ミクロネシア 青年海外協力隊環境隊員のブログ

ミクロネシア連邦国において環境分野で活動する青年海外協力隊、シニアボランティアからの報告。コメントお待ちしています。

21年度3次隊 川上遼子です

2010-02-22 09:07:50 | ポンペイ州
初めまして、平成21年度3次隊、ポンペイ州の環境教育隊員の川上遼子です。
2010年1月6日にポンペイに着き、早1ヶ月強。
少しずつこちらの環境にも慣れてきました。
私はポンペイ環境保全協会(CSP, Conservation Society of Pohnpei)というNGOに配属され、1月18日から毎日勤務しています。




CSPは3つの部署、Education, Terrestrial, Marineから構成されており、私はMarineで働いています。
Marineでは現在いくつかのプロジェクトを行っています。

Marine Protected Area Network
珊瑚のモニタリング
魚のモニタリング
海草のモニタリング
Sedimentation
And Atoll Biosphere Reserve

などです。



多くのプロジェクトは5年以上続いており、CSPは多くの有益なデータを持っています。
しかし残念ながら採取されたデータは基本的な解析をされた後、放置されていました。今までCSPはオーストラリア、アメリカなどの海外の科学者と合同で行うプロジェクトも多く、その場合はデータの解析はその海外の科学者が一挙に行ない、CSPはまったく解析には関わらないということが多かったようです。よって海外の科学者が介入しない、CSP単独のプロジェクトではデータを採取してもデータを解析する人も知識もなくそのまま放置されていました。

私の配属先からの要請はその置き去りにされたデータをGIS(地理情報システム)を用いて空間的な解析をすることです。CSPが単独で行ったプロジェクトのデータは2005年からたまっており、その解析を行うのが最優先だと思いました。

本来私達ボランティアは
「釣った魚を相手に与えるのではない。魚の釣り方を教えるのだ。」
と言われるように、なんでも自分でこなし、出来上がったものを任国の人々に与えるのではなく、一緒に活動をし、その中で任国の人々にもそういう方法があるのだと知ってもらうために派遣されています。
しかし、言葉でGISの利用価値を話してもなかなかピンとこない、さらにそれぞれに取り組んでいる仕事がすでにあり、そこにプラスGISなんていう分けのわからない仕事は入れたくないようで、一緒に活動するということが大変難しい状況です。
結局この1ヶ月はほとんど毎日コンピューターの前に座り、私一人でデータと格闘しています。
一度ちゃんとした形でGISによる空間的な解析を見てもらえれば興味をもってもらえると信じて毎日頑張っています。
その甲斐あって、今月中には過去のデータをマッピングできそうです。

配属先はMarineですが、TerrestrialとEducationも地域に根付いた興味深い活動をしており、部署を超えた活動、地元のコミュニティーとつながった活動が出来ればと思っています。

医療廃棄物用 無煙焼却炉の到着~設置~稼動開始!

2010-02-22 07:22:55 | チューク州
ミクロネシア連邦のチューク州にある唯一の病院、チューク州立病院には医療廃棄物を焼却する焼却炉がなく、全てゴミ投棄場に毎日のように捨てられています。










そのゴミ投棄場は、近所の子供たちが遊びがてら?よくゴミを漁っていて、特に注射針や薬などをよく拾っていて、とても不衛生です。感染病等がいつ広がってもおかしくない状況です。


そういった状況から、当時チューク州立病院に勤めていたJICAシニアボランティア、ロータリークラブトラック諸島より、東京のロータリークラブへの焼却炉の寄付の申請が行われました。


足掛け3年、ようやく焼却炉がチュークに到着し、州立病院への設置が完了しました。
設置・試運転・維持管理については、この焼却炉を納入していただいた中和機工株式会社さんから前島さんが1週間チュークに滞在し、病院の担当職員に指導していただきました。


僕は、チューク州環境保護局で廃棄物管理処理を担当していることからも、活動の一環として、このプロジェクトに途中から携わり、ロータリークラブトラック諸島のメンバーにもなり、窓口としてコーディネートしながら、病院の担当職員と焼却炉受け入れへの準備、助言・指導、前島さんの通訳も担当させていただきました。


前島さん滞在の最終日、州立病院にて、前島さんはじめ、病院関係者、環境保護局関係者、ロータリークラブトラック諸島関係者が一堂に会し、前島さんより焼却炉についての説明、扱い方、環境保護局から医療廃棄物の分別の説明等がなされ、病院関係者から様々な質問があがり、今後の分別・焼却炉の維持管理について、方向性・役割等を共有することができました。




会議後、焼却炉と共に関係者で記念撮影をし、正式に、東京のロータリークラブからロータリークラブトラック諸島を通し、チューク州立病院へ引き渡されました。








今後の医療廃棄物の分別・焼却炉の維持管理については、州立病院が責任を持って行い、環境保護局、ロータリークラブトラック諸島は定期的なモニタリング、状況によって助言・指導等、又、病院関係者や患者への啓発活動を行っていく予定です。


この焼却炉寄贈にご協力してくださった 東京田園調布緑ロータリークラブ、東京成城新ロータリークラブ、東京八王子西ロータリークラブ、東京田園調布ロータリークラブ、そして、中和機工株式会社様、ありがとうございました。



宮城 匡志