行雲流水の如くに

都市集中から地域分散型社会へ

都市には人を引き付ける不思議な魔力があるようだ。

人が集まるから、そのような場所が大好きなコロナウイールスも大喜びで集まっていく。

「ウイズコロナ」などと甘いことを言っていれば、すっかり居ついてしまうだろう。

「いそうろう三杯目にはそっと出し」などというやわなウイールスではなさそうだ。

 

近代化社会では、役に立たないと存在価値がないような雰囲気で、人間として生きにくい社会になった。

最近の農業も害虫を見かければすぐ農薬を振りかける。

害虫も精一杯生きているのだから、少々食べさせてやったらどうか、とも思うがそうもいかないようだ。

 

今日の北海道新聞の五箇公一氏の提言は大いに参考になる。

(国立環境研究所 生態リスク評価・対策研究室長)

「生物学に”メタ個体群構造”という用語がある。生物がそれぞれの地域に分散し、環境に適した集団をつくり、緩やかにつながって遺伝子をやりとりすることで多様性と持続性を保つことだ。

人間会や経済も同じで、国や地域が自立して緩やかにつながるほうが安定する。どこかで今回のような危機が起きても他が健全であれば支援できる」

 

コロナウイールスが来る前からグローバル化し都市集中が限界に来ていることが察知されていた。

しかし人間とは愚かな生き物だ。ぎりぎりになるまで分からない。

逆にこのコロナ過を契機として権力争いに役立てようとしている者もいる。

 

不要不急などという極めて俗っぽい議論でわれわれの行動を制限したり、あるいはカネをつけるからもっと遊びに行けなどブレキーを踏みながらアクセルを吹かそうとする。

国民のためというより、自分たちの利益や権力維持のためという品性の劣悪さが丸見えだ。

詩とか歌とか音楽は有用性の足かせから解放されていたのだが、極めて厳しい立場に立たされている。

 

コロナウイールスを克服してどのような社会を作っていくか、一人一人に問いかけられている。


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