WHO(世界保健機関)のデドロス事務局長は3月11日に新型コロナウィルスが「パンデミックとみなせる」
と発言した。 2019年12月から中国の武漢で発生した新型コロナウィルスの感染症は、近隣のアジア地
域だけではなく、EU、中東アジア、オーストラリアなど世界各地に広がり遂には米国にも感染が及んだ。
騒動から約3ヶ月経過してのWHOの“パンデミック”認定には「遅過ぎる」「デドロスは中国の肩を持っ
ている」「今さら無意味」などの批判的な言葉が並べられているが、 一方的にWHOデドロス事務局長を
批判することは避けたい。 どうしても日本では3.11に近いご時世であるが故に9年前に原発事故対応を
責められ苦悩する菅直人総理大臣(当時)とデドロス事務局長の顔がダブって思い出してしまうからだ。
ここでWHOのデドロス事務局長を批難しては3.11震災時のネトウヨや原発推進派と同じように相手のマウ
ントを取りたいが為の無責任な横暴を繰り返してしまう。
中国武漢で新型コロナウィルスの封じ込め策が急ピッチで進み、世界中の注目が中国で起きている感染症
の脅威に驚いている頃には既に新型コロナは中国国外へ拡がっていたと思われる。 検査が導入される前
に新型コロナ感染者としてカウントされずに死亡した肺炎患者もいたかもしれない。 日本も2月には
“対岸の火事”では済まぬクルーズ船の横浜港への停泊で “明日は我が身” となり、2週間の潜伏期間
の長さは気が付かぬまま“既に我が身” で、陽性反応が出て他人との接触が禁止された時には “まさか
自分が・・感染源になるなんて” とショックを受けて自暴自棄になる。
表向きには国内感染者がゼロだとは言っても水面下では中国程では無くても多少なりとも新型コロナ感染が
確認されていた訳で、新型コロナ感染の汚名で嫌われ者扱いにされたくない為に感染を隠匿し足並みが揃わず
不公平にもアジア人だけが差別されている中でWHOのデドロス事務局長が新型コロナウィルスの「パンデミック
宣言」を出したとしても、それは人々のアジア人に対する差別意識を助長させてしまう不本意なモノになって
いたと思う。 中国やアジア地域だけでなく米国やEUなどの欧米社会において新型コロナウィルスの感染拡大
の調査や感染の情報公開などのアソシエーションが正しく行われ、人々の自国感染に対する自覚があって初め
てWHOによる「パンデミック宣言」は感染の抑止効果を持ち多くの人に受け入れられたものだと思う。 各国に
自国の感染を認めさせ、アジア人差別だけでは済まない現状を理解する為の準備段階が国際機関であるWHOの
「パンデミック」宣言には必要だった。 外野がギャーギャー騒ぐのとは訳が違う。もしも早めに「パンデミッ
ク宣言」が出されていた場合には中国ばかりでなく韓国も日本も欧米人からフルボッコにされていたと思う。
中国擁護なのか欧米のクルーズ船の入港先が決まるまでの猶予だったのか、アジアの黄色人種を守る為なのか
定かではないが、WHOデドロス事務局長の対応と判断に時間をかける慎重なスタイルは有りだと思う。 中国韓国
から入国を規制しろと1月頃から吠えているだけの一国主義的な日本の保守派論客よりは、誠実性と実行力がある。
中国で生産されている使い捨てサージカルマスクが欲しいし、100万枚配布しても到底足りないのだよ。1億枚あっ
ても足りないだろう。入国規制よりも海外に渡航して日本に新型コロナウィルスを持ち込まない努力も必要だ。
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