美津島明編集「直言の宴」

政治・経済・思想・文化全般をカヴァーした言論を展開します。

日韓外交をめぐってのメモ――フェイスブックより (美津島明)

2015年07月11日 21時08分05秒 | 政治
日韓外交をめぐってのメモ――フェイスブックより (美津島明)



世界遺産委員会での、外務省の韓国への対応をめぐって、国政が大揺れしています。不覚にも、日本は大変な問題をしょいこんでしまったものです。報道の推移とともに、私の意見も、部分的に修正が加えられています。その変化を見ていただけると、いささかなりとも、興味を持って読んでいただけるのではないでしょうか。

●7月5日(日)「明治遺産 候補地、驚きと落胆「何でこんなことに」(YAHOO!ニュース)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20150705-00000070-san-soci国が事前交渉での約束を破って、国際会議の場で「明治日本の産業革命遺産」に難癖をつけ、登録の予定日が延期されたという報道を受けて。

これで、日本国民の嫌韓感情や韓国外交に対する不信感が、決定づけられてしまったような気がする。ダメ押しといおうか。この状況は、当分変わらないだろう。韓国の反日は、もはや理性のタガが完全にはずれてしまっているのではないか。「国家の信用」は、国益の核心部分である。それを著しく損ない、まるでテロリズムのような外交を展開してまでも、反日を貫こうとするのは、正気の沙汰ではなかろう。日本は、「君子危うきに近寄らず」のスタンスを貫くよりほかはないだろう。今回は、諸外国の目があるのだから、なにも慌てることはない。もしもこのまま延期になれば、一国民として、とても残念なことではあるが。

●7月6日(月)

「明治日本の産業革命登録遺産」の登録の延期・登録取り消し、という最悪の事態は避けられた。登録の実現は喜ばしいことである。

しかし先ほど、岸田外相が、「『forced to work』は、強制労働を意味しない」というコメントを 発信しているのをテレビで見かけたのは、不穏なものが感じられ、気にかかる。国内向けにはそれで通るのかもしれないが、それを素直に英訳すれば、〈「Forced to work」does not mean so called 「forced to work」.〉とでもなるほかない。 これは、国際社会では、詭弁としか映らないのではなかろうか。つまり、まったく説得力がないのである。

とするならば、韓国は、土壇場の悪質な飛び道具的な仕業で、国際的には、自分たちの主張を通した、勝利した、ということになってはしまわないだろうか。少なくとも韓国は、そう喧伝するにちがいない。その喧伝に、日本側は、妙な説得力を与えてしまったような気がする。

もしも、これが的を射た危惧であるのならば、日本政府は、遺産登録の実現という「虚」を取るために、対韓外交の屈辱的敗北という「実」を甘受したことになってしまうのではなかろうか。となると、登録実現を喜んでばかりもいられなくなってくる。

テレビで見かけただけで、まだ詳細は知らない。しかし、今回の日本政府の措置が、新たな火種にならなければよいが、とは思う。


●7月9日(木)
「世界遺産情報センター、「強制労働はなかった」の立場で情報提供=韓国ネット「日本人にだまされた」「いっそ日本から独立しない方が良かった」
(YAHOO!ニュース)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20150709-00000074-rcdc-cn

妥当な対応である。しかし、「強制労働があった」と主張する韓国政府の、激しい抗議がありそうな気がする。日本政府には、「この溝は絶対に埋まらない」と肚をくくって対処していただきたい。害務省のへなちょこ連中に足元をすくわれないよう、要注意!

●7月10日(金)
世界遺産登録 「大魚を損した」批判続出 自民総務会、外務省から経緯聴取
(YAHOO!ニュース)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20150710-00000545-san-pol

小池百合子元防衛相いわく「目の前の小さな魚を追って、大魚(国益)を損することになった」。日本の対外イメージを悪くしたことと、対韓外交において守勢に回ることを余儀なくされてしまった(日本側の主張が、すべて言い訳と詭弁に聞こえてしまう)ことを考えれば、その通りとしか言いようがないが、外務省の一存で、そういうやり方を決めたわけではあるまい。今回の件を外務省に全権委任したとは聞いていないし。要するに、安倍政権の判断ミスこそが問われなければならない。世界遺産登録が決まりさえすれば、下がりかけた支持率がふたたび浮揚するとでも思ったのではないだろうか。もしも、そうではなくて、基本的に外務省の判断ミスなのだとすれば、責任者は、謝罪だけではすまない。降格だけでもすまない。辞職するよりほかはない。この件は、決してあいまいにしてはならない。あいまいにした分だけ、韓国政府にナメられるので。


●7月11日(土)
「『徴用工』説明に自民が政府批判…誤解を拡大」 (YAHOO!ニュース)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20150710-00050154-yom-pol

「外務省幹部は、国際条約が禁じる「強制労働(forced labor)」と一線を画したと強調した〉。こういう発言を聞くと、どうしようもなく、腹が立ってくる。どうやら外務省は、交渉の現場で、安倍内閣の意向と食い違う判断をし、視野が狭い状態のまま、遺産登録という手柄を立てようとしたようだ。小心者が功を焦ったのだ。見苦しい言い訳などせずに、この際、責任者は腹を切れと言いたい。自民党は、妥協することなく、責任を追及すべきである。自民党には、〈「徴用」は、戦時中の日本国民にとって当然の義務であり、1910年以降、朝鮮半島の人々は合法的に日本国民だったので、彼らもまた日本国民としての当然の義務を果たしただけで、強制労働にはまったくあたらない〉という基本線をキープしていただきたい。以前の繰り返しになるが、「両国の溝は絶対に埋まらない」と肚をくくらなければ、今回の、長引くことになりそうな対韓外交戦は負ける。
コメント (2)
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