
坤宮はものの境目の宮であり、変動の宮でもあります。
そこにいることは、
やはり、今後のことを考えて、
迷っている状態だと推理されます。
だからこそ、相談にこられたわけでしょう。
そして、さらには、年盤との掛けを見ると、
五黄土星が掛かっていて、
これは生霊のトラブルという、
一種の祟りの作用を受けているわけですね。
「当時、運気大いに衰えて、決断力とぼしく、
親戚、友人のために損失を受ける」
とあります。
つまり、
今付き合っている男性との関係はどうなるのか?
いい加減に、けじめをつけろと。
もっと言うならば、
あんまり良い男じゃなさそうだから、
早く手を切れとか言われて、
母親とかの身内から迫られているのでしょう。
そこで、悩んでいるというわけですね。
そこで、
もう一方の当事者である男性は?というと、
兌宮に入って、
一白水星が掛かっています。
兌宮に入っているということは、
飲んだり、食べたり、歌ったり、
とにかく、
遊興事に縁の深い男性だということが分かります。
遊び好きな男性だということですね。
表向きほどの男性ではないのかもしれません。
これだと、
将来の結婚について不安になるのも当然でしょう。
で、結婚したいと思っても、
どうすればいいのかと考えているわけです。
で、結婚運はこの方の場合、
早婚は良くないのです。敗れるとあります。
晩婚にすれば吉とあります。
そして、
この女性自体が、働き者のようです。
ですから、
このような男性と結婚すれば、
自ずと、男性になり代わって、
立ち働くことになるでしょう。
これでは、夫である男性の方も、
面白くなくなるわけです。
そこで、別れる話が出てきて、
色情のもつれという暗示もでておりますから、
男性としては、長い時間をかけて、
穏やかに交渉を進めていくと、
交渉事は成就するということになります。
情に負けて同情すると、損失を招くとありますから、
この際、きっぱりと冷静になって、
お互いの将来を考えることが大事だということですね。
とにかく、
「争い」という暗示が出ていますから、
そうなるともつれるわけです。
そこを注意して、穏やかに事を進めよ!
とあるわけです。
この年は、
三碧木星は離宮に回ってきていますから、
別れ話が出るのでしょう。
そこで、
間に仲介してもらって、
ことを上手く収めてもらう人があればよいと思います。
どうでしょうか?
日盤掛けの相談の内情を察する力は、
大変に威力があるんですよ。
(桐山靖雄氏著『密教占星術Ⅱ』参照)
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