私がブレンドするというときは、いくつかの対象が考えられる
のですが、今日はウィスキーです。
先日の夜に、ちょっとウィスキーが飲みたいなと思って、ニッカ
竹鶴12年を飲んでいました。
ニッカ 竹鶴12年 ピュアモルト
その日の気分か体調か、これが飲みたいというときには、これぞ
と思うのですが、この日は甘過ぎて途中で飲めなくなってしまい
ました。
ただ、ウィスキーそのものはもう少し飲みたかったので、別の
ウィスキーを足して味のバランスをとりたいと、近くにあった
江井ヶ嶋酒造のホワイトオークあかしを加えました。
ホワイトオーク あかし
そうすると、残念なことに両方のウィスキーは相性がよろしく
ないようで、悪いブレンドによくある味の焦点がボヤけただけ
ではなく、味が濁り苦味が出て、まったく飲めない別のウィス
キーになってしまいました。
もちろん、両ウィスキーの名誉のために書いておくと、両ウィ
スキーとも、単独で飲むとバランスよく美味しいウィスキーで
あり、たまたま両者をいい加減なバランスで混ぜた結果を捉え
ているだけの話です。
しかしながら、ここで発見したことがひとつありました。
竹鶴にあかしを混ぜる前、ブレンドしてみようと考えた動機は、
両ウィスキーともシェリー樽の原酒を一定割合使っていて、
味のベースになるウィスキーをシェアできるだろうと考えた
ことです。
それに加え、その日たまたま甘過ぎて感じた竹鶴に対し、甘さ
よりも新樽の尖った若さを感じさせてくれるあかしを加えれば、
甘さと尖った刺激が中和して、飲みやすいまろやかさを作り
だしてくれるのではないか?という期待と抱きました。
この2つの理由を受けての結果です。ですから、結果は美味しく
なかったことで失敗なのですが、失敗する組み合わせを見つけた
とエジソンのように考えれば、発見をしたのだと解釈することも
できます。
というのは、美味しいウィスキーを評して言う「まろやかさ」とは
ウィスキー全体の評価でよく出てくる「香り」「風味」「味」
「アルコール」などを、全体感を基準にブレンドして美味しさを
作るのではなく、「味」だけを切り取って部分感を基準にブレ
ンドして作り出すものだと判明したからです。
これが判明したということは、次回からのブレンド機会の際に、
意図に反するブレンド結果に対する選択肢を明確にできたという、
いわば引き出しを増やすことができ、ワザを磨いたことになり
ますので、ブレンダーとして一歩先に進むことができたと解釈
して良いのではないかと、少しだけ達成感をもっています。
感謝!