暑かった夏がピークだとすれば、晩秋は太陽の勢いも弱まり冬への準備期間になる。
だからあまり新しいことは始めずに、あせらず今まで温めてきたものを熟成させるべきなのだろう。
近くの雑木林では葉が赤や黄色に色づいてはらはらと散っていく。
しかし来年の春のためにつぼみや冬芽などを着々と準備している。
白玉の歯にしみとほる秋の夜の酒はしづかに飲むべかりけり 若山牧水
何人かで集まって飲む酒も楽しいが、一人しみじみ飲む酒も良い。
東晋の詩人陶潜の飲酒二十首其の五も好きな句だ。
菊を東籬(とうり)の下に采り 悠然として南山を見る
山気日夕に佳く 飛鳥相与に還る
此の中に真意有り 弁ぜんと欲すれば已に言を忘る
薔薇(レッド・レナルド・ダ・ビンチ)
薔薇は寒さに強い。数日前には霜も降りたが、ほとんどこたえていないようだ。