模様眺め

3DCGと模様と宇宙

逆走する亀

2014-09-19 10:38:31 | 宇宙論

 昔の人が世界をどう捉えていたか示すもので、亀の上で三匹の象が大地を支えている絵がある。
 これは、大地が亀のようにゆっくり動いている意味を含めた、当時最先端の科学が導き出した一つの答えである。

 さて、『アキレスと亀のパラドクス』というものがある。簡単に言うと、アキレスが進む間に亀も進むので追い抜けないというもの。しかし、我々はアキレスが亀を追い抜くことを知っている。
 ここには数学の3つの立場がある。
①普通に計算して、いつ追い抜くか導き出す立場。
②1/∞を使って、いつ追い抜くか導き出す立場。
③1/∞≠0だから追い抜けないとする立場。

 宇宙の始まりについて考える際も、結局ここに立ち返る。
 普通の計算では宇宙はどうしても0にはならない。
 となると1/∞で0までたどり着くしかないが、1/∞≠0との矛盾があるのでそれもできない。

 だからこそ始まりはないと考えるのも一つの手である。
 1次元の軸をなす直線があるとする。両端は±∞に伸びている。始点はあるはずだが、それがどこかを示すことはできない。試しに±1にメモリを振ったとする。始点はその中間にあるはずだが、それでも明確には示せない。代わりに0にメモリを振ったとしよう。今度は両端が∞なので、それが本当に始点なのか判断できない。
 もう一つ重要な例え。これが半次元ならどうか?
 どんなに拡大視、細分化しても始点を示せないのは上と同じ。1のメモリを振っても何の指標にもならない。むしろ軸線上から0を探るのは、1次元の時よりも困難といえる。
 では、半次元に0のメモリは振れるのか?

 次元に始まりはなく終わりはない。ならば宇宙もそうであっていいではないか?
 数や計算の半分は次元の性質で成り立っている。実在しない真なる直線、真なる円も次元の中にある。計算でたどり着ける0、たどり着けない0も次元の中にある。どちらが先立つものかは言わずもがな。
 べつに存在しないもので宇宙を説明しようというのではない。
 次元がそういうものだと認められるなら、宇宙もそういうものだと認められるはずだ。


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