高学年以上~大人向け
アテルイは、奈良時代から平安時代、現在の岩手から宮城に流れる北上川周辺に住んでいたエミシの長です。長く歴史に埋もれていた存在ですが、この10年ほど、復権が叫ばれ、今では中学の歴史教科書にも出ています。
記録に残っているのは、朝廷との戦いの部分と、その最後。坂上田村麻呂とのやりとりというわずかなものです。
なので、ほとんどは創作です。でも、その時代のこと、朝廷とエミシとの関係など、かなり調べて書きました。巣伏の戦いと呼ばれ、朝廷軍が5万多賀城に待機、そして4000が進軍し、それに1500のエミシ軍が応戦し、大勝利をおさめたこともあります。
アザマロというエミシの長が、多賀城を焼き討ちにしたこともあります。ここにもアテルイを絡ませました。
エミシはまつろわぬ人々だったのです。しかし、坂上田村麻呂が征夷大将軍となってから、形勢が逆転します。征夷とは、蝦夷を征伐するという意味なのです。
今、日本はひとつの国ですが、そのような時代があったこと、アテルイという男がいたことを、子ども達に伝えたい、大人の方にもぜひ読んでいただきたい。そう願っています。
よろしくお願いいたします。 (お)