マックいのまたのMalt Whisky Distillery

モルト好きで株式公開/上場(IPO)の経営戦略,マーケティング,M&Aを支援する経営コンサルタントのプライベートブログ

ニッカ「鶴」終売のニュース

2015-02-27 17:12:34 | グルメ
ニッカ・ウヰスキーの最高峰「鶴」が終売になるというニュースに
接しました。訃報と書いてよいでしょう。

なぜならば、竹鶴政孝がブレンドを決定した最後のウィスキー
だからです。

nikka-tsuru.jpg

NHK朝の連続テレビ小説「マッサン」の好評と高視聴率が波及
して、製品の製造が追いつかなくなっていると報道され絶好調の
ニッカ・ウヰスキーですが、その裏側で経営戦略の組みなおしが
進行しているようです。その余波と思われます。

テレビドラマのなかの台詞にも出てくることですが、ウィスキー
は仕込みから出荷までの期間が数年から数十年もかかる特殊な
商品のため、需要を予測して製品を製造することが難しい、と
いうか殆ど無理に近いものです。商売や経営としては無茶苦茶と
いえなくもないでしょう。

だからこそ、経営理念とかアイデンティティが重要になる。サン
トリーでいう「日本人の舌に合ったウィスキー」。ニッカでいう
「本場スコットランドのウィスキー」というものです。

その竹鶴政孝が目指した最高のブレンドが、皮肉にも自身をモ
チーフとしたテレビドラマの好調とブランド認知向上のタイミ
ングで廃止となりました。

ニッカ・ウヰスキーは、ウィスキーが売れなかった90年代から
余市をコンテストに出展したり、一般客がウィスキー作りを実
体験できるイベントを開催したり、顧客作りに取り組んできま
した。

製品ポートフォリオとしても、竹鶴の名前を使用したり、高
評価の余市をブレンドに使用する割合を高めたりして、市場の
動向へ適合する努力も行われてきました。

しかし、今回のテレビドラマの効果はそれらを遥かに上回る
宣伝効果によって、一気に市場の地合いが高まったとみること
もできます。

このウィスキーとブランドにとって追い風が吹いている今こそ、
全速力でアクセルを踏むべきタイミングであることは、経営上
間違いのない意思決定といえるでしょう。こうして「ザ・ニッカ」
という新しい看板商品をリリースして、幅・奥行き・価格帯
ともに新しいインフレ時代に適合しようとしています。それ
こそが、ニッカ・ウヰスキーの新しい社史になるでしょう。

だから、もし今あなたがマッサンで竹鶴政孝に共感したとする
ならば、記憶に刻むべきは新しい時代に豊富に入手できる、
新時代のブレンドではなくて、日本中の流通在庫を当たり尽く
して手に入るかどうかギリギリのところにある、この終売と
なった「鶴」なのです。
 

感謝!

 


THE NIKKA 12yo

2015-02-26 11:07:55 | グルメ
ニッカ・ウヰスキーが新たに発売したブレンデッド・ウィスキーの
ザ・ニッカを試してきました。

thenikka12yo.jpg

発売当初のプレスリリースでは、最高級品の40年超熟成の製品が
50万円とされていて、腰が引けてしまったのですが(笑)、何と
いいますか良くも悪くもニッカが新時代に脱皮しようとしているな
と感じたものでした。

メーカがメーカの名前を冠した商品をリリースする。それは当然に
メーカとしての自信とプライドを掛けた商品であることは間違い
ないでしょう。

ウィスキーという素材を考えるときに、樽のポテンシャルによって
20年が限界だったり、30年だったりと幅があるわけですが、
40年以上もひとつの樽に原酒が貯蔵され続けるということは、
その樽の実力がいかに優れているかということを示している
ことを意味しますから、ただ単に歴史があればよいということで
はなく、長く樽を管理する技術も大切だということです。

さて、私が頼んだのは12年物のレギュラー商品ですが、実際に
試してみてどうか、ということになると、ニッカ・ウヰスキー全体
の製品ポートフォリオがウッディな方向にシフトしているのかな、
という印象を受けました。

すなわち、スーパーニッカに変わって竹鶴が看板商品になった際、
そのテイストが余市の新樽原酒を強調するものになったこと。
また、そのスーパーニッカが2009年にリニューアルした際に
やはり余市の新樽原酒を強調するものになったことと符合します。

詳細は次の記事に譲りますが、今回ブレンデッドの最高峰であった
鶴が終売になり、ザ・ニッカが新発売となったのは、「ニッカ・
ウヰスキー」の味わいが、そのメインラインを張る商品において
余市の新樽が強調されることになったことで整合されます。

もちろん、これは90年代に余市が高く評価されて、ヘヴィピー
テッドの新樽原酒を作り続けてきたことで、供給できる原酒に
一定程度の目処が立ったことも推測できます。

こうして、これから新しいニッカ・ウヰスキーが始まることに
なる。その看板商品が「ザ・ニッカ」なのでしょう。
 

感謝!

 


アイラ島のジン発見

2015-02-25 11:51:20 | グルメ

まるでポートエレンだった「夢」というウィスキーをいただいた
日比谷バーで面白いボトルをみつけました。

islay-gin-botanist.jpg

THE BOTANISTと名づけられたジンですが、同じくラベルには22年
熟成と印字されていて、非常に興味をそそられます。

ジンというお酒は、大麦やライ麦、じゃがいもなどを原料に作られる
蒸留酒ですが、アイラ島でジンを製造しているジンの蒸留所などと
いうのは聞いたことがありませんから、おそらくはウィスキー蒸留
所のどこかが22年前にジンを蒸留したというのが十中八九の真相
でしょう。

私は、普段はジンをあまり飲まないので、ジンをそのままニートで
飲んでも、何も分からないのですが、原材料がウィスキーと一部共
通していて、製造設備を共有しているのならば、どこの蒸留所で作
られたものなのか、ある程度の推測ができるかもしれません。

それも、このボトルが想像力を掻き立ててくれる面白さです。

と思っていたのですが、改めて調べてみるとブルックラディのジム・
マッキューワンが企画したものだそうですが、ローモンド・スティル
で蒸留されたということになると、製造したのはブルックラディ
ではなく、オークニーのスキャパなのでしょうか?さらに謎が深まり
ました(笑)

今回は眺めるだけで帰ってきてしまったのですが、次の機会にはぜひ
チャレンジしてみたいと思います。

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日比谷バー - 夢ウィスキー

2015-02-24 11:19:53 | グルメ

日比谷バーというバー・チェーンがあります。「BAR」あるいは
「バー」という固いイメージを打ち砕き、もっとカジュアルに
お酒を楽しんでもらいたい、というオーナーの気概が伝わってくる
楽しいお店で、銀座にはウィスキーが専門の店舗の2ヶ所あります。

その日比谷バーが、モルト専門バーで提携しているサントリーと
開発したオリジナルボトルが「夢」と名づけられたウィスキー。
中身は、ボウモアとレダイグだそうです。

hibiyabar-dream.jpg

裏面のラベルには、「夢の味

潮の香る暗い部屋で
原酒達の見る夢は
天使と共に天に昇る夢
それともマリッジを想う甘い夢
静かに静かに時を刻み
眠りにつく・・・」と書かれています。

ウィスキー作りをテーマにしたドラマが、毎朝放送されている今は
きっと竹鶴政孝やスコットランドやスモーキーフレーバーといった
ものが、ウィスキーを通して想像する一般的な夢であろうと思い
ますが、私自身が感じたものは、もう少しリアルなものでした。

というのは、このオリジナルブレンドウィスキーは、今はなきアイラ
島のポートエレンのウィスキーを思わせるものだったからです。

このウィスキーを構成する原酒のうち、ボウモアを思わせるのは
スモーキーなバーボン樽熟成の、どちらかといえば「甘め」の原酒。

一方レダイグを思わせるのは、ピーティーでウッディなホッグズ
ヘッド(?)熟成の、どちらかといえば「辛め」の原酒。

この二つが合わさって、ピーティーでスモーキーで溶剤臭い、あの
永遠に失われてしまった、いかにもアイラ島を表現しているポート
エレンとうり二つだったからです。

当の本家は1983年に閉鎖され、何棟か残るウェアハウスもそろ
そろ底をつくだろうといわれている昨今に、このようにカジュアル
に幻のウィスキーを感じさせてくれるのは、偶然かブレンドによる
マジックかのどちらかですが、もし後者を意図して作られたのだと
したら奇跡としか言いようがありません。

残念ながらラベルには熟成年数の表記はなく、アルコール度も40
度に加水されていますので、原酒の熟成度合いは不明ですが、飲ん
だ感じでは8年~の原酒をいくつか混ぜているものと思われます。

バーテンダーさんに、もしこれも市販したらきっと売れると思う
から、もっと作って売り出してください。僕が一本買いますよ、
とお伝えしたら、「上の者に伝えておく」との言質をいただきま
した。

こうなったら、上の者とはサントリー社長の新浪剛史氏であることを
祈るばかりです(笑)

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Cask & Thistle Glenallachie 1989

2015-02-23 10:49:39 | グルメ

どうもピンとくるものがなかったので、バーボン樽仕込みの20年
前後熟成のものを頼んで出てきたのがこれでした。これも読むのが
難解な蒸留所のひとつ。グレンアラヒーと読むそうです。

glenallachie1989.jpg

スコットランドの地名は、ケルト民族の言語であったゲール語
(つまりケルト語)に由来するものが多く、「ch」は英語読みする
と、日本語でいう「カ行」になる(cf.glenfiddich - グレン
フィディック)ことが多いのですが、ゲール語風に発音すると、
まったく発音しなくなったりすることも多いため(cf.bruich-
raddich - ブルックラディ)、いったいどう読んだらいいのか
途方にくれてしまうこともあります。

このボトルも私はまったく初めてのご縁だったのですが、グレンの
後はどう読んだらいいのか、しばらく止まってしまいました(笑)
なぜなら、これが単なるラベルの読み方だけならいいのですが、
蒸留所の名称ですから、もし重要な一本だとすると、人生の経験を
左右しかねない一大事でもあります。真面目な話として一大事
なのです。

読み方が整理できたところで、このウィスキーが素晴らしいのは、
20世紀後半を生きた人類にとって非常に重要であった1989年
蒸留の、いわゆるヴィンテージ・イヤーのウィスキーであること。

つぎに十分に熟成感を楽しめる25年熟成、アルコール度数53%
であることです。

これらのスペックからもたらされるのは、いわゆるデジタル時代
の生産管理が導入する前時代の、普通に作ったモルト原酒の最も
熟成感の成長したピークであるタイミングでいただけるという
幸運そのものでしょう。

正直申し上げれば、私自身がイメージし望んだ通りの味ではあり
ませんでしたが、そのような我侭以前に、この一本とのご縁を感謝
し、ありがたく頂戴すること。また、それを期待して私に提案して
くれたマスターの心尽くしのもてなしに、この刹那を生きることの
感謝をしなければいけません。

なぜならば、このときの、この一本の、この味は、この瞬間だけの
ものだからです。

このすべての充実感に感謝を捧げます。

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HART BROTHERS PULETENEY 13yo

2015-02-20 13:46:41 | グルメ
プルトニーと頼んで出たきた2本の後半の方です。こちらは13年
熟成でアルコール度は55.5度でした。

puleteney13yo.jpg

プルトニーといえば、グレートブリテン島でも最北部に近いとこ
ろにある蒸留所です。

先のは三河屋さんでしたが、こちらは信濃屋さん。極東の島国に
いて、こうしてプライベートボトルが楽しめるようになったのは
マッサンの時代からすれば、想像を超えるような文明の進歩では
ないでしょうか。

個人的には、13年でも若干熟成年数が短い印象があったものの、
やはり飲みたいタイプのウィスキーがあるというのは嬉しいもの
ですね。
 

感謝!

 


WHISKY AGENCY Old Puleteney 7yo

2015-02-19 13:29:32 | グルメ
いわゆる三河屋さんのスリー・リヴァースさんのプルトニーです。
7年もの。

puleteney7yo.jpg

オールド・プルトニーか、ホッグズヘッドで頼んで出てきたもの
だったと思います。まあ7年熟成ですから、熟成感を飲むという
よりは、酵母の風味を楽しむというウィスキー。青りんごとか
マスカットのような風味が新鮮味を出していました。

あとはスペックということになりますので、2006年蒸留で
2014年ボトリング、ホッグズヘッド熟成でアルコール度
49.5%というのが不思議なウィスキーでした。

まあ、これもこういう楽しみということですね。
 

感謝!



TIRNANOG Brora 1981

2015-02-18 13:13:01 | グルメ
ブローラという名前の蒸留所。お恥ずかしながら知りませんでした。
もう閉鎖されてしまったそうです。1981年蒸留物。熟成年数は
すみません。失念してしまいました。

シェリー樽熟成の中期・長期熟成で、25年前後だったと思います。

brora1981.jpg

素晴らしいのはシェリー樽で、私はふだんシェリー樽仕込みの
ウィスキーを好んで飲みませんが、それでも樽の良さが伝わって
くる充実振りを感じ取ることができました。

シェリー樽仕込みのウィスキーというと、一般に色や香りがよく
出ているかどうか問われることが多いのですが、これはその「量」
ではなくて「質」がよく出ているのです。一見オーク樽の原酒と
ブレンドしたのかと思わせるような複雑な風味をもっており、
干し柿のようでもあり、ドライイチジクのようでもあり、加水
するとクランベリー系の風味も顔を覗かせ、いわゆる只者では
ない風格を黙って現してくる王者のようなウィスキーでした。

製造された蒸留所や、年代、素材等々の諸条件を重ね合わせて
考えると、もうこのようなウィスキーが生まれることは、滅多に
ないだろうと思います。生きている喜びです。

非常に貴重な機会に遭遇したことに感謝します。
 

感謝!

 


スーパーニッカ・オールドボトル・マグナム

2015-02-17 12:40:43 | グルメ

とあるバーに出掛けたら、カウンターの一番奥に見慣れた、しかし
巨大なボトルがあるのに気づきました。あれ、と思ってみると、
スーパーニッカの瓶に貼られていた首飾りのラベルが斜めになっ
ていましたが、残っているという表現がしっくりくる状態で置か
れていました。

もしやと思ってマスターに尋ねてみると、なんとスーパーニッカの
旧ブレンドそのものだそうで、頼めば飲ませてくれるというでは
ないですか!

もうこれを運命のいたずらというか、幸運の女神というか、それ
以外になんと呼べばいいのでしょう。そのとき飲んでいたウィ
スキーを脇へ退けて(笑)、これをまず先にいただきました。

supernikka-old.jpg

NHKの朝の連続テレビ小説「マッサン」で絶好調のニッカ・
ウヰスキーですが、このスーパーニッカは今でも販売されている
ものの、現在のブレンドは2009年にリニューアルされたもので、
余市の新樽原酒が非常に強くなっているのが特徴ですが、このオー
ルド・ブレンドは、マッサンこと竹鶴正孝がマスター・ブレンダー
としてブレンドしたそのものであり、宮城峡のフルーティなモルト
原酒をベースにした「まろやか」という表現がぴったりの、メロウ
で豊かなウィスキーです。

こんなだったか、と思いながら、懐かしくうれしくなりながら、
若干泣きそうになりながら、有難くいただきました。

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ワイン会

2015-02-16 12:27:18 | グルメ
大学院でお世話になっているS先生にお声を掛けていただきまして、
ワインの会に参加してきました。場所は、なんと麻布の隠れ家の
ような一軒屋のレストランです。

wine-event.jpg

写真をよくご覧いただきたいのですが、基本的にすべてマグナム
ボトルばかりで、数本は先生が持ち込んでくださいました。

私はワインのことはまったく分からないので、生産国と生産地域
くらいの知識しかないのですが、先生はワイン畑の地域や面積から、
生産者や醸造方法まで、非常に幅広くかつ奥深い知識をお持ちで
そのお話を聞きながら飲むだけで美味しく感じられるくらいです。

一本ずつの詳しい解説も伺ったのですが、あまりの美味しさに
すっかり飲みすぎてしまって、お恥ずかしながら肝心なことは
すべて忘却の彼方です。もっと基礎的な情報を知識として身に
着けておかなければいけないと思いました。

そういう楽しいお話をしながら美味しいワインをいただいていると、
3時間程度はあっという間に過ぎてしまい、なかには十分に開き
きらないワインもあって、ちょっともったいないというか、名残
惜しく後ろ髪を引かれる思いでお店を後にしてきました。

感謝!