今日は何の日?によると本日はカクテルの日だそうで、混ぜ物の
話です。とはいっても、テーマはウィスキーですから、こちらは
ブレンドといいますね。
さて、2009年まで発売されていた旧スーパーニッカのモルト
原酒が「スーパーニッカ原酒」でした。
この商品は、モルト原酒だけをバッティングしたもので、スーパー
ニッカを製造する過程でグレーン原酒と水で割る前の、いわば
「原液」のようなお酒です。それが500ml入りで2700円
程度で買えたのですから夢のような話でした。
しかし、スーパーニッカのリニューアルによってブレンドが変更
されたため、この「原液」も手に入らなくなってしまいました。
ちょうどその頃、私はアイラ島巡りにうつつを抜かしておりまして、
帰国して秋になった頃に、もう手に入らないことに気づき、すぐ
全国の酒販卸業者に当たりましたが、日本全国を当たって1本
しかありませんでした。もちろん、今でも未開封で大切に持って
います。
そういう毎晩のナイトキャップだった酒が失われてしまったので、
なんとか同じようなブレンドが作れないかと、ニッカが販売する
キーモルト・シリーズを使って、あれこれブレンドテストを行っ
てきましたが、ようやく完成しましたのでご披露させていただき
ます。
■スーパーニッカ原酒のブレンドレシピ
Peaty&Salty 0
Woody&Vanillic 5
Sherry&Sweet 31
Fruity&Rich 60
Soft&Dry 4
前回は、シェリー原酒とソフト原酒の割合が、それぞれ30と5の
ところまで詰められたのですが、そこで原酒切れになってしまい、
次回に持ち越しとなっていたものを、今回は改めて仮説の通りに
1%の調整を行ってチェックメイトとなりました。
いやはや、かれこれ6年掛かりましたけれども、このような経緯
ですので特段の達成感はなく、ほぼほぼ確認するためにブレンド
しただけという感じでした。
実際の製品の方は、熟成年数の長いシェリー原酒が少しだけブレ
ンドされていますし、ベースとなるフルーティ原酒も、もしか
したらもう少し若い原酒かもしれませんので、まったく同じ味
ではありませんが、ブレンドの骨格としては合っているはずで、
ブレンダーズ・バーのスタッフが二人とも同意してくれたので、
これで了としていいでしょう。
長らくお待ちいただいた方もいらっしゃるようですので、もし
機会がありましたら、このレシピで作ってみて楽しんでいただけ
たらと思います。
また、レシピを公開してしまっていいのか?という質問をいただき
ますけれども、下記のいくつかの理由で構わないと思っています。
1.社外の素人が趣味として行っていること
2.旧スーパーニッカの美味しさを知る機会ができること
3.スーパーニッカ原酒の愛好家の方に懐かしんでいただく機会が
できること
4.実際に自分でブレンドしてみる人は殆どいないこと
5.ブレンド原酒のキーモルト・シリーズの味に幅があるため、
もしレシピをパクろうと思っても、実際にはレシピを修正する
能力が要求されること
です。
最近、スーパーニッカ原酒の初号復刻版というのも発売されました
ので、もしお好きな方がいらっしゃったら、両方お試しいただけたら
と思います。