すっかり世の中に浸透し、定着した中学受験。
夜、塾の名前の入ったバッグやリュックを背負って家路を急ぐ子ども達を目にすると、中学受験というものを知らない人も、嫌というほど知っている人も、すべての人が「中学受験って大変だあ・・・」と思うものです。
確かに、中学受験は大変です。
小学校受験に比べて準備の期間も非常に長く、子ども自身がしっかりとした自分の意志を持つようになってからの受験ですからね。
しかし、見方によっては、その中学受験は、小学校受験よりも「楽である」ともいえるのです。それはなぜでしょう?
じつは、中学受験の場合は、合否の基準が非常に見えやすい!テストの点数、正誤が、そのままで「合否」につながります。誰もが知っている「偏差値」という数値も、そのままでさまざまな判断のバロメーターになります。
ですから、中学受験をサポートする親は、「不確かなもの」への不安を持つ必要はありません。
算国社理、算国の試験以外に、子どもの面接のある学校の場合でも、面接のほうが重視される・・・ということは稀で、あくまでも試験の結果が重要になります。要するに、「当日のテストの出来不出来」が、そのままで合否に大きく影響します
しかし、その一方で、小学校受験や幼稚園受験の場合は・・・
合否は、とても不透明な部分が多くある、というのが現実です。いえ「不透明」という表現は適切ではないかもしれません。実際には、どの学校にも、確固とした基準や判断があるものですが、それが中学受験のように、単純に「数値として表せるものではない」というほうが良いでしょう。
要するに、幼稚園や小学校受験の場合は、合格したお子様が非常に優秀で、不合格だったお子様は能力的に劣っていた・・・決してそうとは言えない、ということです
たとえば。
世の中で「お受験と言えば、ドリル的問題をたくさん、正確に解くもの」と、神話のように信じられているペーパーテストですが、これが満点であっても、他の個別のテストや集団遊びや、グループでの製作をした時、何か学校が「この子は違うな・・・」と思われたり、親子面接をした時に、「むー・・・この両親は、何か違う・・・」と感じられたりしたとしたら?結果が良くない場合だってある、ということです。
お母様、今のあなたはステキですか?
お子様にとってステキなお母様ですか?
お子様は、今のお母様に満足しているようですか?
あなたはお子様から嫌われてはいませんか?
あなたは愛する我が子から、疎ましい相手だ、と思われていませんか?
最近の幼児虐待報道のような、とんでもない親でない限り、どんなに子どもが成長しても、子供達は、いつもパパやママが大好きだって事、ご存知ですか?少なくとも、パパとママのことを大好きでいたい!と思っているものですよ
けれど、小学校受験の準備をしている親の多くは、自ら「愛されない親、子どもから拒否される親」に、どんどんと変身していっている・・・
自分の勝手な都合で、我が子を誉めたり、叱ったりする未熟な親になっていっている・・・・そう、自分では全く気付かぬうちに・・・です。
私のところに相談に来られるお母様の多くは、よくこんなことをおっしゃいます。
「先生、私はずっと子どもの幸せを考えて、一生懸命に子どもに接しているんです。私は子どもの幸せを願うからこそ、あの子に勉強をさせているんです」
「私はうちの子のことを愛しているから、だから今は大変でも一生懸命にやりなさいって言ってるんです。私のためじゃない、みんなあの子のためなんです。だからこそ、私も心を鬼にして、必死にやってるのに・・・」
でもね、そういう心の中には、「私がこれだけやってるんだから、うちの子だって、このくらいはやってくれても良いはず」「私がこんなに愛してるんだから、それに応えてくれたっていいじゃないか」そんなふうに我が子に対して思っていませんか?
眠い子どもをたたき起こして、朝から何枚ものペーパー学習を強要し、間違えると「なんで何度もまちがえるのー」と、ヒステリックに叱る・・・
幼稚園や保育園でくたくたになっている子どもに、受験準備のためにと体操教室、絵画教室、ピアノ、ヴァイオリン、英会話と、さまざまなお稽古に連れまわし、夜はまた自宅で膨大なペーパー学習・・・
小学校受験準備をしている子ども達は、4、5年前には、未だこの世に存在していなかったのです。そんな我が子に、怒鳴りつけたり、泣かせたりしていませんか?
こんな狂気とも思える生活を、4,5歳児に強いている時のママ達の顔は、きっと美しくはないはず・・・です
幼いたった4、5歳児にも、一生懸命にパパやママに伝えたい!と思っているメッセージがあるのですよ。
「パパ!あのね、ボクは今こんなことを考えているんだよ!」
「ママ!・・・ワタシはね、本当はママにこんなことをしてもらいたいの!」
そんな子どもの声が、いつも聞こえていますか?
いろいろな学校で、学校説明会や見学会等が始まりました。どんなにのんびりと構えていたご家庭でも、少しは「ああ、いよいよだな・・・」と緊張し始めるのがこの時期です。
でもね、どうぞ時には立ち止まり、ご自分の今の姿、今のお顔を見てみてください
鏡に映ったお母様の笑顔はステキですか? とてもチャーミングなママですか?
ちょっとのことでは笑わない、ひきつったような、ドキッとするほど怖い顔はしていませんか?