・・・ 所属する人、しない人 ② ・・・
✿ あたらしき遠近両用メガネかけ歌びとたちは見えなくなりぬ 松井多絵子
先週の昼、グルメ老女A子に誘われて軽食のイタリアンランチ。彼女といっしょ来た中年の女性も加えて女3人のランチである。私が初めて会う女性・K子はA子の次女の友達なのだ。短歌をはじめたばかりで結社について知りたいらしい。私は9月6日のブログで 「所属するひと、しない人①」を書いた。あれからひと月過ぎたが②をまだ書いていない。A子に「もう書かないの?とやかく言うひとがいて書けないの?」と聞かれる。そんなことはない。
近ごろ、私の歌友たちの間で短歌の結社離れがしきりに話題になる。新人賞の応募者の多くが所属せず、なのである。若い人たちは皆働いている。組織の1員の煩わしさを知っているからか。短歌人口の大半は中高念の女性、専業主婦が多い。社交の場として結社に所属するような気がする。子供がいないE子は会員の多い結社に所属してから年賀状が約10倍の300枚になったと言っていた。彼女は送られてくる歌集の著者に最低5000円のお礼を贈る。古い歌集まで贈られるので結社に所属してから大きな本箱を買ったそうだ。
若い人の結社離れの原因は、まず経済的な負担であろう。お洒落、旅行、グルメなど、収入の割に支出が嵩む。短歌を志す若い人は社交としての短歌ではなく、新人賞などを目指しているようだ。詠むことに慣れていないから、結社誌に発表すると、新人賞への応募作が減ってしまう。結社誌に発表し活字になった作品は応募できない。新人賞の作品は完成度の高いものより未完成でもキラリと光る作品を選考委員は評価しがちだ。わたしは以前、投稿していた頃は気に入った作品をノートに寝かせていた。でも、寝かせすぎると鮮度が落ちる。独断と偏見、新人賞は一匹オオカミの方が成功するかもしれない。未完成の魅力、まさに若さが漲り溢れているのだ、
A子の次女の友は子育ても終わり何かをやりたい、その一つとして短歌を選んだらしい。著名な歌集を繰り返し読んでいる。カルチャーの短歌講座も時々受講している。しかし詠むむのは月に平均10首。詠むより読むのに熱心なのだ。短歌をかなり知らなければ作れないと思っているようだ。私は作ってすぐ出し、短歌を読むのは後回し。まず作ってみなければ
、。であった。歩いてから考える、そんな生き方をしてきたのかもしれない。私は。、
10月8日 松井多絵子