スコットランドはエディンバラにある、モルト・ウィスキーの博
物館がスコッチ・ウィスキー・エクペリエンスです。
ここは、世界遺産でもあるエディンバラ城に続くロイヤルマイル
にありますが、1.6キロ歩いて探すようになっては大変なので、
エディンバラ城前と書く方が良いでしょう。お城の大手門からは
わずか2軒目だったと思います。
ここに来たのは世界一周の途中だったため、疲労からか普段から
か分かりませんが、当初モルト・ウィスキー・ソサエティを訪問
しようと思っていたところ、アイラ島のボウモア蒸溜所のウェア
ハウスで「これが幻のボウモア40年ボトルです。ボウモアの40
年は、これの他にエディンバラのスコッチ・ウィスキー・エクペ
リエンスにあります」という解説を聞いたときに、どうも記憶が
入れ替わってしまったようで、エディンバラに行ったらここだ!
と思い込んでしまっていました。
しかし、この博物館はモルト好きとしては外せない名所となって
おり、入場料を払ってディズニーランドのアトラクションのよう
にゴンドラに乗り込むと、自分自身(ゴンドラ)を麦芽に見立てて
ウィスキー作りのプロセスを疑似体験するプレゼンテーションの
センス、すなわちロジックとイメージが最適に結び付けられてい
る点になかなかの興味深さを感じました。
アトラクションが終わると、ツアー一同がセミナー室に集められ
て、映像による概説を観た後、ハイランド、スペイサイド、ロー
ランド、アイラの四大産地の特徴を掴むためのノーズテストと解
説があり、併せてテイスティングも行われて理解が進みました。
この理解が進んだ後で見せられるのは、何千本あろうかというウィ
スキーボトルのコレクションです。通路の両脇がショーケースに
なっており、床から天井まで隙間なく並べられたウィスキーのボ
トルがトップからのスポットライトでこれでもかとばかり琥珀色
の光を放っていました。
光を見て酔っ払うのは初めての経験です(笑)
ウィスキーへの興味と渇望がピークに達するツアーの最後では、
待っていたかのようにバーカウンターがあり、種々のボトルをテ
イスティングできるようになっていて、私もバーの一角にあるボ
ウモアのボトルを眺めながら、酔いを深めてまいりました。
感謝!
今週2度目の奇跡。
本来なら今週の奇跡、厳密には今週ではないのですが、今週や今月
といったスケールを越えているレベルだからこその奇跡が、今日の
ローズバンク。
本日取り上げたのは、昨日がハイランドのパワーヒッターだったた
め、本日はローランドのパワーヒッターにご登場願いました。
奇跡というのは、このローズバンク蒸溜所は1993年に閉鎖され、
以来何度も再開を求める声が上がるにも関わらず、ディアジオ社は
一向に首を縦に振ってくれないことから、もはや一縷の希望のみが
残された全ての光だからです。
ごく僅かに出回ることがある、この花と動物シリーズのボトルも、以
前ほどは店頭で見かけなくなったように思います。
ローランドモルトの特徴である3回蒸溜により、他の2回蒸溜のウィ
スキーよりも純度の高いアルコールを味わうことができるのがオー
ヘントッシャンとともに共通の特徴。
リッチで花開いたモルトの風味が口の中全体に広がり、後からアル
コールの波が緩やかに押し寄せてくる、どちらかといえば太平洋の
イメージの一本。
オーヘントッシャンは運河のイメージですが、こちらは同じ運河沿
いにも関わらず、より広大な海洋のイメージで偉大です。
ウィスキーは、製造から出荷までに最低でも数年以上の年月が必要
になるため、需要予測が立てにくい製造業という側面があり、この
ことがオーナーの変更、不定期稼動などに繋がっています。
しかし、このローズバンクを飲んでみると、オーバークオリティも
また悲しいかな21世紀の市場性向にマッチせず、通り掛かりの一
見さんがいなくなった後の成熟した安定市場でなければ復活させる
ことは難しいでしょう。
それだけ、丁寧な仕事をする蒸溜所だったということだろうと思い
ます。
ブルックラディのような経営スタイルを採ることはできないのだろ
うか。
秋の夜長に美味しいウィスキーを。
ローズバンク カスクストレングス 22年
感謝!