しばらく1強多弱の国会が常態化していたが、立憲民主党や国民民主党を中心とする野党統一会派が出来て国会に緊張感が出てきた。
通常国会ではスキャンダルまみれの片山さつき議員は、なんだかんだ理屈をこねてとうとう大臣辞任せず逃げ切った。
今回も菅原経産大臣は逃げ切を策したようだが、さすがに「柳の下にドジョウ」はいなかったようだ。
今国会の目玉は「日米貿易協定」の今国会承認である。
この協定も詰めていくと,とても「ウインウイン」の協定などではない。
トランプ大統領の顔を立ててというより、脅されてアメリカの要求を丸呑みしたような内容だ。
農産物はTPP水準までは良いとしても、自動車関連はとても日本側の要求が通ったとは言い難い。
交渉中は常にトランプが銃の引き金を引けるのだ。(日本からの自動車輸出に25%の関税をかけると言っている)
びくびくしながら交渉を続けざるを得ないだろう。
菅原大臣の辞任の弁が「国会運営に迷惑をかけたくない」ということだった。
今国会前に野党統一会派が出来て、国対委員長に立憲民主党の安住淳がなった。
「辞任しなければ国会の全委員会を止める」との安住の強気発言が引き金で、安倍官邸が菅原大臣の首を切った。
「日米貿易協定」の審議に影響するのを避けたのだろう。
安住は野党の中では数少ない「駆け引きのできるタイプ」のようだ。
引くときは引く柔軟さも見せる。今国会は安住の動きに注目だ。
野党の次のターゲットは誰だろうか?
雑誌「選択」によれば、危うそうなのは、田中和徳(麻生派)、武田良太(二階派)、河合克之(無派閥)、竹本直一(岸田派)、北村誠吾(岸田派)、衛藤晟一(二階派)、萩生田光一(細田派)、橋下聖子(細田派)だという。
本来なら「身体検査」で大臣になれないメンバーが顔をそろえた。国民が甘く見られている証拠だろう。
①安倍内閣の政治モラルの崩壊
②醜聞に対する有権者の感覚の麻痺
政治に緊張感を取り戻すために、与党が態勢を立て直すのか、それとも野党が体を張った追及をするのか、けだし見ものである。
そして国民は両眼を開いて国会の動きを注視すべきだろう。