・・・ 悩まない脳 ・・・
♦ 新聞をひらけば脳という文字が、脳は悩むという字に見える 松井多絵子
「どうでもいいことで悩まない技術」 これは本の題名である。著者は柿木隆介、生理学研究所教授で神経内科医である。脱!イライラ・不安・緊張・悲しみ・嫉妬、 でも人間は、訓練によって進化していく、 だから「悩まない脳」の作り方を知らなければならない、とのこと。
「悩む」のは心ではなく脳らしい。悩むという字は脳という字によく似ている。頭脳と心臓はかなり離れているのに、脳は心の仕事もするのか。感情は見えなくても脳の構造や働きに関心を向けると、その脳の働き方から心を推測できる。脳のメカニズムは非常に精密、コンピューター以上に精密だ。思考の回路。感覚の回路、生命の回路などミクロの単位で働くそうである。
♦ どうしたらいいのだろうというような砂丘斜面のわれの足あと
心療内科などに通っても「なかなか治らない」という人に共通しているのは、感覚や感情を無視し思考にとらわれている、自分を辛くさせている思考を頭から追い出すことができない。自分のために生きている人とそうでない人。成功する人と失敗する人。問題がすぐに解決する人、もっと複雑にエスカレートする人は自分を大切にしていない人らしい。
物事がうまくゆかない人は脳の回路がうまく働かずつながらず、統合されていない。使わなかったため、退縮している、育っていない、切断されている。脳の回路が休止していたら、刺激してやればいい。起こしてやればいい。例えば不安を解決する3つのアクションを考える。私はまず旅のDMをひらく。楽しかった思い出に浸る。これから行く旅先をさがす。行く先の名所や景色、グルメをおもう。私の脳はいま紅葉の紅が広がっているだろうか。
♦ 紅葉の木下に立ちてすっぽりと紅葉かぶりわれは木となる
10月22日 松井多絵子