サムエル記下3章
36節「兵士は皆これを知って、良いことと見なした。王のすることは常に、兵士全員の目に良いと映った」(新共同訳)
1節「サウル王家とダビデ王家との戦いは長引いたが、ダビデはますます勢力を増し、サウルの家は次第に衰えていった」。へブロンで生れたダビデの息子の名が先ず記される。長男はアムノン、次男はキルアブ、三男アブサロム、四男アドニヤ、五男シェファトヤ、六男はイトレアムである。それぞれダビデの妻たちの息子である(2~5節)小見出し「ヘブロンで生まれた息子」。
6節「サウル王家とダビデ王家の戦いが続くうちに、サウル王家ではアブネルが実権を握るようになっていた」。サウルの王子イシュ・ボシェトは従兄弟アブネルに擁立されて王位についたが、実権はアブネルが持っていたようだ(2章8~10節、サムエル上14章50節see)。彼は王の側女との不品行をイシュ・ボシェトから咎められたことに、激しく反発して、サウル王家のために忠実に仕えてきたが、それを今、あの女のことでわたしを罪に問おうというのかと語った(7~8節)。
10節「わたしは王権をサウルの家から移し、ダビデの王座をダンからベエル・シェバに至るイスラエルとユダの上に打ち立てる」。イシュ・ボシェトは返す言葉がなかった。アブネルはダビデのもとに使者を送り、契約を結べば、あなたの味方になると伝えた。これを承知したダビデはサウルの娘ミカルを必ず連れて来るようにと要求し夫パルティエルから取り上げてダビデに渡した(11~14節)。彼は二十人の部下を連れてへブロンのダビデのもとに着いた。ダビデは酒宴を催してアブネルとその部下をもてなした(15~20節)。21節「アブネルはダビデに言った。「わたしは…全イスラエルを主君である王のもとに集めましょう。…契約を結べば、あなたはお望みのままに治めることができます」(21節)。この話合いはダビデ統一王国の実現が開けるものであった。アブネルは平和のうちに出発した。そこへダビデの家臣を率いたヨアブが多くの戦利品を携えて略奪から帰って来た。ところが留守中にアブネルが来て平和交渉をして帰ったことを知り、ダビデに問うた(22~24節)。彼はアブネルが来たのは、王を欺いて動静を探りに来たのだと偽り、ヘブロンで彼を殺す。アサエルの復讐にあった(2章23節)。私怨によって国政を大きく変える出来事となった。ダビデはアブネルの死により、これが新しい王国においてわたしは潔白であり、ヨアブの上に神の呪いがくだることを預言する。そしてその死を悲しみヨアブとヨアブの率いる兵士全員に「衣服を裂き、粗布をまとい、悼み悲しんでアブネルの前を進め」と命じ、王は声をあげて泣き、へブロンで、丁重に葬った(28~32節)。ヨアブとその一族が、この後もダビデの王家に様々な波乱を起こすことになる。
36節「兵士は皆これを知って、良いことと見なした。王のすることは常に、兵士全員の目に良いと映った」(新共同訳)
1節「サウル王家とダビデ王家との戦いは長引いたが、ダビデはますます勢力を増し、サウルの家は次第に衰えていった」。へブロンで生れたダビデの息子の名が先ず記される。長男はアムノン、次男はキルアブ、三男アブサロム、四男アドニヤ、五男シェファトヤ、六男はイトレアムである。それぞれダビデの妻たちの息子である(2~5節)小見出し「ヘブロンで生まれた息子」。
6節「サウル王家とダビデ王家の戦いが続くうちに、サウル王家ではアブネルが実権を握るようになっていた」。サウルの王子イシュ・ボシェトは従兄弟アブネルに擁立されて王位についたが、実権はアブネルが持っていたようだ(2章8~10節、サムエル上14章50節see)。彼は王の側女との不品行をイシュ・ボシェトから咎められたことに、激しく反発して、サウル王家のために忠実に仕えてきたが、それを今、あの女のことでわたしを罪に問おうというのかと語った(7~8節)。
10節「わたしは王権をサウルの家から移し、ダビデの王座をダンからベエル・シェバに至るイスラエルとユダの上に打ち立てる」。イシュ・ボシェトは返す言葉がなかった。アブネルはダビデのもとに使者を送り、契約を結べば、あなたの味方になると伝えた。これを承知したダビデはサウルの娘ミカルを必ず連れて来るようにと要求し夫パルティエルから取り上げてダビデに渡した(11~14節)。彼は二十人の部下を連れてへブロンのダビデのもとに着いた。ダビデは酒宴を催してアブネルとその部下をもてなした(15~20節)。21節「アブネルはダビデに言った。「わたしは…全イスラエルを主君である王のもとに集めましょう。…契約を結べば、あなたはお望みのままに治めることができます」(21節)。この話合いはダビデ統一王国の実現が開けるものであった。アブネルは平和のうちに出発した。そこへダビデの家臣を率いたヨアブが多くの戦利品を携えて略奪から帰って来た。ところが留守中にアブネルが来て平和交渉をして帰ったことを知り、ダビデに問うた(22~24節)。彼はアブネルが来たのは、王を欺いて動静を探りに来たのだと偽り、ヘブロンで彼を殺す。アサエルの復讐にあった(2章23節)。私怨によって国政を大きく変える出来事となった。ダビデはアブネルの死により、これが新しい王国においてわたしは潔白であり、ヨアブの上に神の呪いがくだることを預言する。そしてその死を悲しみヨアブとヨアブの率いる兵士全員に「衣服を裂き、粗布をまとい、悼み悲しんでアブネルの前を進め」と命じ、王は声をあげて泣き、へブロンで、丁重に葬った(28~32節)。ヨアブとその一族が、この後もダビデの王家に様々な波乱を起こすことになる。