1/23 博幸という夏子の恋人 第5話 博の恋人
私は男に抱かれるというより強く感じることに興味を持っていた。
体が欲する。
なんでもかんでも欲するときは入れたくなった。
それは博が横にいるときも同じだった。
体の熱さに博の手が伸びて足の間に触れた。
叱られるのを承知で博のほうに向き
ねえと言った。
博は明日は仕事があるんだよと私を押し返した。
私は黙って彼の長い中指を手にした。
そしてそれを自分の中に入れた。
博は何も言わなかった。
私が彼の腕につかまって彼の手をまたの間にはさんで
尻を振っていた。
私は目は閉じていたけど、彼が私のほうを見たのを感じた。
私が強く感じたとき、彼は片ひじで起き上がり
私の中に彼のゲンコツを突っ込んだ。
下腹部に鈍痛を感じた。
でもこれまでのいつよりも私は強く感じ満足感が継続した。
博がでかけてしまっても私は布団の中で眠りこけていた。
昼ごろだろうか、誰か入ってきたけど私は布団の中に
もぐっていた。
誰か私の布団の側に来たけど、私は博だと思っていた。
夕方博が戻るまで私は眠っていた。
博が布団の上から私を押さえつけ起きろよと言った。
それから誰か来た?と聞いた。
来ないと私は答えた。
博は私から離れた。
ようやく掛布団をめくり起き上がると博は何か白い紙を見ていた。
私に気がつくと博は紙をポケットに入れた。
博が悩んでいるように感じた。
私は何も聞けなかったし、彼もなにも言わなかった。
木曜日の夜、夕飯の用意ができ、テーブルに並べていたころ
博が帰ってきた。
でも一人ではなかった。
博は友人を連れてきた。
事前に言ってくれればいいのにと思っていると
友人を紹介してくれた。 こうじって聞こえた。
私は夏子ですと自己紹介した。
こうじは食事をし、泊まっていった。
使わない部屋に彼の床を準備して私たちはいつものように
床についた。
何時ごろだろう、私は目を覚ました。
博はいなかった。
トイレだろうと気にもしなかった。
どこからか音がする。
何の音と耳をすませる。
起き上がった。
音のほうに聞き耳をたてた。
息音、博、喧嘩でもしている?
私は置きあがて廊下にでた。
いつも使わない博の友達の部屋の戸が少し開いていて
灯りがもれていた。
私はそーと近づいた。
声をかける前に隙間から素っ裸の男2人が見えた。
尻を向けているのは博?
博の上に今夜来た友達が博の腰をつかんで尻を振っていた。
博のうめき声。
もっとって声、
私は黙って戸口から去った。
体全身が振るえてやっとの思いで床にたどり着いた。
私はショックより悲しみでいっぱいだった。
博には恋人がいた。
男だけど、肉体的にも愛し合っている恋人なんだ。
あの2人、前からつきあっていたの?
いつから?
明日の朝、私はどういう顔をして彼らに向かえばいいの?
私は布団をかぶって泣いた。
翌朝、起きろと布団を蹴飛ばされた。
カーディガンを羽織って台所に行くと2人分の食事がでていた。
博は朝ごはんを用意してくれていたのだ。
私が彼はと聞こうとしたら、
博は帰ったよと言った。
博っていつも私の先回りをしてしゃべる。
私が言おうとしていることに先に答える。
彼の作るものはおいしい。
顔も洗わず食事をしていたら、
汚い顔してと言いながら立ち上がり
熱いおしぼりをくれた。
私はそれで顔を拭いて、熱いタオルの中に顔を埋めたら
泣けてきた。
顔を上げられなかった。
博がじゃ僕は会社に行くからと私を一人にしてくれた。
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1/23 博幸という夏子の恋人 第6話 浩司という恋人
私は博と博の恋人のことを聞くこともできないでモンモンとしていた。
個人的には同性愛って個人の問題だと思っていた。
だけど自分の恋人が実は同性愛者だと言うのは別な話だ。
あの人と私と博はどっちを本当に愛しているのかしら?
どっちかを選べなんて言えなかった。
オフィスで博幸は手紙を書き終えると立ち上がった。
それから廊下にでて歩いて行くと浩司に会った。
黙って手紙を渡し、さらに進んだ。
曲がり角で振り返ると浩司はもう手紙を読んだようだった。
博幸のことを見ていた。
博幸は丁寧にお辞儀をした。
博幸が帰宅して、私の作った夕飯を眺めてちょっと味見した。
それからちっとも進歩しないねと言った。
私が泣きそうになったのを見て、
でもまだ若いし、家では何もしたことないんだろうから
と私に代わって言い訳してくれた。
それでも博は食べてくれた。
博はこういうのはこうやるともっと味がなじむとか
教えてくれたけど、私は博の使っている単語もよくわからなかった。
夕食後、博はちょっと話たいことがあるからお出でと
私をひざに抱いた。
浩司もここに住まわせようと思っているんだけど。
浩司? あの人だ。
どうして?
彼は同じ職場の人だし、僕たちは密接な立場でよく仕事の打ち合わせをするんだ。
会社にでかけては間に合わないこともあって・・・・
博の説明はなんかおかしかった。
私、出て行こうか?と聞いてみた。
いや、夏子は居ていいんだよ。
ただ彼は厳しい人だし、味にもうるさいから
食事はもっと丁寧に作ってほしい。
私はそんなの無理よと口の中で言いながらうつむいてしまった。
僕ができるだけ手伝うよと博が言った。
翌夜、博は浩司と帰宅した。
浩司は私にとても丁寧で冗談をよく言った。
私の準備した夕食も何も言わずに食べてくれた。
10時半ごろ、夏子はもう寝なさいと博に言われた。
僕たちは明日の打合せがあるからと、あの部屋に行ってしまった。
私は彼らが気になって眠気なんて吹っ飛んでいた。
博幸は彼らの部屋で浩司の腕にいた。
浩司は博幸にキスをして「アリガト」とささやいた。
それから博幸は浩司の首に腕をまわし、
自ら浩司にキスをした。
浩司は博幸を寝かすと、ズボンのボタンを外し、トップを脱がせ
それからアンダーパンツの中に手を入れた。
博幸はまるで女性のように美しかった。
彼に触られることは快感であり、幸福であった。
浩司のワイシャツのボタンを外し、浩司を抱き寄せた。
こうして私の恋人であったはずの男は男の恋人と私と
三人でひとつの屋根の下に暮らすようになった。
私は知らない男が近くにいることで終始緊張を強いられた。
浩司がいる間はトイレにも行きたくなかった。
口実を作っては実家に帰った。
当然2人は私がいないのをいいことに公然と私の話をした。
もう3日経つけど私は実家にいた。
博幸はぼんやり考えていたけど、うっかり夏っちゃんと
台所に向かって私の名を呼んでしまった。
浩司が来た。
浩司はやっぱりあの女が忘れられないのよね
って博幸に言った。
錯覚よと博幸が弁解した。
俺ね、博幸か俺の子をあの娘に産ませて
我々で我々の子として育てることを考えているんだ。
問題は博幸がその後、あの子を忘れることができるかてことなんだ。
浩司の子ね、博幸は頬を染めた。
でも、両親が男って将来子供はなんて思うかしら?
そういう例がないわけではない。
そんな状況で私は博幸とのマンションに戻ってしまった。
戻ったときは博幸しかいなかった。
博は何か言いたげだったけど雑談しかしなかった。
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