いよいよ最後に相応しいボトルに登場していただきましょう。
ポートエレンの蒸溜所閉鎖1年前のヴィンテージです。
これもシグナトリー社のボトルで、1982年蒸溜の2007年
瓶詰めとなる25年物です。アルコールは58.7%
最後の最後でアルコール度数高いものがきたので、一瞬たじ
ろぎそうになりますが、ポートエレンらしいピーティで、煙臭く、
フロアモルティングしてる?かのような、ざらついた感じが
明確に残り、ティピカ種と思われる麦をシェリーが塗りつぶし、
シェリーの甘みをピートが塗りつぶした、アイラ島でしか作れ
ない、粗野で荒々しい見事にエレン港を思い出させるウィス
キーです。
とかくポートエレンというと、閉鎖を惜しむ声や、いまや数少
なくなったボトルを数えることが美談となっておりますが、
こうして実際に飲んでみると、世界の西の果てで作られる粗野な
原酒が、21世紀のグローバル経済化した貿易社会で受け入れ
られ高く評価されるのか?と思えば、それは若干躊躇するものが
あります。だからこその現在があるのではないでしょうか。
それが証拠かのように、当地では麦を燻製するすわ火事か?と
思うような黒い煙が今日も上がっているはずです。
感謝!