マックいのまたのMalt Whisky Distillery

モルト好きで株式公開/上場(IPO)の経営戦略,マーケティング,M&Aを支援する経営コンサルタントのプライベートブログ

SPRINGBANK 10yo

2011-05-31 12:18:14 | グルメ

ウィスキー復活第2弾は、こちらも昨今ボトルがリニューアルされ
たスプリングバンクでした。


スプリングバンク 10年

スコットランドのウィスキー生産地は、北か南かのハイランド、ロー
ランド、地域を示すスペイサイド、アイランズ(諸島)、特定の場
所を示すアイラ、キャンベルタウンに分類され、このスプリング
バンクは最後に登場のキャンベルタウンという町で作られるウィ
スキーです。

たったひとつの町がスコットランド全体のなかで区分されるのは、
かつて一大生産地だったからなのですが、現在は確か2ヶ所残存
するのみだったはずですので、ローランドの蒸溜所とともに貴重
な存在です。

さらに貴重なのは、ここの蒸溜所もフロアモルティングを行って
おり、さらに自社で瓶詰設備も持っている(ということはアルコー
ル度調整のための加水とウィスキー蒸留水が同一で品質高し!)
という2つの要素からして、世界一級の蒸溜所です。

多くの他の蒸溜所のウィスキーは、少々残念なことに樽買いして
オリジナルボトルを出荷するボトラーズの製品に個性を求めてい
くことが往々にしてあったりするものですが、前回のハイランド
パークとここはオフィシャルボトルの完成度が高いので、あまり
奇をてらったものに志向が変化することが少ないように思います。

この点からしても、頑固に高い品質を求めて(信じて)モノを作る
ことがどれだけ大事かということを教えてくれる蒸溜所ではない
でしょうか。

頑固さというと、モルトウィスキーコンパニオン等では蒸溜回数
2.5回と書かれているところ、コンマ5って一体なんだろう?
と当然のように疑問に思いましたけれども、その実は再蒸溜のと
きにウォッシュを入れるのだそうです。

このことも、フレッシュな印象のウィスキーに仕上がる秘訣では
ないでしょうか。そして2.5回蒸溜はここしかやっていない。

「最も塩っぽいウィスキー」として知られるスプリングバンクで
すけれども、もうひとつ語られることが多い「モルトの香水」を
醸し出している蓮華のような香り、ヘザーの甘さ、塩っぽくオイ
リーな舌触り、ヴァニラやナッツの風味、モルトの甘み等々複雑
かつ順々に姿を現す個性というのは、これもハイランド・パーク
と同じく丁寧な職人仕事だけが作ることのできる愚直な営みの成
果です。

かつてキャンベルタウンには30以上の蒸溜所があったそうです
が、現在でも生き残ることができているのはこの個性といわれる
人の努力の成果の賜物に他ならないと思います。

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Highland Park 12yo

2011-05-26 10:25:42 | グルメ

今年のスギ花粉シーズンは例年になく長く、いつもなら桜が散って
新芽が出る頃にはウィスキーも解禁となるのですが、今年はゴール
デンウィーク近くまで長引いてえらく困りました。

困るというのは、飲みたいのに我慢しなくてはいけない蛇の生殺し
という話ではなくて、思考の切れが悪くなって本当に体調が優れな
い状態になるんです。これってアル中でしょうか?(笑)でも3ヶ月
ほど飲んでいないので、どうかご勘弁いただくということにして。

さて、ウィスキー解禁の第一弾としては、やはり世界最高No.1と考
えるものから始めたいと思い、選択の余地なくハイランド・パーク
のオフィシャル(但し、43度のオールドボトル)にしました。


ハイランドパーク43度 旧ボトル

モルトファンの皆さまには耳タコですが、やはり「北の巨人」「The
Best Spirit In The World」です。

その偉大なるオールラウンダーの個性は、たまたま偶然その場所で
奇跡のような地酒が生まれるという、シングルモルトの世界の住人
が喜びそうなストーリーではなく、スチルマンとブレンダーの長年
の経験と技術によってもたらされる作品だというところにあります。

オークニー諸島(そうオークニーは多くの島々からなる諸島です)の
メインランド、カークウォール空港に降り立つと、そこでのハイラ
ンドパークは余市駅におけるニッカウヰスキーのような存在感です。

カークウォール空港

少し残念だったのは、私が訪れたときには既にブレンドとボトルが
刷新された後だったので、昨今よくみるブランディングを意識した
露出がなされていてクリーンな印象だったことですが、今でも多く
の方が愛してやまないオールドボトル(とブレンド)の方は、探求に
値する魅力に満ちています。

オールラウンダーの秘密を、ジャーナリストの方(ウィスキーの世
界もジャーナリストがいる!)は”スモーキー&ハニー”といいます。

それはパレートの法則から言って正解で、他にも多くの要素が複雑
に関係しているからこその北の巨人だと考えています。

例えば、ファーストテイストはスモーキーですが、その後で出てく
るハニーは所謂ヘザーであり、蒸溜所周辺に群生するヒースからで
きる若いピートの香しい甘い風味です。そのブーケのような香りが
アルコールに溶けていながら後からシェリーの甘さがゆっくり姿を
現します。

ハイランドパークの12年では、シェリーのブレンド割合は15~
20%で年数が上がるに従ってその割合も上がるのですが、一番若
い12年では実はその若さこそを特徴に仕立てているところがブレ
ンダーの腕の見せ所なのではないでしょうか。

ハイランドパークのシェリー樽ブレンド割合
▲ハイランドパークのシェリー樽ブレンド割合

さらにその後でバーボン樽を思い起こさせつつも、柔らかい香味で
安定した個性で全体を支えるアメリカンオークが謙虚に顔を出すと
いう茶道の作法に近い味わいが、全世界のモルトファンを魅了し続
ける秘密だろうと思います。

しかしながら、柔らかいピート、柔らかいスモーク、柔らかいヘザー、
柔らかいシェリー、柔らかいオークのハーモニーを指揮するのは、
フロアモルティンングが作り出す丹精込めたモルトであり、ウィス
キーは「モルトに始まりモルトに終わる」といことを天下に宣言し
ているからこその金メダルに違いありません。

だから、ウィスキーのことをモルトと呼ぶ皆さまには、フロアモル
ティングをしている蒸溜所のウィスキーから飲み進めることが、正
しい作法になるでしょう。

ハイランドパーク12年こそが、シングルモルト界の入口の扉です。

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