日毎の糧

聖書全巻を朝ごとに1章づつ通読し、学び、黙想しそこから与えられた霊想録である。

自分の提案が実行されなかった

2018-05-24 | Weblog
サムエル記下17章 
  
 23節「アヒトフェルは自分の提案が実行されなかったことを知ると、ろばに鞍を置き、立って家に帰ろうと自分の町に向かった。彼は家の中を整え、首をつって死に、祖先の墓に葬られた」(新共同訳)

 1節「アヒトフェルはアブサロムに言った。「一万二千の兵をわたしに選ばせてください。今夜のうちに出発してダビデを追跡します」。司令官アヒトフェルは再びアブサロムに奇襲の追跡を提案する。彼らは疲れ果て無力になっているから急襲すれば兵士に戦意はなくみな逃走するので、王だけを討ち取ればよい。そうすればやがて兵士全員がアブサロムのもとに帰順するというのである(2~3節)。この提案はアブサロムにも全長老の目にも正しく映ったという(4節)。それにも関わらずフシャイの意見をも尋ねる為に呼び出した(5節)。何故か。アブサロムに迷いがあったのか。
  7節「フシャイがアブサロムのもとに呼び出された。アブサロムは言った。「これこれのことをアヒトフェルは提言したが、そうすべきだと思うか。反対なら、お前も提言してみよ」。フシャイはそれが成功すると思われたので、否定した(7節)。 理由に奇襲は失敗の恐れがある。初戦で敗れると子を奪われた野にいる熊のような心で気が荒くなる。またダビデは戦術に秀でた方だから、兵と共に休むことはされない。もし敗れる獅子のような心を持つ戦士でも弱気になると説いた(8~10節)。そこでアブサロム自身が先頭で指揮を取り全イスラエルの総力戦がよいのです、隠れ場の一つにいる父上に襲いかかれば露が土に降りるようなものですと提案した。フシャイはアブサロムの配下を集結させる間の時間を稼ぎ、ダビデにヨルダンを渡るよう密使を送ろうと考えた(11~13節)。
 14節「アブサロムも、どのイスラエル人も、アルキ人フシャイの提案がアヒトフェルの提案にまさると思った。アヒトフェルの優れた提案が捨てられ、アブサロムに災いがくだることを主が定められたからである」。ダビデの側の危機的な状況が反転することを意味する。フシャイは直ちにこの情報を秘密裡に祭司ツァドクとアビアタルを通してダビデに伝え、荒れ野の渡し場で夜を過ごさないで渡ってしまうようにと言った(17~16節)。二人はアブサロムの兵士に途中目撃されるが、名もない農婦の咄嗟の機転で捕まらないでダビデの許に行くことが出来た。主の配慮というべきか。王は同行していた兵士全員と、直ちにヨルダン川を渡り、城壁の町マハナイムに逃れた(22~22節)。アヒトフェルは奇襲作戦提案が否定され、アブサロム側の敗色を予感したのか自殺した(23節)。
  24節「ダビデがマハナイムに着いたころ、アブサロムと彼に従うイスラエルの兵は皆、共にヨルダンを渡った」。小見出し「開戦の準備」。アヒトフェルの後任には、ヨアブの従兄弟アマサになる(25節)。イスラエル軍はギレアドに陣を敷いた。マハナイムでは、アンモン人ナハシュの子ショビ、ロ・デバル出身のマキル、ロゲリム出身のギレアド人バルジライが、 寝具、たらい、陶器、小麦、大麦、麦粉、炒り麦、豆、レンズ豆、炒り麦、蜂蜜、凝乳、羊、チーズを食糧として、ダビデと彼の率いる兵に差し出した。兵士が荒れ野で飢え、疲れ、渇いているにちがいないと思ったからである(26~29節)。
 人間の知略を退け、神はダビデの命を守られた。神の知恵に勝る知恵はない。箴言3章5~6節「心をつくして主に信頼せよ、自分の知識にたよってはならない。ての道で主を認めよ、そうすれば主はあなたの道をまっすぐにされる」とある