ぼちぼち日記

シニアの暮らし方や思い、猫たちのことなどをマイペースで記録しています。

「やさしい猫」 著者:中島京子

2024-03-03 17:49:53 | 
「空港で難民申請したとたんに、するーっと入管の収容所に直行させられちゃうケースもあるの。日本の地を踏まずに二年も三年も収容されている依頼人の顔が、ああ、いまここに思い浮かぶわ!」
「難民を保護するというマインドと、外国人を管理するという入管のマインドは、そもそも相いれないものだからね」
「本来は、入国管理局からは独立した難民認定機関ができなきゃいけないんだよね」
「いや、ここ、じつは根源的な問題なんだよ、マヤちゃん。なぜ、難民保護と入国管理を同じ部署の同じ人間が担っているのかってこと。変だと思わない?助けてあげたいっていうのと、追い出してやるぜっていうのが、同じ部署なんだよ」
「はっきりいって『追い出してやるぜ』ってメンタリティに貫かれているよね」
「うん、日本には難民認定制度って、ないに等しいよね。あるのは難民不認定制度だよ」
麻衣子先生とハムスター先生は、よほど不満が溜まっていたらしく、一気にここまで語り合うと、ふうーっと息をついて、二人で虚空を見つめた。

スリランカ人の男性と結婚したシングルマザーの母と娘は、幸せから一転彼がオーバーステイで入管に囚われるという最悪の事態に直面する。そもそも難民がどのように生まれ、日本ではどういう扱いを受けるのか。
日本の入管の問題点を、ある家族の人生をなぞりながらリアルに描ききっている。出来るだけ多くの人に読んでほしい力作だ。
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好きな場所。

2024-03-03 17:20:57 | 暮らし
好きな場所がいくつかある。
そのうちの一つは、図書館。
若い人はもちろんだけれど、私くらいのおじさんやおばさんがコンピューターで検索をしていたり、机にノートを広げて何かを書き写していたり・・・。
誰かが書棚から本を取りだす音。
貸し出しのやり取りをしている司書さんの穏やかな声。
静かでゆったりとした時間の中にいると、とても気持ちが落ち着く。
今日は新刊や借りたいと思っていた本があって上限の10冊を借りて満足。


それから、もうひとつはリユースショップ(笑)。
平均すると2か月に一回くらいは通っているかな。
掘り出し物を見つけるととても嬉しいけれど、
それより品物を熱心に見て回る人たちと、勝手に一体感を感じてしまうのだ。

給料は上がらず物価ばかり上がって世知辛い世の中。
それでも鏡の前に立って洋服をあてている人を見ると、おしゃれを諦めない努力や節約しながらも生活を楽しもうとする前向きさを感じて、何だか楽しくなる。
高価なものではなくてもそれらをうまく取り入れ、私も楽しく生活したい。


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作った。

2024-03-03 17:02:31 | 暮らし
刺子ふきん。
初めて作った。
上手とはとても言えない。

縫い目が一定でまっすぐな線が出来て、布地がつれていなくて・・・・上手な人のものをみると、そんなふうで美しい。
それでも無心に針を動かす時間は心が安らぐ。


東北地方には有名な刺子技法がいくつも伝承されているのだけれど、なぜそこで刺子が生まれたのか、歴史を学ぶと理解できる。
昔の人の知恵と忍耐強さに感心するばかりだ。
刺子は刺し方によって多様な模様が生み出される。
本当に上手な人の作品は、ため息が出るほど美しい。
それが布巾として日常的に使われることも驚きだ。
手仕事は美しいなと思う。
不器用な私は、それなりのものしか作れないけれど、過程が楽しいので、それでいいのだ。
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四季を感じたい。

2024-03-03 16:51:01 | 暮らし
今日は3月3日。
娘たちはもうここにはいないけれど、小さなひな人形なのでいつものように桃の花と一緒に飾る。

四季の境界がどんどん曖昧になって、今日が何日だったのかカレンダーを見ないとわからなくなる時もある。
だからこそ、節目を大切にしたい。
ささやかにその季節らしい物を食べて。


少しの工夫で暮らしに彩を添えて、季節を感じながら生きていたい。

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