マックいのまたのMalt Whisky Distillery

モルト好きで株式公開/上場(IPO)の経営戦略,マーケティング,M&Aを支援する経営コンサルタントのプライベートブログ

余市とタリスカー

2009-06-22 18:30:23 | グルメ

現在のウィスキーブームの火付け役となった、ニッカ・ウヰ
スキー
余市」。


シングルモルト余市

最近ではハイボールなる飲み方が流行っているのだそうで、
先日の新聞報道では大手蒸留メーカが増産体制に入るとの
こと。良いニュースです。

こういう所謂ブームの時に、いつも本物は沈黙を保ってい
るもので、短期の利益ではなく長期の文化の保存こそが資
産を作ることを理解しているようです。

そういう本物とは、こちらから近づいていったときにチラ
リと真髄の一端を覗かせてくれるものでしょう。

さて、この余市ですが、シングルモルト・ブームが始まっ
たころには、スコットランドスカイ島タリスカーに似
ている、とよく言われました。


タリスカー

基本的に私も同感に思っていましたが、同時に少し差異が
あるようにも感じていました。とはいえ、当方は飲みたい
ときに飲みたいものを飲むアマノジャクゆえ、比較とか研
究とか難しいことは考えたことがなく、地理的条件が似て
いて、ポットスチルがストレート・ヘッド型、そのうえ熟
成期間が同じなら、結果は似たような味になるだろうくら
いの理解です。

そんな無為な時間をどうしようと思ったのか、少し時間が
できたので、ポジショニング・マップの整理よろしく比較
テストをしてみました。

今回テストをしたのは、タリスカーがオフィシャル10年。
余市が蒸留所限定シングルカスク10年。

一口目は両者ともよく似た印象です。ミドルになってくる
とタリスカーはモルトの甘味が広がる一方、余市はピート
のインパクトが長く続き、フィニッシュまでサスティーン
が延びる味。

タリスカーは、アルコールが45.8度と絶妙なポイントでバ
ランスしており、香味・味・アルコール辛さともに一流の
エンターテイメントを見せてくれます。これはオフィシャ
ル・ボトルゆえのQCの結果とみるのが妥当でしょう。

一方、余市は樽だしストレートの64度もあるので、香味成
分が頗る強く、その後を追いかけるようにしてアルコールが
登場するので、ボクサーのストレートパンチのようなイン
パクトある味が強調されていました。

先に触れたモルトの甘味はタリスカーの方が多く、マッカ
ランに似ている風です(ゴールデン・プロミス種?)。比し
てニッカの方は違う種類だったと思います(確かオプティッ
ク種)。

また仔細を比べると、余市は文字通り一つの樽からそのま
まボトリングしているので樽の風味が一種類。おそらくは
ホワイトオークの新樽のものという感じを受けましたが、
タリスカーの方はオークの新樽とリフィルカスクのものを
バッティングしているようです。

これらを総合して全体をみると、余市はピーティでバニラ
香が豊かなストレートなウィスキー。タリスカーの方はピー
ティだけどもバニラ香よりモルトの味が強いマイルドなウィ
スキー。

これは、どちらが美味しいというものではなく、シンプル
に作り手や飲み手の好みの問題だろうと思いますが、この
味の溶け込み具合の違いというのは、仕込み水にピートが
溶けているかが明確に違うので、その違いが味わいの違い
に出ているように思います。

なにはともあれ、今回のブームが本物を求める人の増加に
繋がる息の長いものになることを願ってやみません。

感謝!