小学校受験 ママのモヤモヤ飛んでけー!

お受験という造語の中で揺れるママ達。小学校受験指導、20余年間の経験から、ズバリ!悩めるママ達に真のアドバイスを。

小学校受験 - 課題画は特徴をとらえてから

2012年05月31日 | 小学校受験のカリキュラム
 小学校受験では、よく絵を描かせる・・・と思われていますね。確かに、大手のお教室の模擬テストを受けると、「課題画」という項目で、「〇〇を描いてみましょう!」という出題があります。
 絵を描く・・・と聞くと、ついつい大人は「上手に描かなければいけない」「下手ではきっと減点の対象になってしまう」と思ってしまいますが、本当にそうでしょうか?

 いいえ そんなことはありませんよ。芸大や美大の入学試験の課題画ではありません。たった5歳の子どもに「絵を描かせる」のです。そこに求めるものが、「上手さ」でないことは、落ち着いて考えれば、誰もが理解できることです そうではありませんか?
 しかし、ついつい「渡された紙、いっぱいいっぱい使わなければならない」「時間内に白いところを残さず、背景も色を塗らなければいけない」というような注意を受けてしまうと、そこに描かれる絵は、誰をも唸らせてしまうような、すばらしい作品でなければならない・・・ような気になってしまう・・・そういうご両親の真理も理解できなくはありません

 でもね。
課題画も指示行動のひとつ。出された課題を理解し、時間内は真剣に、その課題に取り組む・・・それが、絵を描く、ということだ、というだけです。上手であろうが、下手であろうが、真面目に取り組む姿勢が求められているわけですね。
 まずは、このことを前提に、課題画についてもその趣旨を理解しましょう

 ただ。
それでも、あなたがどうしてもわが子には「上手く描いて欲しい」と願うのならば・・・是非、こういう作業を、描きはじめる前にやってみてください
 たとえば、動物を描くとしましょう。
象を描く・・・キリンを描く・・・ネズミを描く・・・すぐに描かせるのではなく、まずは口頭で「象の特徴」を発表させてみてください。きっと子どもは「鼻が長い」「耳が大きい」「目が小さい」「足が太い」等々、言うことでしょう。
 では、キリンはどうですか?ネズミは?

 じゃあ、乗り物を描く場合はどうでしょう?
車を描く場合、バスを描く場合、電車を描く場合、トラックを描く場合・・・この時にも、その特徴を考えさせてみます。
 「車よりバスの方が大きいよ
 「どうして?どうしてバスのほうが大きいの?」
 「・・・えーっと・・・お客さんを乗せるから いっぱい人が乗るからだ

 「バスとトラックって、同じくらい大きい
 「そうなのね。じゃあ、どこが違うの?どっちも大きい車、なんでしょう?何が違うの?」
 「・・・むー・・・そうだ!バスはね、人がたくさん乗るの。でも、トラックは、人じゃなくて、お荷物を乗せるんだ

 こういう問答をすることによって、絵を描く場合の特徴を捉えさせ、結果的に、そのものの絵を、より描きやすくさせることにつながります
 そして同時に、「それが何なのか?どういうものなのか?何のためにそうなのか?」等、真剣に『考えること』になるのですね。

 ついつい、ペーパー中心になり、じっくりと物事を考えさせる時間は「無駄な時間」と思ってしまっているご両親は少なくありませんしかし、「考える作業」こそが子どもの成長を促し、言語力、表現力をも育てることになります。

 課題画を、単なる「絵を描く」時間などにしてしまわず、しっかりと考え、上手に表現させる時間としても使って、子どもをリードしてあげましょう


 

まどか先生の教室「幼児教室マナーズ」

小学校受験は、子どもが大きく成長するまたとないチャンスです。
知識の詰込み、繰り返す訓練、長時間の強要・・・そんな親子共に苦しい準備を「うれしくはないけれど、それが正しい準備」などと、ある意味での諦めの境地で取り組む受験準備ではなく、子ども自身の頭で考え、判断し、行動できる力「人間力」を育てる受験準備。それが、幼児教室マナーズが27年間実践し、成果をあげてきた「まどか先生メソッド」です。小学校に入学した後も、親子共にいつでも相談に帰っていける場所、それが幼児教室マナーズです

小学校受験 - 桜の観察の勧め

2012年03月30日 | お受験ママへのアドバイス
 桜の開花予想・・・毎年、3月も下旬を迎えると、桜前線が北上して、天気予報では開花予想が発表されます。何となく、それは心うきうきするトピックス、ですね

 そこで、受験を考えるご家庭へのご提案です
これから、ほぼ毎日、親子で観察のできる(見ることのできる)桜の木を一本、決めてください そして、もう明日から、その木を親子で観察していってください

 蕾が膨らみ、チラホラと花が咲き始め、そして満開の時期を迎えます もしかしたら、その桜は、他の桜の木と一緒に、大人の「お花見」の会場になるかもしれませんね。夜ともなると、ぼんぼりに火が灯り、とても賑やかになる・・・そうなれば、どうして、大人達はそのように桜の木の下で楽しい時間を過ごすのか、是非、教えてあげてください
 もしその桜が、公園でひっそりと咲く桜であっても、そこだけはまるで光があるように、白く浮かび上がる素晴らしさを楽しんでください

 やがて、桜の花は桜吹雪となって散っていきます。でも、その風の中に舞う花びらのはかなさ、美しさも格別ではありませんか?風が吹き、一斉に花びらが舞い始めると、息を飲むような光景で、まるで映画のワンシーンのように感じます・・・
 最後は、桜は青々と新緑の葉を茂らせ・・・そして、何事もなかったように、他の木々の中の1本に戻ります。

 1本の桜の木を、約1か月半、観察し続けることで、それはそれは大きな意味を持ちます
私の教室でも、こういうふうにご提案をすると、急に真顔で「絵日記を描かせます!」とか「観察記録を親子で作ります!」のようにおっしゃるご家庭がありますが、どうぞ、そんな「教育ママゴン」的な発想で、このお勧めをお聞きにならないでください
 
 私のこの「桜の木の観察」のご提案には、壮大なロマンと奥の深さがあるのです
大事なことは、親子でそろって「目と心で桜を愛でる(めでる)」ことです
そういう、ゆったりとした季節を感じる時間を持つことが、第一のポイントです そして、毎日愛でることによって、親子で一緒に「自然の力」「生きているもののパワー」そして、「自然の不思議」を身を持って感じていただきたいのです

 たとえば・・・花の名前を100個知っていたとしても、それが何なのでしょう?
花を愛でて、「ああ、きれいだなあ・・・」と、心があたたかくなり、自然と微笑む感性がなければ、そこに意味はありません それが、図鑑で覚える花の名前100個と、実際に愛でて、感じる思いの深さ、重さの違いです。

 潤いのある暮らし・・・その中で、確実に子どもの情緒や感性は育っていきます
また同時に、そういうご両親やご家庭の「ゆとりとうるおい」というものが、本来、私立校が持っている豊かさであり、また、考査を藤してご家庭に求められていることでもあります

 ここに一つ、のある卒業生のお母様の声をご紹介します。数年前、私のホームページの「卒業生の声」のために書いてくださった原稿です。そこに登場するWちゃんは、今春、中学生になられます


 「どうぞ、お子様と一緒に、この素敵な季節を楽しんで下さいね」ある日のお教室でのまどか先生のお話です。
先生のアドバイスに従い、保育園の登園時に通る公園の桜並木から1本を『Wちゃん(息子の愛称)の桜』と決めました。
 硬かった蕾が少しずつ膨らむ様子。
 夕方に見つけた少し開いた桜の花。
 そして徐々に満開へと向かい、ピンクに染める桜の樹。
 桜吹雪の中での帰宅。
新緑の季節を迎える頃、その観察は終了します。

 しばらく変化の見られない桜の樹を、ちょっと困った様子で見上げていた息子の顔。
ある朝、満開の桜の幹に嬉しそうに手を添えていた時の表情。
そして、今日の桜報告を笑顔で聞いていた主人の顔・・・
 小学校に入学し、あの『Wちゃんの桜』の公園を通ることもなくなりました。

 それでも毎年のように「ママ、公園の桜はもう咲いてるかなあ?」と、ちょっぴり懐かしそうに話す息子の表情を見るたびに、あの頃を鮮明に思い出します。

 時間に追われ通過するだけの公園でしたが、私たち家族にとって素敵な想い出の樹となり、場所となりました。
特別なお勉強ではなく、子どもと過ごすこんな時間こそが、家庭では大切なことだと教えて下さった先生に、心から感謝しています。」

 感謝云々はともあれ・・・こういうふうに、幼い頃に育んだ心というものは、人の柱の部分に刻まれていきます。
どんなに偏差値が高く、優秀と呼ばれる若者になっても、幼い頃から「読み、書き、そろばん」的な要素ばかりを求められ、その部分だけで評価され、そして、そういうことに長けていることが「自分の賢さ」だとしか思えないような家庭に育った、薄っぺらな子ども達は、所詮、大人になっても、情緒の部分に多少欠けていることが多いものです
 今の日本には、そういう偏差値人間がいかに多いことか・・・こういう「豊かさ」の欠如した人間は、日本人としてのアイデンティティーも不足しているため、立派な国際人と呼ばれるに相応しい知識も知恵も持っていない、悲しい「脳ミソ人間」になってしまいます

 たかが桜・・・などと思わず、どうぞ、親子で桜を楽しんでください 身の周りのもの、すべてが大人も子どもも学ぶことのできる価値あるすばらしい材料であることをお忘れなく

小学校受験 - 問題を聞く力をつけましょう

2012年03月27日 | お受験ママへのアドバイス
 小学校受験の準備と言えば、「ペーパー学習だ!」と、どんな方も思われますね。私のように、必要最低限のペーパーしかしない、という主義であっても、やっぱりペーパー学習をするには、それなりの意味があるからです ペーパーは、小学校の算数の計算ドリル、ではありません。計算ドリル、というものは、「とにかく計算をたくさんして、計算力をつける」というものですね。ですから、「たくさんする」ということに意味があります。
 しかし、小学校受験におけるペーパーは、あくまでも「物事を考える媒体」なのです。それを理解していますか?

 たとえば、基本中の基本、数を数えるというペーパーで考えてみましょう

 「絵を見てください。そこには、何個のアメがありますか?その数を数えて、下の□の中に、赤のクレヨンで〇を描いてください。〇は重ならないように、そして、〇は□の箱の中からはみださないように描きましょう」
 
 子ども達は、テスターが話された問題を聞き、ここで複数のことを理解しなくてはなりません。
  数を数える
  赤のクレヨンを使う
  あった数を〇であらわす
  〇を重ねて描いてはいけない
  □の中に、〇をすべて描かなければいけない
 
 おわかりでしょうか?ペーパーとは「出された問題を理解する力」も問われているのです。つまり「聞いて、理解し、それを求められた通りに表現する力」です。
 ですから、もし自宅学習をする時に、何の問題も出さず、子どもに5枚のペーパーを渡して・・・
 「いいわね、〇ちゃん これ、しっかりやるのよ。ママはアイロンがけをしないといけないから。数、間違っちゃだめよ
 と言ってキュっと睨んで、その後はほったらかして問題をさせたとしたら???
 これでは、ママは、小学校受験で「数を数える」というペーパーを出題する学校側の意図は「半分程度」しか理解できていない、ということです
 確かに、「数を正確に数えられる力」を求められています。でも、「それだけではない」ということです。それを忘れてはいけません

 たとえば。
同じペーパーを渡されたとしましょう。問題が出されます。ほぼ、同じように出題されます。でも、ほんの一部分が違ったとしたら?
  「そこにあるアメの数はいくつでしょう?下の□には、そこにあったアメの数よりも1個少ない数の×を描いてください」
 だとしたら?どれだけの子どもが、正確に聞き取り、正答を描けるでしょうか?

 理解を深めさせる、という意図で、たくさんのペーパーをすることは意味のあることですね でも、ただ機械的にできるようになっていくだけでは、実際に求められる「さまざまな力」には対応はできません

 現在の子ども達の「日本語力」は非常に低下しています。
出された問題を、100%聞き取り、それを理解し、回答をする力・・・言語力が低下している子ども達にとっては、親が思っている以上にむずかしいのです
 数を正確に数えられたとしても、問題をしっかりと聞けないという理由で、正答できないことは多々あります。

 家庭学習をする時には、そういうことも念頭に置き、出題の言葉を替えたり、問題そのものを違うものにしたりしながら、子どもの言語力、日本語力を高め、聞く力を育ててあげることは急務です。是非ぜひ、そのことを忘れないでいてください



         

 このブログの他の、お役立ちホームページのご紹介

   幼児教室マナーズ http://www.madoka-manners.com/ リニューアルされました
   まどか先生の親と子の相談室 http://www.manners-sodan.com/
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   働くママ・ワーキングマザーの小学校受験  http://www.hataraku-mama.com/

 

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小学校受験は、子どもが大きく成長するまたとないチャンスです。
知識の詰込み、繰り返す訓練、長時間の強要・・・そんな親子共に苦しい準備を「うれしくはないけれど、それが正しい準備」などと、ある意味での諦めの境地で取り組む受験準備ではなく、子ども自身の頭で考え、判断し、行動できる力「人間力」を育てる受験準備。それが、幼児教室マナーズが27年間実践し、成果をあげてきた「まどか先生メソッド」です。小学校に入学した後も、親子共にいつでも相談に帰っていける場所、それが幼児教室マナーズです



小学校受験 - お母さんは暴走していませんか?

2012年03月11日 | お受験ママへのアドバイス
 小学校受験準備を始めると、大抵のお母様は、どんどんとその世界に「はまっていって」しまいます 時には、普通の判断力を失っていってしまう・・・そういうお母様は、意外と多いのです。

 小学校受験のお教室には、独特の空気、がありますね そう思いませんか?
受付の壁に貼られた私立小学校のポスターや案内、合格者の声などの掲示物・・・みな一様ににこやかなのに、どこか内心は見せてはならじ!と思っているような緊張した雰囲気のママ達・・・
 最初は、楽しく準備を進められればいいな!と思っていたはずなのに、そんな圧迫されるような雰囲気に囲まれているうちに、どんどんと息苦しくなっていく気分に負けじと、必死になっていってしまう・・・

 同じように通ってきている親子達が醸し出す真剣な様子にも煽られ、時には、幼児教室の先生の叱咤激励に大きく反応し・・・どんどんと「こんなはずではなかった、かも・・・」とか「私は、ちょっとおかしな言動をしている、かな・・・」と自分でも認識できるような行動が増えていくようになったら、しっかりと自分でブレーキを踏みましょう

 じつはね、自分達親子より、何となく優秀に見えている親子も、どこかスマートに映る親子も、本当は「同じような不安や悩み」を持っているものです。
ただ、小学校受験の準備、という特殊な世界の中では、「私は不安です」「私は、よくわかりません」という顔をしていることは、なぜか恥ずかしい・・・そうではありませんか?

  名門校、有名校、伝統校、と呼ばれるような学校のご卒業生であるママ達も、卒業生であるが故のプレッシャーを抱えて、不安でいっぱいなのですよ。

 すでに、上のお子様が私立校に在学している家庭のママ達は、第2子、第3子は、絶対に不合格では許されない、という強迫観念に常に苛まれています。

 初めて受験に向かわれる方は、右も左もわからない世界の中で、インターネットの掲示板や待ち時間の情報交換に疲れ、何を信じてよいのかわからない、と悩みます。

 いかがですか?
だれもが、それぞれの悩みや不安を持って、受験準備に臨んでいるのです。決して、自分一人だけではありません

 小学校受験が、それをご存知ない方がいうような「つまらないもの」「わけのわからないもの」だとは言いません 幼い子どもの環境を整え、すばらしい時間を提供する、大きな価値のあるものです
 でも、だからと言って、その小学校受験の準備で、母親が精神的にまいってしまい、子どもに対して辛くあたってしまったり、子どもにまで悪影響を及ぼすものであって良いはずはない・・・・そうですね。

 正しい受験準備をしていれば、決してお母様が正常な判断力を失うような煽られ方をすることはありませんし、もし、「もっと、もっと、がんばらなければ」と煽られているとすれば、あらためて「なぜ、私達親子は煽られなければならないのか?」を、しっかりと考えてみなければなりません。
 そこに、正当な理由があれば、やっぱり努力が足りないのかもしれませんし、煽られる理由がないと思える場合には、その叱咤激励には問題がある、ということでしょう

 受験準備に限らず、何事も「がんばること」は尊いことです
でも、がんばる方向が間違っていると、それは徒労に終わってしまいます

 ときどき立ち止まり、「今の自分」を客観的に見る・・・そういう時間と姿勢は必要ですよ

 親が疲れている時は、必ず幼い我が子も疲れているはずです。
一生懸命に受験準備に取り組みながらも、どこかで冷静に、自分の行動や言動を感じていられること そのために・・・
  子どもが寝た後の夜には「一人反省会」をしたり。
  無理をしてでも、ゆっくりとお茶を飲み、ほっと深呼吸をする時間を作る。
そして、自分が「大丈夫 私は正常。私は普通。おかしいところはないわ」と笑顔で思えれば、大丈夫。
 もし、少しでも「むー、私、ちょっとおかしくなってるかな?」と思ったら、立ち止まりましょう
始めた限りは、この道を行くしかない!などと思うのは変です。道は、あまたあるのですから・・・



         

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 「幼児教室マナーズ」まどか先生の25年間の歴史と、一男一女、波乱万丈の子育てで、本当に様々な経験をしてまいりました。
小学校受験、中学受験、大学受験、学校内での子ども達の問題、保護者間のトラブル、先生方との関係等々、色々な場面で直面するご家庭の不安解消のために、少しでもお役に立てれば・・・の思いです



小学校受験 - 面接後の慰労会、反省会

2011年10月06日 | お受験ママへのアドバイス
 面接の真っ只中。そろそろ、町中で「紺づくしの親子」の姿を見かけるようになりました。
知らない人から見ると、一種異様な親子の姿ですが、然るべき人の目には、懐かしくもあったり、身につまされる思いになったり・・・

 さて、今日は面接そのもののアドバイスではなく、「面接の後」のアドバイスをします
よほど特異な家庭ではない限り、たった1校だけの受験、ということは稀でしょう。となれば、親子で臨む面接も、1回だけではなく、2回、3回。もっと多いご家庭もあるでしょうね。
 ですから、どうぞ毎回、面接を終えたら、その日のうちに「親子での反省会」をしてください

 お父様、お母様は、まずはお子様を労うこと
まだまだ幼い受験生達は、総じて、かつてないほどの緊張感を持って、面接の場に臨んだことと思います そんな子ども達に、何の労いの言葉もなく、突然「ねえ、どうしてあんな小さい声だったの?!ダメじゃない!」とか「どうしてあそこで黙るかなあ・・・信じられない!」などと、鬼の形相でブツブツと我が子に文句を言っている親子に遭遇します
 これは、完全なる逆効果です

 人間だれしも、「ほめられたい」「認められたい」と思う生き物です。
誉められることによって、次なるエネルギーが湧いてきたり、認められることで自分の存在をあらためて肯定したりするのですね
 だから、面接が終わったら、まずはその日の面接の出来不出来には関係なく「よくがんばったね」と我が子を誉めてあげましょう
 いろいろな、細かい注意をするのは、その後です

 ねぎらわれないうちに、ほめてももらえず、ひたすら「声が小さかった」「足をぶらぶらさせていた」「キョロキョロしていた」「笑顔がなかった」「途中で止まった」etc. etc.
 そんなことを延々と注意されたとしたら??? きっと、大人でも、心にストンと落ちていくよりも、あーうるさいと思って・・・おしまい・・・そうなりませんか?

 とにかく
大事なことは、面接をしっぱなし、にしないことです。
必ず、我が子のがんばりをねぎらい・・・そして、その後にその日の反省点と思われることを、子どもにわかる言葉で伝えましょう そうすれば、きっと、誉められた点は維持され、反省点は改善されるに違いありません

 お父様、お母様が緊張し、心臓が口から飛び出しそうになるように・・・小さな子ども達だって、子どもなりに緊張しているのです それを、しっかりと覚えていてあげてくださいね。



小学校受験 ― 願書を記入する姿勢

2011年09月07日 | お受験ママへのアドバイス
 願書は・・・ご家庭と、志望する学校とを「初めてつなぐ公式の文書」です
そういう考え方であらためて願書をご覧になると・・・
  間違ったら修正テープを使う・・・
  飲み物やおやつで、ちょっと汚してしまう・・・
  隅っこのほうが少し折れて、しわになった・・・
  捺印が、かなり斜めになってしまった・・・
こんなことはすべて、「かなり違うんだよなあ・・・」とご自分でも思いませんか?

 最近は、世の中万事が「っま、いいんじゃな~い?!」のような風潮があり、私はとてもそれに違和感を持っています
 若くて未熟な世代が、あまり社会性を要求されないようなシチュエーションで、そういう思考で物事を判断していくのならば、失笑する程度で、まだまだ許されるかもしれません
 
 しかし、さすがに子を持つ親の立場になり、また、それなりに教育も受けた方達では話が違うでしょう・・・
 たとえば、人間関係においても、対幼稚園、対保育園、対おけいこ事というような状況で、あまり深く考えず「っま、いいんじゃな~い」的発想で行動して、結果的にはとても礼を失することをしてしまったとしたら? 笑いごとでは済まされませんよね。

 願書は、大変大事なものです
決して大袈裟ではなく、身を清めて、いずまいを正して、深呼吸をして清書をする・・・そういう気持ちで書いてください。
 字が下手、というのは、残念ながら一朝一夕には何ともなりません。それならば、せめて、心をこめて丁寧に書きましょう

 何事も、受け止める側が真剣であればあるほど(一度にたくさんの願書をご覧になるからこそ、学校側は真剣であり、研ぎ澄まされた精神状態で、1枚1枚の願書を手にし、読まれるのです)、それが心のこもったものであるか、事務的に、適当に書いたものか、伝わるものですよ

 こんなおたずねがよくあります。
出願が郵送の学校の場合・・・願書を受理した学校側から、受験番号や面接や考査についての注意書等をご家庭に返信するため、学校側があらかじめ返信用の「封筒」をご用意されています。
 志願者は、封筒の表、宛先のところに自宅の住所を書き、宛名を書きます。(この場合、注釈がない限り、ここには保護者として「父親の名前」を記入するものです。最近は、何ら特別のご事情もないのに、平気で保護者欄に母親の名前を書く方がおいでになりますが、それは違います)
 もちろん、保護者名の後には「○○○○ 行」と書きます。これが、常識です。宛名である自分の名前には「様」とは書きません。(ご存知でなかった方は、覚えてください。これは、願書に限ったことではありません)
 こうすると、先方が「行」を二本線で消し、「様」と書き換えて返送してくださいます

 しかし。
今では、ほとんどの学校が、宛名を記載するスペースの下に、すでに「様」の印刷をしていたり、「様」のスタンプを押したりしています。
 さあ、どうしましょう?というのがご質問です。

 もちろん、本来は、「様」ではなく「行」にする、というのが常識ですからね。常識人としては、これをわざわざ二本線で消し、「行」に直したい気持ちになりますよね。それに、そうしないと、この志願者の両親は常識知らずだ・・・と思われてしまう・・・とも心配になる・・・

 でも この場合は、敢えて「様」のままにしませんか?
一度にたくさんの返信作業をしないといけない学校側が、いちいち封筒の宛名下の「行」を二本線で消し、「様」と書き換える手間を省きたい、という思いから、わざわざ「様」を印刷されているのです。この意味を考えると、そこでまた、ひと手間をかけさせることは・・・違いますよね

 「先生、細かいことまでお聞きしてすみません」と詫びられるお父様、お母様がおいでになりますが、願書を記入していて、細かいことにまで気持ちがいくことは、ちっとも悪いことではありません
 少しでも気になったら、納得のいくまで、教室の先生にお聞きしましょう

 そして「っま、いいんじゃな~い」の発送は、私立校に進学された後には、必ず改めましょうね きっと、それが大火傷の原因を作る発想になるはず、です
 特に、伝統校では、脈々と受け継がれた「保護者の常識」というものがあります。それは、決して文章にして配布されるものでも、学校側が懇切丁寧に教えてくださるものでもありません。
 その学校の保護者となったご両親が、学校に足を運び、自然に「感覚」の中で身に着けていく「その学校の父兄らしさ」であり・・・それが、校風にもなっていくのです

 何にでもこだわり、心を込める・・・日常生活でも実践していれば、あなたはワンランク上等の「家庭力」を身に着けられるはず、です






小学校受験 - 方眼上の位置

2011年08月09日 | 小学校受験のカリキュラム
  方眼が書かれたペーパーを前にして、黙って歯を食いしばり、涙目になる子ども・・・決して少なくはありません。
 大人にとっては、「上から3番目、左から4番目」などと、位置を伝えることは非常に簡単なことです。私達は日常生活の中で頻繁に〇番目、という言い方をよくします。
 しかし、子どもにとっては、それがなかなか理解しづらいものなんですよ

 では、ここでちょっと考えてみましょう!
子ども達がよく口にする「いっちばーん」という言葉。よく使っていませんか?
 たとえば、子ども達はこんなことを言いますね。
 「ぼく、かけっこで『いちばん』になった!」
 「きょうは、わたし、おべんとうを『いちばん』で食べた!」
 この時の1番、2番・・・つまり、1等賞、2等賞、ということは、よく理解できているのです
 けれど、その「いちばん」と「1番目」、「にばーん!」と「2番目」が、どうしても同じとは理解しがたい・・・

 なぜなら、大人な数量を表すときにも、順番や位置を表す時にも、便宜上「数字」を用います。その時点で、大人にとっては、すべてが「同じ世界に入る」ということが理解できます。
 要するに、数と数字に対する概念があるから、スムーズに理解できるのです

 しかし、子どものように短い人生の中では、まだまだ「数」の概念は身に付かず、ましてやそれを「数字に置き換えることで、とても便利になり、理解しやすくない」ということはわからない・・・彼らの頭の中では、「数や量の多い、少ない」は会得できても、数や数字は決して身近なものではないのです

 では、方眼の「△から〇番目」という言い方のわかり易い学習方法を、一つお教えしましょう
  横に5個、おはじきや色玉を並べます。この時、色は全色一緒でも、バラバラでも関係ありません。
  そして、最も右(左)の玉を指さし、「これ、どこにある玉って聞いたら、何て答える?」とたずねてみます。たぶん、「一番端っこ!」というような答えが戻ってくるでしょう。そこで、対極にある玉を指さし、これも「一番端っこでしょう?」と切り返してください。こうすることで、子どもは初めてここでは「どちら側なのか」を表現しなければいけない、ということを実感できるのです。
  ここで「右はじ(左はじ)の玉」と答えてもらいましょう。ここでは、まだ「右(左)から1番目」などと言える必要はまったくありません。
  次に、右(左)から3番目の玉の位置を聞いてみましょう。きっと、子ども達は「真ん中!」と答えることと思います。この場合、「正解」と答えてあげます。本当にこの玉は中央にあるわけですから、ここでは、別段、「〇番目」と言う必要はないのです。
  やっと次に、右(左)から2番目の玉の位置をたずねます。端でもなく、真ん中でもない玉・・・この順番で尋ねることによって、子ども達に「はじ」「真ん中」という言葉だけでは位置は表現できない、ということを感じてもらいます。そして、このタイミングで「右(左)から2番目」という表現を教えます。
  理解を十分に深めさせ、この言い方に慣れてもらうためには、横一列に並べるおはじきや色玉を6個、7個にして、同様に尋ねていけば良いでしょう。

 次に、横に5個並べたおはじきや色玉はそのままにし(横に6個、7個ならべて練習をした場合には、5個にもどします)、その真ん中の玉から上に2個、下に2個、おはじきや色玉を並べます。つまり、十字、クロスのように5個ずつ縦横に玉が並びます。
  今度は、横の時の同様に、手順を踏んで、縦の列で位置を尋ねます。

 このように、最初から方眼用紙に置いた野菜や果物の位置を言わせようと必死になるのではなく、まずは「縦軸、横軸」をしっかりと理解させ、そして、「右(左)から〇番目」「上(下)から〇番目」と位置の表現方法に慣れさせてみましょう

 縦軸、横軸を使って、自分が「位置」を表現しているのだ、という認識がないから、「右から4番目の・・・左から3番目」とか「上から5番目の下から2番目」などという、同一線上の表現だけで終わってしまうような間違いをするんですね

 急がば回れ、です
何でも「なぜ、間違うのか?」を理解することによって、初めて「間違わせない教え方」がわかってくるものですよ





小学校受験 - 図鑑のすすめ

2011年07月28日 | お受験ママへのアドバイス
 春・・・と聞いて思い出すものは何かしら?
 夏・・・と聞いたら、どんなものが頭に浮かぶかな?

 こういう質問に、次から次へと答えが戻ってくる子ども達は、すっかり少なくなりました。
いや、次から次へと答えが戻ってくる子どもは中にはいますが、残念なことにそんな子どもの半数は、「教えられたものを覚えている」だけで、実際に自分で季節を想像し、イメージされたものを答えてくれているのではないようです

 エアコンが普及し、家の中や建物の中にいる限りは、一年中快適な気温に設定されていて、人は「暑い、寒い、あたたかい、すずしい」という感覚には鈍感になっているようです。
 また、食生活の面でも、野菜はハウス物、輸入物が多くなり、「旬のもの」という感覚にも乏しくなってしまいましたねえ・・・
 八百屋さんや、スーパーに並ぶ「フキ」や「うど」「冬瓜」「ミョウガ」や「新しょうが」を見て、「ああ、もう〇〇になったのねえ・・・」と、季節を感じるお母様がどれだけいてくれるでしょうか?やっぱり、それはちょっと残念だなあ、と思っていますです。食卓から季節を感じる・・・決して、高級割烹でなくても、旬のものを食し、季節を味わうことはできるんですものね
 かろうじて、果物だけは、今でもかなり「季節感を残した食べ物」かもしれません。さすがに、いくら大手のスーパーでも、真冬に「すいか」や「桃」が並ぶことはありませんから・・・

 私の教室でも、季節のカリキュラムは苦手な子ども達が多いのが現状です。また、春夏秋冬を聞いて、思い浮かべるものが次から次へと出てきても、いざ「絵として描かせてみる」と???というような絵に仕上がることばかりです。きっと、この場合は、そのものを「名前、音として覚えているだけ」なんですね

 たとえば・・・
  「夏と聞いて思い浮かべるものは何?」とたずねた時・・・
  「ひまわり・・・うーん・・・それから・・・あさがお
 と答えてくれました。
  「そうねえ!ピンポーン じゃあ、で思い浮かべたものを画用紙に描いてもらいましょう!」と言ったところ・・・
  「あさがおは・・・描けない・・・ひまわりだけ、描く・・・」と言い、描き始めました。
 ところが・・・です!その子が「ひまわり、描けました」と言ってニコニコとして見せてくれたのは・・・
 たんぽぽ?むー・・・これ何の花かな?というものでした。

 葉っぱがギザギザとしているのは「たんぽぽ」のようです。けれど、花びらは4枚しかありませんし、花びらの形も丸いのです。むー・・・このお花は、何でしょう?お花屋さんでも、見たことはありません

 今度は「夏のもの・・・むー・・・スイカ」と言った子にも絵を描かせてみると、緑の丸い物体に小さな無数の黒い点々。え?黒い点々が種だったとしても、赤いスイカの実の中にあるのはわかりますが、緑色の表面に黒い点々はねえ・・・

 もしかしたら、なかなか季節に関心を示さない、とか、わかってくれない、という子どもを相手に、お父様やお母様が苦肉の策として・・・
 「夏と言えば、ひまわり、あさがお、スイカ、ブドウ、海水浴、蚊取り線香・・・ほら、覚えて、覚えて
と教えられたのかもしれませんね。
 そうだとすれば、この子にとっては、ひまわりも、あさがおも、スイカも、ブドウも・・・夏のイメージの中に出てくるお花や果物などではなく、単純に教えられてリピートし、覚えた「名前」にしかすぎません

 そこで
今日は「図鑑のお薦め」です。どうぞ、植物や野菜や果物、昆虫などの図鑑を子どもの身近なところに置いてあげましょう

 本来ならば、日常の家庭生活の中で「自然と身に着く、自然と覚える」ものであるべき季節ですが、今の時代、それを望むのは難しいことは十分に理解できます。
 でもね、どんなにインターネットが普及しても、パソコンのサイト上で調べ、見せる・・・というだけでは、子どもの「わかった」や「なるほど」にはつながりません

 身近なところに図鑑があれば、ちょっと時間のある時にペラペラと眺めることができます。何も、座って、「さあ、今日は〇ページを開いて!△△を良く見て観察しましょう!」などと言わなくても、楽しく「観て、知る」ことはできますよ

 身近・・・そうなんですよ。何でも、子どもの身、子どものそばに置いてあげれば、必ずいつかは興味を持ってくれます。わざわざ教える、とか、わざわざ調べる、わざわざ見せる・・・ということ以上に、子どもにとっては自然なことであり・・・結果として身についていきます

 最近では、ものすごく細かい描写で、写真かと思ってしまうほどすばらしい図鑑も多く出版されています。
 じつは、大人だって、図鑑を眺めるのは楽しいものです。お勧めします


         

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小学校受験 - 夏期講習の功罪?

2011年07月12日 | お受験ママへのアドバイス

 夏休み前・・・受験を考えるお母様方の目が血走っていたら・・・こっそり笑いましょう ママが血眼になったところで、何がどうなるわけではありません 
 そんなふうに言ってしまうと、確かに身もふたもありませんが・・・こんなふうに露骨に警告をしないと、そういう「血眼ママ達」は、ちっともご自分の異常さに気づいてくださらないものなんです

 せっかくの楽しかるべき夏休み 保育園児の場合は、長い夏休みに入るわけではなく、いつも通りの保育園生活が続くわけですが、それでも世の中の「夏休みモード」は感じられますし、ちらほら、平日にお休みをする子ども達も出てくるようになり、やっぱり「夏休みの感覚」はあるものです
 そんな思い出深い幼稚園、保育園生活「最後の夏休み」を、「夏期講習三昧」で終わらせてしまうのは、あまりにもったいない・・・本当に、そう思われませんか?
 
 私のような立場の人間が、こういうことを申し上げるのは甚だ筋違いですが・・・夏期講習は、幼児教室のボーナス、のようなものです。
「Aちゃんは〇〇が苦手です。夏休みの間に克服しましょう!」と言われば、それはご親切に!と胸が熱くなるかもしれません

 でもね、本当に大事なのは、ご両親が幼児教室に勧められたから、という理由ではなく、十分に考えた結果、ご自分達でその必要性を感じるかどうか?ということです

 こういうと、「私達は素人だから、先生に勧められるがままにするしか仕方がない・・・」とお応えになる方も少なくはないでしょう。
 それでも尚、私は申し上げます 何でもかんでも(受験に関することだけではなく、です)、人の言いなりになってはいけません

 考えてください
ご自分達の頭で、「何が必要で、何が不必要か?」「我が子のために、この夏にしないといけない、と思うことは何なのか?」
 
 受験をするから、という理由で、夏休みを「机上のお勉強」と「受験に打ち勝つ!という下心からの体験」ばかりに費やしてしまうのは・・・それは間違いでしょう

  お子様は、自分の頭で考える習慣はついていますか?
  人に言われることしかできない、という子どもになっていませんか?
  指示だけを待ち行動する、大人の顔色ばかりを見る、人まね子ザルになっていませんか?
  生き生きと、子どもらしい発想で、たくさん話してくれていますか?

 受験の時期まで3か月というこの時期になっているからと、受験一色の生活をしなければ 夏休みなんて悠長なことは言っていられない などと思っているとすれば・・・それは大きな勘違いです。

 受験をしようがしまいが、親子で「暑いねえ・・・」と閉口しながら、それでも夏を感じ、夏を楽しむ生活 これほど大事なこと、貴重なことはありません。

 血眼のお母様。どれほど鏡の中のあなたが、殺伐とした潤いのない表情になっていることを・・・「この顔じゃあ、うちの子が私を「だーい好き!」などと言ってくれるわけはないか・・・」ということに気づいてください

 お母様が「夏期講習のマネージャー」になる夏の生活は、百害あって一利なし、とは言いませんが、やっぱり「利」よりも「害」のほうがはるかに多い・・・と知るべきです。

 誰かが言わなければ・・・みーんな、同じ方向に考えもなしに、わき目も振らずに行ってしまう・・・私がその「だれか」であり・・・そして、たとえ節電の中の猛暑であっても、親子で「日本の夏」を感じ、楽しむことをお勧めする役目を担っている、と私は思っています


 
 
 「お受験インデックス」から依頼を受けたコラムです。ご覧くださいね。
 「小学校受験は、中学受験の小型バージョンではありません!」

 
 


小学校受験 - ママの顔を鏡に映してみてください!

2011年05月18日 | お受験ママへのアドバイス

 すっかり世の中に浸透し、定着した中学受験。
夜、塾の名前の入ったバッグやリュックを背負って家路を急ぐ子ども達を目にすると、中学受験というものを知らない人も、嫌というほど知っている人も、すべての人が「中学受験って大変だあ・・・」と思うものです。
 確かに、中学受験は大変です。
小学校受験に比べて準備の期間も非常に長く、子ども自身がしっかりとした自分の意志を持つようになってからの受験ですからね。
 しかし、見方によっては、その中学受験は、小学校受験よりも「楽である」ともいえるのです。それはなぜでしょう?

 じつは、中学受験の場合は、合否の基準が非常に見えやすい!テストの点数、正誤が、そのままで「合否」につながります。誰もが知っている「偏差値」という数値も、そのままでさまざまな判断のバロメーターになります。
 ですから、中学受験をサポートする親は、「不確かなもの」への不安を持つ必要はありません。
 算国社理、算国の試験以外に、子どもの面接のある学校の場合でも、面接のほうが重視される・・・ということは稀で、あくまでも試験の結果が重要になります。要するに、「当日のテストの出来不出来」が、そのままで合否に大きく影響します

 しかし、その一方で、小学校受験や幼稚園受験の場合は・・・
合否は、とても不透明な部分が多くある、というのが現実です。いえ「不透明」という表現は適切ではないかもしれません。実際には、どの学校にも、確固とした基準や判断があるものですが、それが中学受験のように、単純に「数値として表せるものではない」というほうが良いでしょう。
 要するに、幼稚園や小学校受験の場合は、合格したお子様が非常に優秀で、不合格だったお子様は能力的に劣っていた・・・決してそうとは言えない、ということです

 たとえば。
世の中で「お受験と言えば、ドリル的問題をたくさん、正確に解くもの」と、神話のように信じられているペーパーテストですが、これが満点であっても、他の個別のテストや集団遊びや、グループでの製作をした時、何か学校が「この子は違うな・・・」と思われたり、親子面接をした時に、「むー・・・この両親は、何か違う・・・」と感じられたりしたとしたら?結果が良くない場合だってある、ということです。

  お母様、今のあなたはステキですか?
  お子様にとってステキなお母様ですか?
  お子様は、今のお母様に満足しているようですか?
  あなたはお子様から嫌われてはいませんか?
  あなたは愛する我が子から、疎ましい相手だ、と思われていませんか?

 最近の幼児虐待報道のような、とんでもない親でない限り、どんなに子どもが成長しても、子供達は、いつもパパやママが大好きだって事、ご存知ですか?少なくとも、パパとママのことを大好きでいたい!と思っているものですよ

 けれど、小学校受験の準備をしている親の多くは、自ら「愛されない親、子どもから拒否される親」に、どんどんと変身していっている・・・
 自分の勝手な都合で、我が子を誉めたり、叱ったりする未熟な親になっていっている・・・・そう、自分では全く気付かぬうちに・・・です。

 私のところに相談に来られるお母様の多くは、よくこんなことをおっしゃいます。
 「先生、私はずっと子どもの幸せを考えて、一生懸命に子どもに接しているんです。私は子どもの幸せを願うからこそ、あの子に勉強をさせているんです
 「私はうちの子のことを愛しているから、だから今は大変でも一生懸命にやりなさいって言ってるんです。私のためじゃない、みんなあの子のためなんです。だからこそ、私も心を鬼にして、必死にやってるのに・・・

 でもね、そういう心の中には、「私がこれだけやってるんだから、うちの子だって、このくらいはやってくれても良いはず」「私がこんなに愛してるんだから、それに応えてくれたっていいじゃないか」そんなふうに我が子に対して思っていませんか?

 眠い子どもをたたき起こして、朝から何枚ものペーパー学習を強要し、間違えると「なんで何度もまちがえるのー」と、ヒステリックに叱る・・・
 幼稚園や保育園でくたくたになっている子どもに、受験準備のためにと体操教室、絵画教室、ピアノ、ヴァイオリン、英会話と、さまざまなお稽古に連れまわし、夜はまた自宅で膨大なペーパー学習・・・

 小学校受験準備をしている子ども達は、4、5年前には、未だこの世に存在していなかったのです。そんな我が子に、怒鳴りつけたり、泣かせたりしていませんか?
 こんな狂気とも思える生活を、4,5歳児に強いている時のママ達の顔は、きっと美しくはないはず・・・です

 幼いたった4、5歳児にも、一生懸命にパパやママに伝えたい!と思っているメッセージがあるのですよ。
 「パパ!あのね、ボクは今こんなことを考えているんだよ!」
 「ママ!・・・ワタシはね、本当はママにこんなことをしてもらいたいの!」
そんな子どもの声が、いつも聞こえていますか?

 いろいろな学校で、学校説明会や見学会等が始まりました。どんなにのんびりと構えていたご家庭でも、少しは「ああ、いよいよだな・・・」と緊張し始めるのがこの時期です。

 でもね、どうぞ時には立ち止まり、ご自分の今の姿、今のお顔を見てみてください
 鏡に映ったお母様の笑顔はステキですか? とてもチャーミングなママですか?
 ちょっとのことでは笑わない、ひきつったような、ドキッとするほど怖い顔はしていませんか?

小学校受験 - 昔話を大事にしましょう!

2011年05月11日 | お受験ママへのアドバイス

 今は、どんな本屋さんでも、「子どものための絵本」「児童書」がずらりと並んでいます 戦後は、児童文学という分野がしっかりと確立され、名作を残される作家も多くなりました。
 「子どもの情操教育には、本の読み聞かせが大事」「幼い時期から、絵本をそばに置き、自然に本に慣れ親しむようにする」等々、本によって家庭教育の充実を図るご両親は少なくありません。

 その一方で、昔ながらの「おとぎ話」は、すっかり影をひそめてしまいました。
「桃太郎」や「浦島太郎」などは、かろうじて今でも子どもの世界の中に残っているように思いますが、「かちかちやま」「はなさかじいさん」「かぐやひめ」「こぶとりじいさん」「さるかにがっせん」などは、全く知らない・・・という子がほとんどです。やはり、それはとても残念なことだと私は思っています

 先日、こんなことがありました。
クラス中、誰よりも早くに問題が解けた生徒が、すっかり悦に入り、まだまだがんばっている仲間に「まだおわんないの?ぼくはもうできちゃたよ!」と言い、私にこっぴどく叱られました。
 まあ、子どもの世界の中では、こういうことは日常茶飯事。特に現代の子ども達は、「できる子に育てたい」というご両親の望みが強く、「早くできる」「たくさんできる」ということばかりに着目する親の元で育つ子どもが多くなりました その弊害で、「じっくりと取り組む」「見直す」ということのできる子どもが激減し、早い=良いこと、という意識が、すでに4,5歳児の中にも確立されてしまっています

 ・・・ということで、私はこの慢心する生徒を相手に、しっかりと諭したあとで、こんな言葉もかけたのです。
「ほらあ、そんなことをしているとね、そのうちにカメに抜かれてしまうわよ。うさぎになるのは格好悪いでしょう?」するとこの子はこう答えました。
「先生、ぼくはカメじゃないよ。に・ん・げ・・ん!」私は思わず大爆笑してしまったものです。

 10年ほど前でしょうか。勧善懲悪の昔話は子どもの教育上、良くない、と言われたことがあり、主人公は鬼も懲らしめず、悪者もバッタバッタとやっつけることなく、ひたすら「すべてが丸く収まり・・・めでたし、めでたし」というお話に書き換えられ、そういうハッピーエンドにされてしまった「昔話」が奨励された時代がありました。
 けれど、勧善懲悪のお話は、決して残酷でも、理不尽でもない!私はそう考えています
 純真で無垢な子ども達に「いけないことをするのだったら、叱られること、罰を受けることは覚悟しなさい」ということは間違いであると思いません また、鬼という架空の生き物は、実際には生き物ではなく、「邪悪なもの」の象徴として描かれて、登場しているわけですね。ですから、鬼を忌み嫌わず、やっつけることもなければ、社会の悪、心の中の悪、そういうものを「認める」ことになってもしまいます・・・

 昔話は、立派な日本の伝統文化です。
今では姿を消してしまった風習や、農耕器具、道具類がたくさん出てきて、お話の中で自然に「今の便利な時代」への感謝の思いもそだっていくはずです。
 どんなにすばらしい子ども向けの新文学が育ってきても、やはり「日本を知る」「日本の風習を学ぶ」「日本人の美学に触れる」という意味でも、是非ぜひ、昔話を大切にしましょう
 小学校受験の中で、しばしば登場する昔話・・・出題をされる意図は、そのような考え方がある、ということを知っていてください。


        

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小学校受験 - 東日本震災を通じて

2011年05月03日 | お受験ママへのアドバイス

 3月11日の地震。あの地震が起こったのは、午後2時半過ぎ、のことでした。
このようにあらためて書いてみると・・・「ということは?」とピンとこられる方も多いのではありませんか?
 そうです その時間は、小学生の下校時間。
高学年の6時間授業であれば、学校内にいる時間ですが、低学年で、もし5時間授業で下校となっていれば、生徒達はちょうど学校を出て、帰路につく時間だったのでした。

 ほとんどの私立小学校の生徒達は、バスや電車等の公共機関を利用し、登下校しています  となると、彼らは電車の中やバスの中、駅に向かうためや駅から自宅への道を歩いている・・・という時間帯に、あの大きな地震に遭遇したことになります。
 ここまでお読みになって、あらためて「私立小学校を考えていたけれど・・・もう、そんな危険なことはさせられない」と、ゾワゾワと寒気のする思いになられた保護者の方もおいでになるかもしれませんね。

 確かに、今回の地震により、首都圏でも長い間、余震が続きました。
そういうことから、多くの私立小学校では、3月11日以降、余震そのものへの不安だけではなく、登下校時に利用する公共機関への心配等もあり、地震後は3学期の授業を再開することなく、なし崩し的?に終業式、春休みに突入という決定をされました。それだけ、住居に密着した公立小学校とは全く異なる心配事があることは事実です。

 危機管理という名のもとに、どの私立小学校でも、いろいろな災害を想定し、教職員と保護者が機会を設けてはシミュレーションはしていたはずです。しかし、これだけ大きな地震があるまでは、やはり「絵に描いた餅」的な、現実味を伴わないシミュレーションだったことでしょう。
 しかし、こうして現実となった今、学校側は、今まで以上に「細分化された対策」を作成され、「もし」に備えられていることと思います。

 あの日、私の教室「幼児教室マナーズ」の卒業生達も、私立小学校の在学生として、地震に遭遇しました。
 * 歩いている時に地震に遭遇した子ども
 * 電車の中にいた子ども
 * 学校を出たばかりの子ども
 * 乗換駅で電車を待っていた子ども・・・
いろいろな状況の中で「子ども達」は地震に遭遇し、その後は、本当に涙ぐましい努力をし、「知恵を絞り、自分の頭で考え、行動した」のでした。


  まわりの大人に道を聞きながら、長い間歩いて学校に戻った子ども・・・この子は、家に戻ることを考えるよりも、学校に戻るほうが距離は近い、と判断したのでした。

  電車が止まってしまった途中駅で外に出て、何とか公衆電話を探して、自宅に何度も電話をして、無事を知らせようとした子ども・・・降りたこともない見知らぬ駅でしたが、構内の長蛇の列の公衆電話に並ぶよりも、外に出れば、きっとすいた公衆電話があるだろう、と判断したのだそうです。

  同じ電車に乗っていた制服をきた他校の生徒に声をかけ、一緒に行動しようと相談した子ども・・・中の誰か一人でも親と連絡がつけば、数名が一緒であることを伝えられる、と判断したのだそうです。

 これはみな、低学年の子ども達の話です。当日、私立小学校に通う多くの首都圏の子ども達の「知恵」の極々一部、でしょう。

 これで、おわかりになりましたか?
ポイントを見失ってはいけません 大事なことは、「我が子が、どのように自分の頭で考え、持てる経験と知識から知恵を絞り、その場でどう対応できるか?」ということ・・・それがポイントです

 各私立小学校が今回の経験から、今まで以上にさまざまな事象を想定し、預かっている大切な生徒達に「万全を期す」ことは、すでにわかっていることです。在校生を大切にしない学校など、あり得ません

 だからこそ、本当のポイントは・・・「我が子がどう対処するか?」ということ。
確かに、近所の公立小学校に通うより、さまざまな危険性やリスクは高いことは事実です。しかし、その高いリスクを冒しながらも通わせるだけの「教育環境」が私立校にはあります。
 だからこそ、多くの保護者の方が、「私立小学校」をお考えになり、また、現実に多くの子ども達がそのリスクと危険性と背中合わせで毎日、登下校をしているのです

 小学校受験の鍵は、「ペーパーテストでいかに高い点数を採るかだ」などと、いまだに真剣に信じている保護者がいるとしたら?
 そんな受験準備をし、上手く入試をクリアしたとしても、実際に通い始め、今回のような災害に見舞われたとしたら、どれほどのことが考えられるでしょうか?
 ペーパーを子どもの背丈ほどの高さまで積み上げ、それを全部解かせること・・・それが受験準備だと信じていたら?

 きっとそんな親の元で受験の準備をしている子ども達は、かわいそうなことに、今までの両親との生活の中で、「知恵を働かせる」「自分で考え、判断する」ことの必要性や重要性さえ教えられずに育っていることでしょう

 今回の地震を機に、あらためて、「子どもに必要なことは何か?」「私立小学校に求めるものは何なのか?」をご両親で、十分に考えてください


小学校受験 - 上履きは大きすぎませんか?

2010年09月30日 | お受験ママへのアドバイス
小学校受験 ― 上履きの大きさをチェックしましょう!

 小学校受験の考査には、しばしば「運動テスト」というものがあります。
名称としては「運動テスト」ではあっても、実際には運動とは名ばかりの、簡単に身体を動かすテスト・・・たとえば、ケンケンをしたり、ほんの短い距離をジグザグに走ったり、指示された回数だけ飛んだり、しゃがんだり等の指示行動重視のものがほとんどです。
 もしくは、敢えて「体操服」に着替えさせ、体操服への着替えのスピードや、脱いだものを畳んだり、ボタンを留めたり、ということを主眼においたもので、実際には運動能力は二の次・・・という考査もありますね。

 いずれにしても、「多少ではありますが」子ども達は身体を動かします。
さあ、そんな時に、足の大きさにフィットしていない、ぶかぶかの上履きを履いていたとしたらどうでしょうか?
 足の甲まできちんと絞まった運動靴とは違い、上履きの場合は、もともと構造的に脱げやすいものです。それなのに、その上、サイズまで大きかったとしたら?
子ども達は、その場で軽くジャンプを2,3回しただけでも、そのつど、スポッ!スポッ!と踵が脱げて、とても動きにくいと思いますよ
 ジャンプだけでも脱げそうなのに、それが「かけっこ」だったとしたら?
間違いなく途中で脱げます! 困った様子で慌てる我が子の姿を想像してみてください!
 まあ、脱げてしまうほど大きくはなくても、もしかしたら脱げるかも?と思える大きさの上履きを履いていたとしたら、知恵の働く子どもならば、必死に脱げないようにと神経を使い、不自然な、力の発揮できない走りになってしまうでしょう

 いずれにしても、本来は「指示の通りに身体を動かす」ということに神経を集中しないといけない場面で、「靴が脱げないように」に一番気持ちを持っていなかいていけなければ、何と悲しく情けないことでしょう。何より、その時の子ども達の不安な気持ちを想像するだけでも、胸がつまってしまいます

 ここ数年は、多くの子ども達が、本来の自分の足のサイズよりも、1㎝~2㎝程度、大きい靴を履いている、という傾向にあります。つい2,3日前も、夕方のニュースでその特集をしていましたが、何と、お母様方は、全くそのことに気づかず、「これが我が子のフィットサイズ」と理解して、履かせているのです。
 まあ、この点に関しての詳しいことは、このブログではなく、私の教室のほうの付属ブログ「ママ達のおやつ」のほうで、いつか取り上げてみましょう

 さあ、今すぐに点検をしてみてください
あなたのお子様の上履きは大丈夫ですか?どこのメーカーの、どんなものが「○○小学校のお好み」などと、ウワサばかりのつまらないこだわりに振り回され、あっちこっちのデパートや靴屋さんを探し回るよりも、まずは、大きさチェックです

 上履きを履かせて、踵を床にトントンと2,3回させてみて、足全体をピタリと床につけた時、つま先の部分がママの親指と人差し指でギュッとつまめるようであれば、軽く1㎝はもともとのサイズよりも大きいですよ。つまめないものの、つま先にかなりのゆとりがあって、上履きの上から押すことができるようであれば、それも要注意
 本当に小さい靴、というものは足の指が「まっすぐに伸ばせられず、縮めた状態」の場合だけ、です。
 チェック!チェック!

小学校受験 - 親の勘違い「未熟な言語力」

2010年04月12日 | お受験ママへのアドバイス
 小学校受験では、基本的に「文字は書かせない、文字は読ませない」「数字は書かせない、数を数字には置き換えない」ものです。
 小学校受験の問題の、特に数量の分野では、数を増やしたり減らしたり、かけたり、割ったりという要素の問題を解かせますが、実際にはそれらは決して「足し算、引き算、かけ算、割り算」ではなく、頭の体操的な問題なのですね
 だからこそ、数字を書くことはありませんし、言葉を扱う場合にも、言葉を文字に置き換えるのではなく、あくまで「音」として考えます。

 時々「先生、うちの子は、もう100まで数えられるし、途中で間違うこともないんですよ、ホホホ・・・」と満足げにお話し下さるお母様がおいでになりますが、これは小学校受験的には、何の意味もないことです
 数を100まで呪文のように数えられるよりも、しっかりと「10」までの数を理解できることのほうが、何倍も意味があるのです。
(ここに4つのクッキーがあった時、『クッキーが4枚ある。だから、お皿も4枚用意しなくっちゃ!』というふうに、数を捉えられることが大事です)

 話がちょっと横道に逸れてしまいましたが・・・

 お父様やお母様は、日頃、子ども達と日常会話をされていますね。一日は「おはよう!」から始まり、「おやすみなさい!」までの間、きっと親子でたくさんの会話をされていることでしょう
 お母様が「早く幼稚園に行く支度をしなさいよ!」と言えば、ちゃんと理解して「はーい!」と答えるでしょうし、降園してきた子に「おやつの前にお着替えをしなさい!制服はハンガーに掛けるのよ。」と言えば、「このハンガー・・・つるつる滑って掛けにくいねえ・・・」などと、ちゃんと文句だって言うかもしれません。
 ですから、ご両親は、「うちの子はほとんどのことは、きちんと理解できる」と思っていらっしゃるに違いありません
 (そういう安心感があるからこそ、第2外国語にまで手を出している方も多いはず、です)

 でも
これが親の大きな勘違いである!ということを、しっかり認識してください。
 子どもは、親が思っているほど、言葉の理解力が高いわけではありません。なぜなら、日常会話として使っている語彙、言い回しなどは、思いのほか多くはないからです。
 もっと簡単に言えば、親や、まわりの大人は「この子はまだまだ小さな子どもなんだから、難しい言葉は理解できない。だから、子どもに分かり易い言葉を使って、なるべく手短に話そう!」というふうに意識し、子ども向きの会話をしていることがほとんどですし、それ以上に、日常会話で必要とされている言葉や表現は、ほとんどが毎日の衣食住に関する言葉や表現であり、そういう意味では、かなり限られているもの、なのですね。

 たとえば。
「かいしゃ」「でんしゃ」「まど」「そら」「まんげつ(つき・おつきさま)」という5つの言葉。
 きっと4,5歳児でも理解できる言葉でしょうし、自分達でも使いこなせている言葉だと思います。ですから・・・
  「きょうね、長い時間のお仕事が終わって会社から帰るとき、お父さんはいつも乗ってる電車とは違う電車に乗ったんだよ。疲れていたけど、窓から空を見たら、満月がとってもきれいでね。お父さんは嬉しい気持ちになったよ
 こういうふうにお父様が話せば、きっと子ども達はきちんと理解できるでしょう。

 けれど、これはどうでしょう?
 「会社で長時間の打ち合わせをやっと終えてさ、帰ろうと思ったら、人身事故の影響で電車がストップ。別路線の電車利用で帰ってきたんだ。窓から空を見たらね、高層ビル群の向こうに見える満月がきれいでねえ。癒されたよ・・・
 
 字数としては、ひとつ目の文章も、二つ目の文章も100字程度で同じ長さ、です。
でも、最初のパパの言葉は、子どもが日頃からよく使う言葉を使い、敢えて子どもに分かり易く語ろうという意志を持って話していますね。
 それに対して、後のパパの言葉は、普通に大人が会話をする時の言葉、です。きっと、子ども達の多くは「ハテナ???」が飛んでしまったはず・・・

 つまり。
子ども達が日頃、耳にしない言葉が入ってしまうと、たちまち、チンプンカンプンになってしまうのです。
 内容的には、「お父さんは電車からきれいな満月を見て、とても感激した」という同様のもの、なんですが・・・

 説明がかなり長くなってしまいましたが、これで、子ども達の日頃の会話は、「ほとんど決まったような、比較的簡単で、頻繁に耳にする言葉」だけで済まされていることがご理解いただけたでしょう。
 要するに、4,5歳の子ども達は、どんなに大人と普通に会話できていても、実際には、表現力もボキャブラリーもそれほど多くはなく、成熟した会話力があるわけではないのです。まずは両親が、そのことを理解していなければなりません

 まずは、このことを十分に認識した上で・・・
 * 徐々に子どもに話す言葉を意識的に「子ども向け」の言葉に変換しすぎず、大人の会話と同様のものを使うようにし、言葉の理解度を高めてあげる習慣をつけること。
 * 日頃の会話を、子どもの生活に密着した衣食住に関するものだけではなく、「社会でおこっている事」等の話題にも拡げ、子どもが興味を持って、自分の身近な世界の外の出来事に触れられるようにすること。それが、使う言葉を増やすことになる、ということを理解する。

 親の認識とこまめな努力が、真の子どもの成長を促します。最初は大変に感じるかもしれませんが・・・万事、親が真理を理解していれば、少なくとも「上手いリード」は十分にできるもの。その後に、子どもの成長が確実についてきます




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小学校受験 - 何を目指し、何を求めるのですか?

2009年10月25日 | その他、もろもろ
 小学校受験ほど、「見えない」ものはありません。
違った言い方をすれば、中学、高校、大学受験の場合は、しっかりとした合格するための指標や基準があり、塾や予備校はそれを十二分に把握した上で準備を進めさせます
 問題をスムーズに解き、時間内に終わらせ、解答が間違っていなければ「限りなく合格に近い」と言えるでしょう。
 
 では、小学校受験の場合は?
もちろん、準備すべきことはたくさんありますし、どんなお教室でも「何をするか?」がわからないわけではありません
 しかし、合否の基準というものは、極わずかの「高得点がすべて」という学校以外は、曖昧?なかなか把握できない・・・と言わざるを得ません
 実際には、学校側としては合否の基準は「曖昧」でも何でもなく、然るべき判断基準というものがあり、それに則って「願書の内容、面接、考査」をみてを合否の結果を出しているわけです。しかし、残念ながら、志願者側には中学受験、高校受験のように、明解ではない・・・ものです。

 ここでは、こんな話しをしてみましょう
 先ほどは「極わずかな、高得点がすべて、という学校」という表現をしましたが、そういう学校をA校、としましょう。
 そして、B校は、数値に置き換えられるような子どもの能力以上に、学校と家庭、学校と両親とのフィット感をすこぶる大切にする学校です。
 C校。こちらは、子どもの能力と家庭と学校とのフィット感を「5:5」で考える学校です。ただ、子どもの能力も、知育的能力以上に、その子の感性に起因する能力を重視する・・・
 さあ、どう思われますか?A校、B校、C校・・・この3校の合否の指標は同じだと思われるでしょうか?

 中学受験が一般化されてきた現代、多くのご家庭では、小学校受験というものを、中学受験のミニヴァージョンのように受け止めているようです。
 つまり、すべての私立小学校が「A校」だ、というふうに考えている・・・でも、それは違うのです
 こういう誤解が誰からも正されることなく、自ら知ることもなく、ひたすら子どもの準備に奔走する・・・これではあまりに残念です

 せっかく私立小学校での教育を求め、目指すのであれば、各学校の難易度や倍率、業者の出す偏差値ばかりに目を留めるのではなく、あらためて各学校が真に目指す教育とはどういうものなのか?ご自分の家庭が我が子にどんな教育を受けて欲しいと願っているのか?を、しっかりと知る努力、その必要があると思います