飲んでから随分と時間が経過してしまったので、もはや細かい
テイストはすっかり忘却の彼方になりましたけれども、せっかく
ですから、ご紹介しておきましょう。
ひとつ目は、CARN MORというブランドのシングルカスクで
蒸溜所はトマーティン、アルコール度49.8というもの。
私は、このときトマーティンを本当に久しぶりに飲んだのですが、
以前の機会というのは、何も知らない学生のときに、ただ「安い」
という理由だけで購入したオフィシャルの印象があまりしっかり
したものでなかったので、ただ酔いたいというときに消化した
記憶があって、バーテンダーさんから勧められたときも、いまいち
乗り気ではなかったのですが、ボトラーズのアルコール度がウリ
ではないという点に興味をそそられ飲んでみましたら、思いのほか
フルーティでまろやか、スペイサイドの良さが出ている一本だと
思いました。このことは、私自身があまりスペイサイドは好み
ではないということを改めて発見する機会でもありました。
もう一本はポートエレン。26年もので、56.9%
ポートエレンを頼んだということは、ピートと樽熟成の高いバラ
ンスを求めたということなのですけれども、1979年の蒸溜
というのは、その後の蒸溜所閉鎖直前に比べてピート濃度は高く
なく、むしろソルティな風味の方が前面に出た味わいでした。
考えてみれば、昨今はビールの分野ではホップの香りを利かせ、
ウィスキーの分野ではピートやシェリーの香りを利かせた風味を
強調する味が多いのですが、本来の味わいの方に特徴のある
ウィスキーというのはあまり見かけません。
そういう意味で、大変貴重であり、いつまでも無くなってほしく
ない、ゆっくり味わいたい一本だと思います。さすがはブラッ
カダーと嬉しくなりました。
感謝!