今年の年末年始は、いわゆるカレンダーの並びがよく、9連休
とか、なかには16連休という方もいらっしゃるようです。
いずれにしても、久しぶりにゆっくり過ごせるお正月になりそう
ですので、お供を仕入れに行ってきました。で、仕入れたのは
こちら。
アードモアのオフィシャルですが、輸入元だったアサヒビール
が今年の1月だか2月だかに輸入権を返してしまったそうで、
このままだともう間もなく幻になってしまう1本ですね。
このウィスキーが珍しいのは、ハイランドなのにヘヴィ・
ピーテッドなことで、ピーティといえばアイラが有名ですが、
あちらほど露骨に主張せず、どちらかといえばハイランド・
パークに近い印象です。
しかし、ハイランド・パークがお好きなら、それを飲めば
いいわけで、そうでない理由としてはかつてのボウモアに
似ているから、というのも立派に選択する理由になるでしょう。
ハイランド・パークがピーテッドをホッグズヘッド原酒と
シェリー樽原酒で構成しているのに対し、ボウモアはピー
テッドをバーボン樽原酒とシェリー樽原酒で構成しています。
アードモアはピーテッドをバーボン樽とクウォータ・カスクで
構成していて、それでも似ているというのは麦のもつ上品な
甘さに由来します。まるで昔のオンナの妹にでも出会って
しまったかのような、甘苦い風味が香ばしく舌を(気を)引く
テイストなのです。
そういう気を引く真実とは、ピーティングを自製しているから
ではないでしょうか。フレッシュなピート麦芽をバーボン樽で
寝かせ、クウォータ・カスクでダブル・マリッジする。
ラベルをみると、熟成年数の表記がありませんが、舐めた感覚
では、ニューポットのピリピリ感が残っていますので、最若
では5年程度から25年くらいまでの原酒が使われている
ように感じます。
熟成感に乏しい弱点は目をつぶるとして、豊かな風味をバラ
ンスよくリッチに盛り込み、素材に掛けるコストを製法の工
夫でリカバリーし、コスパの高い製品を開発・販売する。その
企業努力は賞賛に値すると思います。
こんな素晴らしい商品なのに、なんでアサヒビールは輸入権を
手放したのか?考えても仕方がないので考えませんが、商品が
手に入らなくなっては困ってしまいますので、また仕方なく
流通在庫を買い占めようかななんて思いながら、正月を過ごす
としましょうか。
それでは、皆さまどうぞ良いお年を。
感謝!