えくぼ

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『エフーディ』を愉しむ

2016-05-20 09:23:34 | 歌う

            ・・・ 『エフーディ』を愉しむ 

 昨日頂いた✿『エフーディ』vo1.2<隠しキリシタン>編の頁を繰りながら「あゝ五月だ」と思う。いま日本の文芸界で活躍している八人の合唱『エフーディ』は。短歌と俳句の秘密結社かも、という人もいる。作家の三浦しをんも短歌、俳句、エッセイ等を発表している。6人の俳句を1人2句のみ抄出。まず読売新聞「KODOMO俳句」選者・高柳克弘から、、。

       ♥ 高柳克弘

           大いなる旅の始めの鰻飯 

           をみならの分け合ふ秋のアイスかな

       ♥ 石川美南

           芒もて両手を縛る遊びかな

           仲秋やバチカン大使来て帰る

       ♥ 東直子

           空井戸の観音像や鵯(ひよ)の声

           ゆうらりと風をゆるして松虫草

       ♥ 平岡直子

           紅葉あり日付変更線あらず 

           椎茸があなたの舌を噛みました

       ♥ 三浦しをん

           牛糞の香に息とめて風の色 

           かげろうの死骸は十字架の形

       ♥ 平田俊子

           人間はだあれもいない冬の城

           絵を踏めば助かる命冬菫

 ※ 以上六人の俳句は、私の好きな句を一人約十句の中から選ばせていただきました。川野里子と小島なおは俳句はなく詩やエッセイなので、短歌のなかからそれぞれ2首を。

  ♥ 川野里子 

      蓮根町どのトンネルも風かよひここに育ちぬ燕のやうに

      走つても走つても逃げる白狐とほくゐるなり岡城登る

  ♥ 小島なお                                                  

       風吹けば土が匂うよ穂芒の実りのなかの豊後街道

       穂芒は柔く重たき死者の腕 此方(こちら)参れと手招いている

 

 ※ 8名の作家、歌人、俳人の✿『エフーディ』の作品のほんの一部をご紹介しました。今後も書かせていただくつもりです。   5月20日   松井多絵子