薔薇にとげが無ければどんなに楽かと思う時がある。
特にとげが指に刺さり数日取れない時は悲劇だ。
しかし、つる薔薇などを仕立てるのに、とげが無ければかえって困ることもある。
ブラスバンド
周りは秋色が深まる中で、この杏色をながめていると元気が出てくる。
ブラスバンドとは良い名前を付けたものだ。
立木性の薔薇にもとげがある。つる性でなければとげは必要ないように思うが。
動物に食べられないためと言われている。
八方美人と言うのは、誰にでもよく思われるように要領よく立ち回る人間を言う。
いわゆるとげの無い薔薇みたいなものだ。
いざとなったら役に立たない。
いおり
温かみのあるクリーミーなカフェ・オレ色の花。
日本産の薔薇らしく控えめだが凛としたところがある。
脳科学者の中野信子さんによれば、「いじめは種を残すために脳に組み込まれた機能」だと言う。
もう少し具体的に言うと、共同体にとって邪魔になりそうな人物を排除しようとする機能。
だから子供のいじめはなくならないし、勿論大人のいじめはもっとすさまじい。
この説を前提にすれば、いじめに対応するためには、人間も薔薇のとげのような自己防衛機能を身に着けるべきだ。
どんなとげを持つかは各人各様、名回答はない。
ケルナーフローラ
この薔薇はとげが少ない。コーラルピンクの華やかな大輪花を咲かせる。
樹勢が強いのは何よりだ。とげ無しでも強いのだ。