ウクライナ東部地区でロシア軍とウクライナ軍の膠着状態が続いていたが、ここにきて潮目が変わったようだ。
最大の効果は高機動ロケット砲システム(ハイマース)が実戦に投入され始めていること。
射程が80キロほどあり精密、ロシア軍の武器弾薬庫や司令所を直撃している。
一時期プーチンをはじめとするロシア軍幹部から強気の発言が出ていたが、現実にはかなり狼狽しているのではなかろうか?
その揺らぎがウクライナ産小麦の輸出に合意したかと思ったら、ウクライナの港湾施設を攻撃したことなどに表れている。
とても余裕がある風には見えない。
ロシア軍は東部地区に兵力を集中しているため南部が手薄になっている。
ヘルソン地区でウクライナは反転攻勢をかける準備をしているようだ。
ヘルソン市はドニエプル川の西岸にあるがこの川に架かる橋を落とせばロシア軍の約1000人ほどが孤立するという。
補給路が絶たれるからだ。
ウクライナ軍がヘルソン市を奪還すれば戦況は大きくウクライナ側に傾くだろう。
ロシアは石油や天然ガスのバルブを開けたり閉めたりしてNATO陣営に揺さぶりをかけているが、これはもろ刃の刃。
自らの糧道を断つ事にもなるのだ。(金が入らなくなる)
恐らく年末までにNATO陣営は、天然ガスについて厳しいドイツなどへ比較的余力のある英、デンマーク、ノルウェーからの融通で凌ぐだろう。
この辺のめどが立てば原油価格や天然ガス価格も落ち着いて来る。
やはりこの戦争(というよりロシアの侵略行為)は決定的にロシアの国力を貶めた。
ロシアは原油や天然ガスの市場を失い、資金パイプも細り、技術力は人材流出が続いている。
いずれにしても侵略戦争は割に合わないということをプーチンに知らしめるまでやらざるを得ないだろう。