行雲流水の如くに

「日本病」は伝染するーーーどうやら中国にその兆しが

30年間賃金が上がらず国内総生産(GDP)もほとんど伸びなかった国がある。

もちろん日本だ。

このような高度成長後の長期衰退モデルを「日本病」という。

 

この「日本病」への引き金を引いたのは、不動産への過剰投資と狂奔にまみれた株式投資が崩壊したことによる。

地道に本業に徹していた企業はバブル崩壊にも影響されなかった。

ところがアメリカから押し寄せる「株主資本主義」に押し切られ、コストカットに邁進した。

そのよい例が「派遣労働の拡大」による賃金カット戦略である。

一握りの株主に報いるために、それまで大事にしてきた「日本型資本主義」(従業員を大事にする)を捨て去った。

 

このところの中国の動きがおかしい。

「日本病」の兆候が見え始めている。

過度な「ゼロコロナ政策」に対して国民の不満が募っているようだし、何よりも経済活動が麻痺している。

中国に立地する欧米、日本、韓国の製造業は、生産拠点を他のアジア諸国や本国に移転する動きが加速しているようだ。

日本の衰退がはじまったのは「派遣労働の拡大」と「生産拠点を中国や東南アジアに移転」がきっかけ。

 

最近中国の民間銀行が取り付け騒ぎを起こしている。

8000億円が行方不明だとか。

日本のバブル崩壊も金融機関の破綻から始まった。

中国は経済も統制しているから、何とかうやむやにしてしまうのではないかと思う。

しかし傷は深まるばかりだ。

 

中国は日本の過去をよく研究している。

日本病にならないためには、

近隣の国と協力的・融和的につきあう度量を見せることが必要だ。

果たしてどうだろうか?今のところその兆候は見えない。


ランキングに参加中。クリックして応援お願いします!

コメント一覧

megii123
9vs9qvsqさん
御指摘の通り、成長路線が悪いのではなくて、一部大企業や富裕層がメリットを受ける「株主資本主義」に走り込み過ぎました。
分配政策を殆ど無視してきました。
その結果が30年間実質賃金の上がらない社会になったわけです。

今後中国はどの路線を取るのか?
おそらく「成長と分配」のバランスをとると思いますが、なかなか困難な道のりではなかろうかと考えています。
9vs9qvsq
 成長路線が悪いのではないと考えます。一般消費、中間層の増加とかその所得増とかを無視したきた点で、株主資本主義が批判されているのです。GAFAM肥大化とかバブルを作って破綻だけとかのこれは、悪だと。ケインズ流の資本主義理論ならこうなるはずなのだ。そういう方向を国連で話し合って実施していくべきというのが、サブプライムバブルへの国連レベル総括・反省文書、「スティグリッツ国連報告」になっていたはずです。アメリカはこの文書に、終始、猛烈に反対してきたと覚えています。
megii123
9vs9qvsqさん
ご賛同いただきありがとうございます。
日本はバブル崩壊した後、成熟経済への新しい道があったと思うのですが、夢を捨てきれなくて「成長路線」にすがりました。
そしてその成長路線というのが、一部の大企業と富裕層が潤う「株主資本主義」の道だったのですね。
そしてここに来てもまだその夢を追っています。

中国は、ご指摘のように「国家資本主義」ですから、中間層増加の方策を取るでしょう。
しかし現実には締め付けばかりが厳しくなってきています。
成長路線を取り続けなければ国民の離反を招くのです。

ソフトランディングが出来るかどうか微妙ですね。
9vs9qvsq
 とても良い投稿と読ませていただきました。この問題はいまの世界経済・庶民生活(改革)にとっての最大問題。ちょうど資本主義発生時に「超長時間労働」が当たり前で、それを8時間に改善するよう法制をひねり出してきた近代政経史と同種類のような課題と考えてきました。ただし、中国は日本の近代化と同じ上からの国家資本主義路線ですから、違った形になるはず。株主利益最大化資本主義とは違って、モノづくりという職業現場を第一として絶えず増やしていく路線はとるはずだ。独裁の弊害はこれはこれで無数に現れるでしょうが。

 
名前:
コメント:

※文字化け等の原因になりますので顔文字の投稿はお控えください。

コメント利用規約に同意の上コメント投稿を行ってください。

 

※ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

  • Xでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

最新の画像もっと見る

最近の「経済」カテゴリーもっと見る

最近の記事
バックナンバー
人気記事