~ 変身したい ~
♦ ハロウィーンに負けじと柿が色づいた (東京都) 笠井真理子
本日☀朝刊の朝日川柳 紅一点の入選作品である。緑色だった柿の実が朱色に変わっている。カボチャのなかもこの色だ。週末の24日からハロウィーンの熱気が高まっている。
東京、渋谷のスクランブル交差点には仮装した姿が見られ、ハチ公像もドレスアップされた。この時期の渋谷は年末年始に匹敵する人出だそうである。ハロウィーン本番31日、渋谷ではクラブやライブハウス20か所を貸切にするイベントがある。
ハロウィーンは毎年10月31日に行われる古代ケルト人が起源の祭りである。秋の収穫を祝い、悪霊などを追いだす宗教的な行事。カボチャの中身をくりぬいて ランタンを作って飾り、子供たちが魔女やお化けに仮装して近くの家々を訪ねてお菓子をもらう風習である。日本記念日協会は、今年のハロウィーンの市場規模を1220億円と予想する。4年前の倍以上である。企業も積極的だ。秋には大きなイベントがない。酒類や製菓会社、化粧品会社などが乗り出している。
よその國の収穫祭がなぜ日本でこれほど盛んになったのか、それは「仮装」の魅力ではないか。私たちは自分に飽きている。いや自分に不満な人が多い。とくに女は変身願望が強い。自分とは別の身分や姿になりたい。現在、コスプレの需要が高くその8割は女性らしい。せめて秋の1日だけでも仮装しパレードに参加したい。変身した自分の姿を写真に残したい。この願望が日本の経済効果に貢献するのなら、結構なことではないか。私はよく熟した柿を食べながらおもう。「31日に、午前は天使に。午後は魔女になってみたい」 と。
♦セーターが24色このようにわれが変身できるなら、なれな
10月27日 ユニクロにて 松井多絵子