ながらみ書房出版社賞の小川佳世子
第24回ながらみ書房出版社賞は小川佳世子に決定した。未来短歌会会員、1960年生まれ。同志社大卒、大手前大学大学院で能の研究、1999年未来短歌会入会、岡井隆に師事。3年後に年間未来賞受賞、第一歌集『水は見ていた』にて現代歌人集会賞、
未来5月号後記に岡井隆は次のように書いている。「第24回ながらみ書房出版社賞は、小川佳世子さんの『ゆきふる』が受賞した。小川さん自身は日本古典文学の研究者であるが、長くいろいろ困難な病気をかかえていて苦労して来られた。わたしなど、小川さんから歌を送られてくるたびに、そえられた私信によりその体調の方を心配してきた。小川さんのお父上は、渡辺一雄といってわたしと同年(1928年生)の企業小説、ノンフィクション作家である。お父上も娘の受賞をみることなく先年亡くなられたと聞いている。わたしの手元に渡辺一雄著『田村高の想い出』があるが「娘 小川佳世子儀格別のご指導を賜り厚く御礼申しあげます」という私信がのこっている。小川さん、おめでとうございます。ほんとうによかったね」。
受賞した小川佳世子第二歌集✿『ゆきふる』のなかに
♦ ゆきふるという名前持つ男の子わたしの奥のお座敷にいる
5月号未来には近作が掲載されている。
いつの日も川の水面に光ありどれほど空が疲れていても
検査予約ばかりしているこれならば早期発見できると言う医師
とこしえに早期発見繰り返し治療をすると思えばおぼろ
現状の足弱車よろよろとその他の不具合置きざりのまま
どこからも離れて騒音聞いている地下鉄の駅を遠く離れて
「開花まで」10首より5首抄出
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7月1日お茶の水ガー伝パレスの授賞式で、お元気な小川佳世子さんを拝見で
きますように。 5月6日 松井多絵子
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