ミクロネシア 青年海外協力隊環境隊員のブログ

ミクロネシア連邦国において環境分野で活動する青年海外協力隊、シニアボランティアからの報告。コメントお待ちしています。

チュークを衛生的な場所へ

2010-11-02 13:19:17 | チューク州
約3ヶ月前に、「焼却炉がもたらした成果」という題で記事を書きましたが、その後の報告をしたいと思います。

前回の記事の時点では、医療廃棄物(感染性廃棄物)の分別は注射針にほぼ限られていました。そこから、さらに、医療廃棄物全てを一般廃棄物と分別させ、焼却させる取り組みを行いました。

現在、チューク州立病院では、医療廃棄物用のゴミ袋にはだいたい90%くらいが医療廃棄物で10%くらいの一般ゴミが混ざっていて、それを医療廃棄物用焼却炉で燃やしています。
また、一般ゴミ用のゴミ箱にはだいたい90%くらいが一般ゴミで10%くらいの医療廃棄物が混ざった状態で、そのまま最終処分場に運ばれています。

注射針に関しては、専用のボックスにきちんと(ほぼ100%)分別され、焼却されています。

半年前は、分別という概念すらなく、看護婦たちが医療廃棄物が何なのかも知らなく、最終処分場が医療廃棄物であふれていたことを考えると、
約半年間、僕がしつこいぐらいにモニタリングに行って、嫌がられても注意し続けて、お願いもし続けて、ワークショップや会議も開いて、時には僕が所属する環境保護局の局長から病院の院長にWarningレターや指導書などを書いたのが、報われてきたのだと思います。
医療廃棄物はとても危険なものなので、100%達成したいところですが、でも90%でも全然よくできてると思うし、大きな進歩だと思います。
でも、病院のメインテナンス課の課長は100%を目指したいと言っていて、とても嬉しくなりました。


このプロジェクトは、焼却炉というハード面の投与から始まり、
焼却炉の設置・稼動・維持管理についての職員への指導、モニタリング
そして、医師や看護婦、患者への周知・啓発・指導・忠告などが実を結んで達成できたものだと思っています。

本来ならば僕と一緒に動いて欲しかった環境保護局の職員は誰も動かず、ほぼ僕一人でやり続けたものですが、成果が出て、病院の職員へ伝わり、習慣化してきて、メインテナンス課の課長のさらなる向上心を感じた今、技術移転と意識改革がほぼ成功し、ほっとしています。今後はもう少し遠くから見守りたいと思います。

ちなみに、これはあくまで本業務の合間を縫ってやっていた副業務なのですが、このおかげで、最終処分場付近の住民からの苦情が一切なくなり、本業務のほうが一層やりやすくなりました。
少しずつですが、外国からの援助と現地の人々の努力により、チューク州も衛生的な場所に変化してきています。



宮城 匡志


最新の画像もっと見る

コメントを投稿