植物園「 槐松亭 」

バラと蘭とその他もろもろの植物に囲まれ、メダカと野鳥と甲斐犬すみれと暮らす

一将 功もないのに万骨枯る

2020年06月19日 | 時事
 どなたの言葉であったか、もはや定かでありませんが、男子たるもの人に見せてはならない姿は「エッチする姿、トイレの用足し、お金の勘定」とあったような気がします。多目的トイレに入ってエッチして財布からお金を取り出したタレントさんの話ではありませんが、なんにせよ、人に見せられた「ざま」ではありません。
 一方でいい考えが思いつく場所は三上といって馬上・枕上・厠上だそうです。「乗り物に乗っている時、寝床の中、トイレの中」と言ったのは1000年以上前の中国の文人欧陽脩の言葉です。ワタシの場合は「屋上」でありますが(笑)

 ともあれ金勘定は大切ではありますが、指を舐めて自分が手にした札束を数える姿は、どことなく浅ましい雰囲気を感じますね。ワタシは貧乏教師の倅であったせいか、商いやビジネスには興味を感じません。現役サラリーマン時代は金融マンではありましたが。持ち慣れないお金は持たない方がよろしい、普段使うお金さえあればなにも入らないとさえ思います。

 広島の河井夫妻が揃って公職選挙法違反(買収)で逮捕されました。検察庁の黒川さんが、チョンボしなかったらどうなっていたか、いささか興味がありましたが、残念ながら退職金貰って悠々自適で弁護士生活に入るのでしょう。国家試験を受かって検察官になったので、とやかく言われる筋合いは無いというのでしょうね。こういう方は案外弁護士商売が繁盛しそうな気がします。まぁまぁ、大体、何とかしましょう、とか言ってうまく話しが出来そうですね。

 国会議員は、辞めないのですね、一日でもその座にとどまって俸給を夫婦でせしめることが出来ます。昨年来疑惑が表ざたになった途端、ぱっと法相を辞任したと思いきや夫婦で雲隠れ、奥方に至っては「診断書」一つでずっとお休みでしたが、給料は支払われています。自民党離党しても秘書が有罪になってもやっぱりお手当は貰うのですね。失職しない限り貰えるものは全部貰う。他人から頂いた税金で、票を買い当選したというのに。
 ご夫婦で1億5千万円の残金と、働かずして責任も取らずに貰い続ける自分たちの議員報酬を勘定している姿が目に浮かびます。なんとも浅ましく哀れにすら思えます。

 そもそも、この夫婦は貰うのが大好きのようで、地方議員さんになってから、大物議員に取り立ててもらい、国会議員にしてもらってからは奥さんの立候補を認めてもらい、1億5千万円を貰いました。旦那さんは法務大臣にしてもらいました。そのまま、貰っていれば済んだものを、今度は大勢の有力者にばら撒いてしまいました。票を売ってもらったと言えばそれまでですが。
 特に旦那さんはお金に細かくしみったれのようです。

 なんでお金を配ったかといえば、分不相応のお金を貰ったからであります。相手候補の10倍の金を党から貰って、選挙資金を使ったら会計報告します(一応そういう建前)。使い切るためにブン撒いたのでしょうか。使わずに落選したら何を言われるか分かりません。いやいや、この金で相手候補の後援者の票を片っ端に買収せい、と中央から言われたに相違ありません。当選したら法務大臣やらせて、すべてがうやむやに出来るのだからと。

 言った相手が会計報告を見るのです。どんな使途でも領収書無しでも通るでしょうね。今までも、この党や国家公務員の皆さんは、何年間も公文書やら疎明資料が都合よく無くなったり作らなかったり、あるいは改ざんしたり黒塗りにしたりですよ。

 早い話が、安倍さんが言うとおりにならない地方の古参議員をつぶすために税金で支払われた政党助成金を使い、側近夫婦を刺客としたのであります。結果溝手さんはあえなく落選、自分の権勢を示すかのごとき仕打ちを全国に知らしめたのですから、一般の自民党議員は震え上がりますわね。
 これが、今の政権の常套手段です。そうした行いは恐怖と抑制の効果は絶大ですが、一つ風向きが変わると「憎しみ」に変わります。今回の公選法違反は、表向き新聞社の取材みたいなことになっていますが、溝手陣営から情報がもたらされたと思います。
 安倍政権は、結局何一つ誇れるものも残さず、政治と行政の退廃を招きました。自分では最長の任期を更新する名宰相と思っているのでしょうか。アベノミクスも掛け声倒れ、ここ10年間での国民総生産は全くの横ばいであります。国民総活躍という題目で老齢になる人がこき使われています。非正規雇用が溢れ、結婚できないあるいは子供を育てられない若い人も減ることはありません。拉致被害者の解決もなく日韓・日中関係でも事態は悪化しました。北方領土だって、プーチンさんにさんざん貢いだくせに何一つ進展がありませんでしたね。
 
 功成らずして将軍だけが権勢を誇っているので、国民は青ざめているのですよ。

 これで、ご夫婦の政治生命は終わるでしょう。二階幹事長は「大物議員でもなければ、そんなに大騒ぎするような立場の人でもない」と仰いました。いつから国会議員の身分に格差が出来たのでしょうか。ご自身はよほど大物のおつもりなんでしょうが。
 更に鈴木総務会長は「これで政治の信頼性が損なわれる」と言ったそうです。そんなものとっくにないわ。損なったのは自民党政権のせいなんですよ。
 その前は森友学園の籠池さん夫婦。公文書の改ざんを命令された公務員は自殺しました。文科省の前事務次官も、省内の事実を述べたために失職させられました。
 コロナにしても、初動の遅れ、PCR検査拒否と入院の体制が整わないために、多くの方が命を落としました。シムケンさんや岡江さんは命を落とさずに済んだかもしれません。こういった方たちは、安倍総理の定見の無い運営や我儘に巻き込まれてしまった犠牲者と言えるでしょう。

 多くの方が経済的な損失を被っただけでなく国政は乱れ、社会不安政治不信は日に日に増しているように思われます。何とかしなければ、と思います。

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