メカニック日記

メカニックです。仕事ネタから感じた事思った事など気まぐれに更新していきます…

ギガ…ミッションO/H。

2021-02-07 22:51:00 | いすゞ
インスタでも少し触れましたが…

お客さんに『1月中には完成するよね⁉︎』と言われ『出来ません…』とは言えなかったEXD52ギガ…
(そもそも預かったのは1月上旬だったのに1月25まで手付かずで後回しにされていたので…)



4速変速時にギヤ鳴りがするという事で相談を受けていたんですが…

他のギヤはギヤ鳴りする事もなく4速だけ。
ダブルクラッチ操作で変速させるとギヤ鳴りせず…
という事は4速変速時に同期が上手くいっていないという事で、4速のシンクロ不良という結論に…

選択肢としてはリビルト載せ替え、中古載せ替え、オーバーホールという3択。

シンクロ不良程度でリビルトミッション載せ替えは高額で割に合わないし、中古は内部の程度が分からず当たりはずれがある上にそこまで安くもない…
結果的にシンクロと当該ギヤの交換程度であればオーバーホールのメリットは大きいという事で今回の選択になりました。


まずはミッションを降ろして縦置きに。




整備書通りの作業だと縦にしたり、横にしたりが面倒…というか大変なので補機も縦の状態で取り外し。

MJZ系のミッションは何度かO/Hした事ありますが、MJTは今回が初めて。
見た目は似てるけど中身は結構違うんですね…


PTO、アッパーコードラント、インターロック機構の取り外し。



フランジの取り外し…
ロックナットのサイズである63mmのソケットが当社になく工具屋を何件か探し回ったけどそんなサイズを在庫している店があるはずもなく出鼻を挫かれましたが、日頃から取引のある整備工場さんに借りる事が出来て事なきを得ました…笑
T自工さんありがとうございました!
その後ウチでもソケット買いました…笑

で、フランジの取り外し。


更にリヤカバーの取り外し。


カウンターシャフトリヤベアリングのインナーレース抜き取り。



リバースアイドルギヤ取り外し。


1速とリバースギヤを取り外して…


メインケースも取り外しますが…
このミッション…
何故かインプットとメインシャフトの接続部分にサークリップが入っていてメインシャフトが簡単には抜けてこないんです…

整備書だとこのメインケースを外す前にインプットシャフトを先に取り外してサークリップのロックを外す事になっているんですが、そんな面倒な事しなくても少し工夫すればメインシャフトは取り外せます。
だってインプットシャフトを先に外すとなるとそれこそ専用工具が必要になりますからね…


メイン、カウンター、シフトロッドを一体で抜き取り。







で、それぞれを分離させてメインシャフトを分解していきます。

画像だとちっちゃく見えますが、このメインシャフトASSY重くて天井クレーンじゃないと持ち上げられません…


適当なスタンドに立てて…




まずはベアリングの取り外し…
おNEWのベアリングプーラーがさっそく役に立つ。






2-3速ギヤを取り外したら…


ひっくり返して7速ギヤに4-5速ギヤの取り外し。


ウマの足にちょうど収まり安定した…笑


6-7速のクラッチハブを抜き取り…

4-5速はプレスで一気に抜き取り。


クソ重たいメインシャフトを落とさないように下で気合入れて支えながらプレス。



メインシャフト単体。


4速のシンクロナイザーとドッグギヤのチャンファー面は当然ガリガリに削れてしまっています…
ドッグギヤだけ交換出来ればいいんですが4速ギヤと溶接で一体化されているのでギヤASSYで交換する必要があります…





その相手のスリーブも当然ガリガリ…





5速のドッグギヤも削れてしまっていたのでこの際だから交換。



交換部品としては各ギヤのシンクロは全交換、4-5速のメインギヤとスリーブ、後は外したベアリングに細かいシール関係といったところ。

2-3速のシンクロ交換。
2-3速だけは摩擦力の強いデュアルコーン式。




4-5速はハブは再使用でシンクロナイザー、コーン、スリーブにプランジャー類は交換。




新品の5速ギヤ。
当たり前ですがチャンファー面はピン角


新品4速ギヤ。


クラッチハブは再使用でスリーブとシンクロナイザーを組み付け。



で、メインシャフトに4-5速組み付け…


更に7速と6-7速のクラッチハブも…
ひっくり返して2-3速も同じように組み付けてメインシャフトはとりあえず完了。


後はカウンターシャフトのベアリングだけ抜いておきます。
今回カウンターシャフトはノータッチ。
というか交換する必要のある部品が無かったので…

で、メイン、カウンター、シフトロッドを一体で組み付け。


今回はインプットシャフトを抜かずに作業しているので(整備書は抜いて作業する事になってる…)サークリップとスプラインの位置関係に少々注意点はあるものの上手く位置合わせすれば入ります。


4-5速は新品。



更にメインケースを取り付け。


リヤベアリングを打ち込み…




リテーナを付けたらミッションを横置きに一度変更。
リヤケースを組み付ける前にインプットシャフトとメインシャフトのスラストが問題ないかを見るためです…




天狗の鼻シールは交換…







天狗の鼻、オイルポンプを組み付けて、メイン、カウンター共にスムーズに回るか?やギヤインとニュートラルの確認…

問題なければもう一回縦置きにして…


残りのギヤを組み付けていきます…










フランジ、ロックナットを締め付け。


インターロックやシフトコントロール系統も組み付けて…




クラッチフォークやレリーズベアリングを組み付けたら、ミッション側の作業は完了。




残りはクラッチ側の作業を行い…
パイロットベアリングの交換。


フライホイールは歪みも無いのでそのまま。


フロント側のディスクをセット。

インターミディエイトプレートは新品交換してリヤディスクのセット。


更にはクラッチカバーの取り付け。


前後スプラインの確認。


で、ミッションを載せる準備を…


ゴソゴソして車載。


プロペラシャフトやその他補機類も取り付けて…


ミッションオイルを注入。
エンジンをかけてしばらくミッションを試運転させて適正量まで補充。


試運転後に各部の締め付けや漏れ確認をして完成。


今回交換した部品。



という事で何とか1月中に間に合い、納車も無事に終わり完了。










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2021年…

2021-01-26 11:08:00 | 整備




年があけてだいぶ経ちましたが…

あけましておめでとうございます。

今年の正月は三が日だけ休むことが出来ました…
というか休みました。

久々の連休で身体的にも精神的にもリフレッシュ出来たんですが…

休んだ結果、年末までに溜まっていた仕事に加え、年明け早々仕事の依頼が重なり結果的に休むんじゃなかったと思うハメになりました。



まずは…
年明け早々ターボ不良からオイル漬けになったDPFの洗浄…
オイルが大量に流れたDPFは通常の洗浄方法ではキレイにならないので、まずは洗浄液にドブ漬けしてグツグツと煮込みます…




ある程度油も浮いてくる所まで煮込んだ後で気づいたんですが、フィルターのセルが何箇所か貫通&溶損してしまっており…
結果的に洗浄中止となりました。
残念。



他にもスタッドボルト交換依頼のDPFが一気に4本ほど入ってきて…

他の仕事の合間を縫って作業。

作業していて最近思うのは年数が経ったものは当然ですが熱害の影響でフランジは腐食していきます…
今までは溶接してあるSUSナットだけを切り落として新品ナットを再度溶接して対応していましたが、最近はフランジ自体が腐食しており再使用が出来ないケースが増えてきました。

今回のDPFもフランジの腐食が酷くナットだけ交換出来るような状態ではなかったのでフランジごと交換する事にしたんですが…
今後はこの方法をスタンダードにした方がいいかも知れない…


腐ってボロボロのフランジは溶接をキレイに剥がし切り落とし…


こんなペラペラになったフランジではナットだけ交換は無理だし、仮に出来たとしても耐久性に疑問が残る。


新品のフランジをカット。


位置合わせをしたら…


溶接。




後はカバーを溶接して完了。


別のDPFもスタッド交換。
案の定フランジは腐食…




こちらも交換。



更に別のDPFもフランジ交換。





やっぱり年数が経ったDPFはこの辺りの部品は交換必須にした方が安心出来ますね…




次はエンジン始動時クランキングが長いというクオン…
エンジンはGH11。
しばらくエンジン停めておくと再始動に時間がかかるという症状はユニットインジェクターにはよくある症状。
昔のボルボにもよくありました…

で、インジェクターの交換。






リビルトインジェクター。
ユニットインジェクターはリビルトでもお高い…


スリーブあたり面には指定のペースト…
焼き付き防止の為でしょう…


この辺りは国産エンジンにも塗った方がいい気がする…
(最近固着で抜けないインジェクター作業が続いているので軽い恐怖症…笑)



組み付けてバルブクリアランスとプレリフト調整を行い完了。




プログラミングはウチでは出来ないのでディーラーさんに頼む他ありません…

なんだかなぁ…



お次はハイゼット。
夏ほどではありませんが冬場でも定期的に入庫するエアコン関連の修理。
ていうかハイゼットにハイブリッドなんてあるんですね…
聞くと燃費はたいした変わらないそうです…笑


エアコン不調の原因はコンプレッサの不良。
電気来ているのにマグネットクラッチがオンにならず回らない…という事で交換。




ガスチャージして完了。




こちらはこれから作業を開始するギガのミッションO/H。


4速のシンクロ不良です…



コレもいいキッカケだ!と自分を納得させてM/Tベアリングプーラーも買っちゃいました…






元を取ろうなんて考えたらダメ。
道具が無いと作業出来ないんだから…
作業出来なかったら技術も上がらない。
この辺りはやっぱり現場主義だから言える事。
もちろん設備投資のバランスは大事ですけどね…



それから新たに当社の仲間に加わった日産ノート。
営業車兼足車として購入しました。
コレでキャラバンは作業専用になります…




それからウチはあいおいニッセイ同和損保さんの代理店なんですが、ノートの任意保険をドラレコ対応型の保険にしてみました。
4G回線を使ったドラレコが安全運転診断を行い、年間を通した運転が安全運転と評価されると保険料が数%割引されるというもの。
お客さんに薦める前にまずは自分達で試してみるのが一番という事で導入。




びっくりしたのはプロパイロット…
車間や速度はもちろん、ステアリングも勝手に切ってくれる…
自動運転が主流になっていくのは間違いないでしょうね。
自分で運転する事が好きなほうですが、これはこれで悪くない…笑
だって高速道路の運転は劇的に疲労が軽減されますから…




それから…

今更ながらInstagramを始めました…

会社設立に合わせアカウントだけは作っていたのですが、放ったらかしにしていました。
これからは会社の情報発信ツールとしてInstagramを活用していきます。

位置付けとしてはインスタは簡易的な内容、ブログは深掘りした専門的な内容といった感じで使い分けていくつもりです。

個人的な独断と偏見が強いのはブログになりますね…笑

という事でよかったらフォローお願いします。









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最近の作業…37

2020-12-31 11:48:00 | 整備
2020年もあと数日に押し迫った頃にようやくブログの更新。

つい先日12月に入ったかと思えば気がついたらもう年末ですよ…

相変わらず仕事に追われています。


前回書いた記事の続きでメタルがガタガタになったN04Cのクランクシャフト…

測定の結果曲がりは基準値内で問題なし。
つまり、原因はメタルのクリアランス不良の可能性が高いという結論に。

一応綺麗にすれば使えるブロックも需要があるかと言われれば微妙なので、色々と実験台となってもらいます。

シリンダーヘッドは暇な時にオーバーホールしてストックとしてとっておきます。



水漏れのEXD52ギガ…
エンジンかけるとウォーターポンプボディのニップル接続部のネジ山からピューと漏れ出していました…
画像だと分かりにくいと思いますが吹き出してます…



こんなところから漏れるの初めて見た…笑

部品としてはニップルだけ出るんですが固着が酷く抜けない事は分かっているのでウォーターポンプごと交換する事に…

バラしていきますが、この辺りは過去に整備されているようで通常では必要ない所にボンドがベッタリと塗ってありました。

このOリングやガスケットが入る所にボンド塗るの本当やめて欲しい…

サーモケースまでベッタリ…

キチンとやればボンドなんか塗らなくても漏れませんから…



新品のウォーターポンプにホースニップルを取り付け。


新品のホースニップル…
仕様違いがあるとは言え、新品のウォーターポンプを頼んでもニップルやメクラプラグは別で注文しないと付いてこないんですよね…
車台番号からも仕様は分かるはずなんだからキットにしておいてくれてもいいのにね…ってやる度に思います。


ニップルの接続部にはボンドを塗ります…



サーモスタットも交換。


後は組み付けて完了。


ホース関係も交換して…



後はクーラントを入れてエア抜き…


水漏れも止まり完了。



それから11月に行った車検のプロフィアなんですが、去年の11月もウチで車検をしてそれまでは某オイルメーカーのエンジンオイルを使用していたモノを前回車検のタイミングでPower-Dに切り替えたんです…

単純比較ではありますが、分かりやすい結果が出たのでちょっと紹介。





まず↓これが去年の車検時にドライヤーをオーバーホールした時の画像。
ドライヤーの入口部分…


キャップを取り外した状態。


上部のフィルターシートがオイリーなのは分かると思います。


これが乾燥剤上部の画像。


乾燥剤の中段付近。


で、これが下部の画像。



オイルミストの混入が多く乾燥剤をスルーしているのが分かります…




で、これが今年の車検時のドライヤーの状態。
Power-Dに変更して1年間の走行距離は約110,000kmで、途中約60,000km走行時に一度オイル交換を実施しています。
ちなみに6万km走行したオイルの残存塩基価は3.6…

これもまた別の機会に詳しく書きたいと思いますが、どんなに良いエンジンオイルを使用しても交換サイクルを誤るとリスクしかありません。
安いオイルは論外ですが、良いオイルはロングライフという概念は捨てた方が良いです。
重要なのはその車の使用状況に合った交換サイクルで管理するという事。
その為には塩基価というのはまずは1番初めに重要になってくる数値です。


話が逸れましたが…
下が今年の車検時のカートリッジ。
この時点でぱっと見の違いは明らか。


フィルターシートもオイルで湿っている事もありません。


乾燥剤上部。


更に中段含め11万キロ走行しているとは思えない程、下部もキレイ。


底の部分…



底の部分はオイルが付着してますが前回と比べると明らかに量が少ない事が分かります。



まあこれはウチが管理している車両での結果なので全ての車両に同じ事が起こる訳ではありませんが、少なくともこの車両は"使用するエンジンオイルを変更しただけ"でこの違いです。
ドライヤーをスルーするオイルミストが減ればそれ以降のエア制御のバルブ関係に無駄なトラブルを起こす確率は当然減ります。

あくまでも当社独自の検証結果から見た推測ですが、オイルを変更するだけで約60%以上の車両は無用なトラブルを予防出来る可能性が非常に高いと考えています。

残りの40%はそれ以外の原因が絡んできているため、残念ながらエンジンオイルを変えただけでは改善されないケースが多いように思います…
今後はエンジンから発生するブローバイガスやオイルミスト、更にはそれを分離するセパレート能力が非常に重要なポイントになりそうです。

他にも某メーカーさんの協力のもと、数台の車両で実車を使った検証をしていますが、こちらは科学的な根拠も含めた検証で事細かなデータを取っているのでどのような結果が出るのか楽しみです…






お次は車両が傾いているというトレーラー。


左右で最大7cm程傾いており…


原因はリーフハンガー部のウェアパッドの摩耗。
左側…


右側の方が削れてベース部分まで摩耗が進行してしまっていました。





部品設定としてはウェアパッドのみ入手可能です。


よく見ると溶接ビードでリブが作ってある…笑


残った古いパッドを削り込んで新品のウェアパッドの位置合わせをして、仮固定。


仮溶接して位置関係の最終確認…



で、本溶接。





最後にグリスアップ。


ウェアパッドは消耗品ですが…
ここのグリスアップがされていない車両はよく見ます…
当然、金属同士の接触なので結果は言わなくても分かりますよね…
リチウムでも無いよりはいいけど理想はモリブデンですね。



お次は定期的に修理依頼のあるdenoxtronic1のトラブル…
定番の温度センサー故障です。







ポンプモジュールを分解。

問題のセンサーを新品に交換。



後はバラしたついでにエア回路と尿素水回路を掃除。
オリフィスやベントバルブ、圧力センサー等は掃除で問題無さそう。
フィルターは問答無用で交換。

ポンプモジュールを取り外す時に尿素水ホースを外したらコネクタの先端で折れたのでこちらも交換。


ここも古くなってくるとポキッと折れますね…
先端補修部品は在庫してます。

で、車両に取り付けてテストして完成。





相変わらずDPFの洗浄と再生もやってます…
日野さんの4t系ってフランジの部品設定無いんですね…
洗浄再生で入ったDPFが定番のスタッド折れでカバーめくったらフランジの腐食が酷いので交換する為にちょん切っちゃったんですよ…

で、仕入先に注文しようとしたら『設定無いです』って。


マジかよ…って事で加工屋さんに急遽作ってもらいました。
今後の為に6枚程作って貰い当社で在庫する事にしましたが、この枚数だと単価が高いんですよね…
需要があればもっと沢山製作して単価を下げる事も可能ですがそもそも4t系ってフィルターが溶損や破損してる事が多いので微妙な所ですね…笑


新品のフランジを取り付けて溶接。


ステンナットも溶接して…




後はカバーを取り付けて完成。



それから現場も細かい設備も少しづつ増やしています。
天下のハスコーさん。
値段は高いけど良いものは確かに良い…
頼んでいた工具が入荷してくるとワクワクしますね…笑


切れ味抜群という噂のカッター。


今更ながらブッシュ系治具。

出張作業に重宝するワンマンブリーダー。


最近のUDさんや一部トレーラーなどに使われているエアホースのリムーバーツール。


ミッションジャッキも小型を追加しました。今まで中・大型用のジャッキでは取り回しが不便でしたから…


低床のDPF降ろす時もすごい楽…笑



こちらのトレーラーはエア漏れ修理。
というか連結全長17mのトレーラーでもウチの工場に入る事が分かった…笑
当社に来た事ある方ならお分かりだと思いますが、周辺道路狭いんですよ。


作業はマキシチャンバーの交換。


エア漏れ確認後、記録簿書いて完了。



そして年末という事もあり沢山のお歳暮を頂きました。


改めましてありがとうございます。


さあ年末年始に向けてもうひと頑張りします。

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重整備。

2020-10-31 11:45:00 | 整備
車検、点検、細かい一般整備に加え続く時は続く重整備…

当然重整備となると長いこと居座るわけで…
場所に余裕があれば全然問題ないですが、ウチの工場と駐車場の広さから考えると長期預かりは非常に悩ましい問題で…
限られた時間とスペースと人員の中では隙を見て多少無理をしてでもこなす必要が出てきます。




まずはディーラーさん経由で依頼されたダイナ。

事前情報ではオーバーランしてエンジンから異音がしてるのでエンジンを載せ換えて欲しいとの事。

現状エンジンはかかってはいるもののカンカンと音がしており…
オーバーランという事なのでバルブが軽く当たってんのかな?くらいの感覚で作業開始。


車両が入庫して間もなくデッカい木箱も届きました。

エンジンASSY…ではなくベアエンジン。


当然、ベアなので補機類は全て付け替える必要があります…
まあ承知の上で受けた仕事ですが…



まずは車両を定位置にセットして作業開始。



エンジンを降ろす為に細々したものを外していきます…










ツインコンデンサーの為、フロントタイヤ前方に加えラジエータとインタークーラーの間にもう一個コンデンサーがありエアコンラインを切らずにエンジンを降ろそうとすると非常に面倒くさいですが、今はエアコンマシンがあるので迷わずガス回収してエアコンのラインは切り離します…笑



で、ラジエータ、コンデンサー、インタークーラーをセットで取り外しゴソゴソしてエンジンを降ろします…







降ろしたエンジンは補機類の付け替えで作業性も考えてアングル材でN04専用⁉︎のエンジンスタンドを製作…
キャスターも付けて自由に移動出来るようにしました。



コレ作るのに2時間ほど費やしてる…(そんな事やってるから遅れるんだよな…)
ベアと降ろしたエンジンを横並びにさせて補機類の付け替え作業へ…



補機という補機は何も付いておらず、インジェクターすら付いていません…
でも何故かバキュームポンプだけは付いてるんだよな…



付け替えていく中で支給された部品にちょいちょい足りない部品があり困った…



オイルクーラー周りのガスケットが皆無のため追加で発注。
以前のN04Cならここはボンドでしたがあまりに漏れるためかシートガスケットに変更されてます。



部品支給でも構わないんですけど選定だけはコッチでやりたいですね…笑
だって足りない部品があるとその都度作業が止まっちゃうし…

で、なんだかんだ補機類の付け替え作業も終わり…


クラッチディスクはズルズルの為交換。





組み替え終わったエンジンを車載する準備を…



吊り上げ…






ドッキング。





ゴソゴソして完成。
コレ以降の写真が無かった…笑


無事に旅立って行きました。


その後暇な時間を見つけて問題のエンジンを分解。(そもそもそんな時間的余裕はないんですけどね…)
だって中がどうなってるのか気になるじゃないですか…笑

分解の結果…
結論から言うと2番のクランクメタルにガタがありピストンとシリンダーヘッドが接触してました。

その事実を知った時点で思ったのは…

コレ、オーバーランが原因なのか⁉︎という疑問。




メタルがガタガタということは当然クランクシャフトも傷だらけ。




メタルはペラペラ…


他のクランク部分は問題なさそう…



2番のシリンダーヘッド下面にはピストンと当たっていた跡がクッキリと。



他には当然ありません…




それから気になった事…
クランクシャフトを取り外すと、ジャーナル部分のメタルの当たりがすこぶる悪い。






更にスラストメタルにもジャーナル部分のメタルが剥離して噛み込んだ形跡もありました…





ジャーナル部のメタルは全体的に当たりが悪いです…
クランクシャフトの曲がりは今度時間がある時に測定してみたいと思いますが…




原因としてはクランクシャフトの曲がりかメタルの材質不良かクリアランス不良といったとこでしょうか…
はたまたブロックの加工精度の問題かもしれません。

登録から3年で走行距離も1万数千キロだし、エンジン内部含めカムジャーナルやコンロッド小端メタルには全くの問題がない所を見るとオイル管理の問題でもなさそうですしね…

それからちょっと気になったメタルの緑色のコーティング。
これ何コーティングなんだろう…
初めて見た。






次は車検で入庫したKL-のビッグサム。





下回りは錆が酷く、ブレーキパイプも塩カルで腐食してオイルが漏れていました…

漏れているパイプだけ換えたところで年式からもこの先のイタチごっこは目に見えてるので…

怪しいと思われるパイプは全て交換する事になったんですが、この年式だとパイプ系は恐らくほとんど製廃だろうな…という懸念が。


ところが意外や意外にも交換予定の半分位はメーカー在庫がありました。

全部製作してたらとんでもない時間がかかるところだったので少しホッとしましたねぇ…笑

車検整備と並行してブレーキパイプの交換。
在庫のあった部分は気にせず取り外し。


腐食進行中のパイプ。



これは滲んできてます…




これは完全にブレーキオイル漏れてるパイプ



他にも架装物のボルトがパイプと接触⁉︎してる部分も…



よく穴開きませんでしたね…
ここのパイプも作り直してボルトを避けるように逃げ加工を施します。



そして製廃のパイプは地道に製作。
コレが本当に地味に大変…笑
向き、長さ、曲げ角度に曲げ方向…
ちょっと曲げては確認の繰り返し。




もちろんエンド加工はダブルフレア加工です。

ブレーキパイプ製作で巻きの銅パイプでしかもシングルフレアなんてあくまで応急ですからね…

加工は大変ですが耐久性も間違いない純正同等のストレートパイプを加工します…


こういう所の加工も地味に大変…
先に曲げちゃうとフレアナット入れてからフレアリングツールが入らなくなるし、かといって先にフレア加工すればベンダーが入らないし…


ここはアイデアを膨らませて加工します…笑
たいしたアイデアではありませんが。


で、末端にはダブルフレア加工…



こんな事を夜な夜な作業していました。

写真だとあっという間ですが車検整備と合わせて1週間くらいラインに止まってました…

その後車検も無事に合格して納車…


他にも色々とネタになりそうな修理もあったんですが写真を撮っていなかった為に断念…笑



業務的な部分ではこちらの事情で遅れていた損保の代理店登録もようやく済んだので、これからは保険の販売にも力を入れていこうと思いますが…

覚えなきゃいけない事がたくさんあり過ぎる…




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最近の作業…36

2020-10-21 02:59:00 | 整備
たまにはブログを更新しないとな…

なんて考えてはいたものの日々の仕事に追われなんだかんだ更新出来ずにいました…

最近では1つの作業を集中して出来る事が少なく、常にいくつかの仕事を同時進行で進めているので写真も端的な物が多く記事を書くのにも少し困りますが最近の作業をサラッと。

まずは燃料漏れのビッグサム⁉︎だったかな…
燃料タンクの腐食による漏れなので新品交換します。


地味にサイドバンパーが邪魔ですが…



交換して燃料の入れ替え…
燃料タンク換えるっていうのに燃料満タンなんだから困っちゃいます…




入れ替えも終わり完成。




お次はサプライポンプ交換のJ07レンジャー。


インテークダクト外せば作業性は悪くないです…









SSTという名の単なるボルトで位置合わせ。



新品の取り付け…


あとは元通りに組み付けて完了。


他にも現行型のレンジャーA05Cのサプライポンプ交換も…





地味に手間がかかります…


取り外したサプライポンプのカップリング類の付け替え…




今までのレンジャーはサプライポンプもサクションコントロールタイプでしたが、現行型からはプレッシャーコントロールタイプに変わってます…



それから相変わらずDPFの洗浄はコンスタントに入ってきます…
ADG-のプロフィアのDPF洗浄…


フィルターの取り外しは非常に簡単…



しかし実際に洗浄すると汚れが半端ない…






凝集させると案の定軽油の着色料で真っ黄色…
これはエンジン側から流れてきた未燃焼燃料がDPFに付着する為で、ここまでくるとインジェクターも洗浄もしくは交換した方がいいレベルです…




こちらはEXD52ギガのDPFですが、フィルターが飛び出してしまっていますが…
基本的にはスス抜けと内部溶損が無ければプレスで適正位置まで押し戻して洗浄は可能です。



プレスで慎重に押し戻し。





押し戻したら洗浄。




更にレンジャーのDPF…


こちらは残念ながらスス抜けが酷い為に洗浄は不可能でした…




こうなると交換しか選択肢は無くなりますが、どうせ交換するなら今後の事も考えてスタッドタイプではなく対策品のボルトナットタイプに変更します…


フランジ取り付けがボルトナットに変更されているのでスタッドのように折れ込む心配は今後はありません…




それからオイル漏れ修理で入庫したEXD52ギガのちょっと納得いかない修理。
コレ↓はブローバイのジャバラホースですが、よくホースが破れてオイルが漏れるんです…


応急的に破れ箇所をビニールテープでぐるぐる巻きにしてもしばらくするとオイルでしっとりしてきます…
そんな事もあり正攻法でいけば交換するのがベターなんですが…


現行品は対策品になりプラ製のジャバラホースから厚手のゴムホースに変更されているところまではいいんですが…


何故か頼んでいないはずのインテークダクトが同時に配達されており、間違って配達されたんだな…的な感覚でいたのですが、対策品のホースを取り付けようとしてもどう取り回しても寸足らずの状態。
まさかね…と配達されたダクトと現物を見比べてみると…





ホースの接続位置が変更されてる…





そりゃホースも付かないはずだわ…
ブローバイホースを換えるだけなのにインテークダクトまで同時に交換する必要があるなんて…

通常ホースの材質の問題だけなら接続位置まで変更する必要はない訳で、ダクトの接続位置まで変更されているという事は当初の設計に何かしらの問題があったんでしょうね。
とりあえず交換するしかないのでダクトも交換してホースも交換して完了…



こちらはBDGプロフィアのDPR洗浄ですが毎度毎度のスタッド折れの為、スタッド全交換作業。






それからコレは別のプロフィアのDPRなんですが、温度センサーが折れこんだので洗浄ついでに抜き取って下さいとの依頼。
非常に嫌な折れ込み方してる…


あの手この手を使いなんとか摘出。


温度センサーはアタリ面がテーパーなので非常に気を遣います…
逆に洗浄もスタッド交換も温度センサーが付いている状態でも全く問題ないので折れそうなら外さずにそのまま持ってきてくれた方が気が楽です…笑





コレはレッカーで運ばれてきた差圧100kPa超えのLKGプロフィアのDPRですが、飛び出し防止リング無しのDPRのため出るところまで出てしまい再使用不可能なDPR。


こちらは残念ながら交換です。




更にフォワードのインジェクター交換&DPF洗浄。




DPFはガン詰まりの状態…


触媒は通常の洗浄をして…



ガン詰まりのフィルターは特殊な溶剤でグツグツ煮込んでから洗浄します。




それからdenoxtronic1を積んだ6M70のスーパーグレート。
SCRのチェックランプが点灯したという事で診断の結果、そもそも通信が上手くいかない状態でコンピュータに何かしらの不具合がありそうだな…なんてモジュールを外して点検してみると…



開けてビックリ、モジュールの中が尿素水に浸かってました…


恐らくモジュール内で尿素水が漏れ出し浸水、内部の電装部分がショートしてコンピュータ含む電装品は全滅状態でした。








次はS05のインジェクター交換。







それから作業ではありませんが作業環境も少しづつアップデートしております…

車検も多い為にデフミッションのオイル交換を効率化する為にヤマダのルブリケータを購入。
やっと買いました…笑






他にもトルクセッターは買えないので1人でも楽にホイールナットのトルク締めが可能な三脚式トルクレンチ。
ホイールナットだけじゃなくアクスルナットやBPWのハブキャップにも役立ちます。



診断機も一機追加しました…
デュアルタブ…
その名の通り1つのタブレットで2つのインターフェースを使い分けます。






このちっこいのはnanoBTといってコレはまんまTPMと同じソフトです。
まあタブレットの分データ表示やモニタリングはTPM-Rより圧倒的に使いやすいです。



で、こっちがiSCAN eといってautoland製のソフトです…


こちらは小型や欧州車に強いです…
フェラーリやランボルギーニもイケます!
(ウチには入庫しないけど…)
トラックも一部だけですがコアな部分までサポートしてます…
ただトラックメインの当社としてはやっぱりG-SCANとDTは必要ですね。
今後順次導入したいと思います…

それから事務所も少しずつアップデート。
今まで家庭用の複合機を使ってましたが業務用の複合機と事務員用のノートパソコンを一台追加。
もちろんセキュリティーも同時に。


更にまだ設置までは至ってませんがビジネスフォンも導入しました。
電話機も今は家庭用の安物なので色々と使い勝手が悪いんです…
電話帳も10件しか登録出来ないし…笑
ビジネスフォンになれば電話帳も大量に登録出来るし、他にもしつこい勧誘電話も拒否出来る。←コレ大事

こんな感じで設備、環境に関してはまだまだ足りない部分も多いですが少しずつ効率化を進めています…

そしてあとはメカニックの増員が最大の課題…
早いところホームページを完成させてリクルート情報を載せる予定ですが、いかんせんこちらの都合で中々進まない…笑

まだまだ発展途上の会社ですが興味のある方が居たらメッセージからお問合せ下さい…




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第1期…

2020-09-21 21:23:00 | その他
会社を設立したのが2019年9月…
(独立開業したのは2019年1月だけど…)

早いもので会社設立から1年が経ち、8月に第1期目の決算を迎えました。


独立した当初は個人事業主で1人という事もあり、なんだかんだ気は楽でしたが、法人となり従業員も雇い入れてからは色々と守らなければならない部分が圧倒的に増えました…

社会保険や労務管理に会計税務管理などなど…

まあそれはどこの会社もやってる事ですが、学もない、たいした知識もない状態で立ち上げた自分にとっては苦労の連続でした。

会社設立、運営、管理など右も左も分からない状態で現場仕事に加え、事務仕事など何より会社を安定させる為にとにかくがむしゃらに頑張ってきたつもりです…

言葉や文字では表現し切れない程色んな事がありましたが、家族、従業員、友人、お客様、協力会社さん、仕事仲間、同業者さんなどなど色々な方々のサポートもあり、無事に第1期目を黒字で終えることが出来ました。


立ち上げから半年位はとにかくお金がなくて苦労しました…
毎日来月の支払いどうしよう…と考えてましたからね…

仕事も無くたいした売上も無いのに固定費は重くのしかかってくる訳ですから当然なんですけど…

なんとかお金を作るためにマイカーのエルグランドを売ったり、お金になりそうな私物を売ったり、数枚あるクレジットカードのキャッシング枠をフルで借りたり…
あとは夜中に陸送のバイトもしてました…笑

とにかく半年くらいは自転車操業以下の状態で、当然気持ちにも余裕は無くイライラする事も多かったです…


そんな中、認証を取得して少しずつ仕事が増えてきて、ハングリー精神全開でとにかく出来る限りの仕事をして、ようやく手持ちの資金でなんとか回るようになってきたのが今年の3月くらい…


ここで多少気持ちに余裕が出来て初めて少し先の事を考えられるようになってきました。
それまで理想的な目標こそあったものの、目先の状態に右往左往してましたから…


これからも先を見据えた設備投資や作業環境の向上など、まだまだ改善したい所は山ほどありますが…
計画的に少しずつカタチにしていこうと思います。


で、第2期目の目標は業績を安定させて会社としての地盤も安定させる事。

そのためにはまだまだ課題もあります…

初めは広いと思っていた工場ですが、物が増え、仕事も増えて少しずつ窮屈に感じる事も多くなってきました。

これは去年の9月に借りたばかりの時の工場…
当初は広く感じましたが…




徐々に仕事が増えるにつれ、物や設備も増えていきました…


対象車種が大型トラックやトレーラーがメインなのでこのサイズでは物理的に制限されちゃいます…

当然、まだまだスタートアップなので贅沢は出来ませんが…
石の上にも三年と言うくらいですから三年はこの場所で目一杯頑張ろうと思います。

で、業績を安定させて地盤も安定させる事が出来たなら…
その先の目標としてはやはり自社工場の建設。

機能的で効率的でこれがトラックを整備する工場か⁉︎というようなキレイな工場を建てる事…
技術と設備の整った最新鋭の工場…
まだまだ先の話ですがそれが当面の大きな目標です。

その為に堅実に頑張って目標を達成する為の努力は惜しみません…
安定を捨て、リスクを承知で独立した訳ですから…
守りに入ってしまっては何の為に独立したのか分からなくなっちゃいます。
とにかく前進あるのみ…

後は運とタイミングが味方するかどうかも重要な要素ですが、そればかりは神のみぞ知る…といったところでしょうか。笑

まああくまでそれは今後の目標の1つです。
他にもやりたい事や目指したい部分はありますが…

とにかく1期目を無事に終える事が出来たのも支えてくれた沢山の方々の力添えあっての結果です。

これからも何事にも驕る事なく二期目も全力で頑張っていきます…




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続くエアコン修理…

2020-09-03 08:55:00 | 整備
予想通り、シーズンインに伴いエアコン関連の修理が激増しております…

今シーズンからA/Cマシーンの導入により自社で効率的な作業が可能になった所までは良かったんですが…
今年は暑い日が続いている事も関係するのかエアコン修理が予想以上に多く現場はバタバタです。



まずはコンプレッサーがロックしたキャンター。


エンジン始動中なのにプーリーがロックしており…



とりあえずガスを回収後にコンプレッサーの取り外し。



で、コンプレッサーを取り外したら配管内部をフラッシングする為にアダプターの接続。




通常コンプレッサーロックで壊れた場合、内部部品の損傷により金属粉などの異物が配管内部に残っている可能性があり、その残った異物が取り付けたばかりの新品コンプレッサーを再度壊す可能性があります…

そういったリスクを避けるためにコンプレッサー交換時にはレシーバタンクやエキスパンションバルブなども同時に交換する事も多いんですがA/Cマシーンを導入してからは配管内部をフラッシングする事で交換部品点数の削減が可能になりました。

実際リビルト品の注意書きにはコンプレッサー交換時はレシーバやエキスパンションバルブも同時に交換して下さい…と書いてあるケースも多いです。
なかにはコンデンサーまで交換しろ…なんて書いてあることもありますが、さすがにそんなトコまで交換してたら金額は上がる一方なので内部フラッシングする事でコストダウン出来るメリットもあります。

ただリビルトメーカーが同時交換を勧めるのはエアコンの構造上、内部洗浄が難しいという理由もあるんですが、このA/Cマシーンは通常の循環洗浄に加え、往復洗浄とパルス洗浄というシステム経路に合わせた内部洗浄が可能な事もこのマシーンの強み。

で、2時間程内部フラッシングを行い(もちろんその間は他の仕事が出来る!)リビルトコンプレッサーを取り付けていきます…

取り外したコンプレッサー。


リビルトコンプレッサー…


コンプレッサーを取り付けて…


配管を接続。



後は通常の真空引きからのリークテスト、ガスチャージといった感じで完了…
この辺りも設定だけして後は全て自動なのは非常に助かります。


他にもエアコンの風が弱いというダイナ…
エバポレータのフィン詰まりです。


フィルターと呼べるほどキチンとしたモノが無いのでエバポが埃やら何やらで詰まっちゃうんですよね…
作業的にはダッシュ全バラです…






これ以降の写真はありませんでしたが、エバポ掃除して風量も回復したのでオッケー…





次はやっちまった話。

エアコンが効かないというスイフト…



調べたところガスが全く入っておらず、とりあえずガスチャージして状況を確認する事に…



ところが、真空引きからのリークテストでNG判定…


これは何処からかガス漏れしているのは間違いないので蛍光剤を注入して漏れ箇所を特定する事に…



で、UVライトで漏れ箇所を探すもコンプレッサー、コンデンサー、低圧と高圧配管の接続部含めどこからも漏れている様子はない…



エンジンルームではどれだけ探しても漏れている箇所は特定出来ませんでした…
となると消去法で考えれば漏れているのは車内側…
つまり、エバポレータという判断になります…

という事でエバポレータとエキスパンションバルブを注文しつつ作業の開始…

これも作業的には非常に大掛かりで…
ダッシュボード含めフロントセクションの内装は全バラとなります…


インパネ廻りをバラしていき…


ダッシュボードや…


メンバーフレームを取り外して…


ようやくエアコンユニットが取り外せる状態に…


エンジンルーム側からヒーターホースや配管接続を切り離し…



エアコンユニットを取り外します…



で、エアコンユニットを分解してエバポレータを取り外したんですが…

やけにキレイでUVライトを当てても、あると思っていたリーク痕が見当たらず…





どこを見ても蛍光剤が漏れている個所が無い…



ここまでやって原因はエバポじゃないかもしれないという嫌な予感を感じつつ…

とりあえず新品エバポを組み付けてA/Cマシーンを繋ぎ、もう一度リークテストをしてみると…




やっぱりNG判定。

これは完全にやっちまったパターン確定。

絶望感に苛まれながらもバラした内装を組み上げて…


とりあえずウチはガス検知器を持っていないので、いつもお世話になってる電装屋さんに検知器で調べてもらうと…

コンプレッサーのプーリー中心部付近にセンサーを近づけると若干の反応がある事が分かり…

電装屋さんは恐らくコンプレッサーが原因じゃないかな…という結論に。


結果的に翌日コンプレッサーを交換したら見事に直りました…

つまり、エバポという判断は誤診でした。

今回勉強になったのは蛍光剤を注入しても漏れ箇所が特定出来ないケースもあるという事を身を待って経験しました…

以後気を付けなければ…
(その後、ウチもガス検知器買いました。笑)



他にもガスを入れても1ヶ月でクーラーが効かなくなるというADバン。



案の定ガスが入っておらず、こちらも何処からか漏れがあるようで…

検知器は頼んだもののまだ届いておらず、とりあえず蛍光剤を注入して漏れ箇所を探す事に…

これまたエンジンルームには漏れてくるような形跡は無く…

前回同様、そうなるとエバポ?となる訳ですが…

同じ轍は踏むまいと助手席足元に何とか頭を突っ込みエバポを目視で点検してみると…

かすかにUVライトに反応する蛍光剤が見えたので、今度こそエバポで間違いないという事で部品の注文。

これまた作業内容は室内のフロントセクションは全バラです…









で、取り外したエバポ…



画像だと分かりにくいですがUVライトを当てるとスポンジに蛍光剤が染み込んでました。



こちらもエバポレータとエキスパンションバルブを交換して…





あとはせっせと元どおりに組み付けていきます。










ガスチャージもして完了。





次もエアコンが効かないというダイナ…
調べると高圧ホースがフレームと接触していたために徐々に削れてパンクしたようで、ホースの交換で済みそうなのですが…

ダブルキャブ、ノンチルト仕様なので交換が地味に大変です。



限られた隙間からあの手この手で取り外した高圧ホース。


フレームに当たっていた部分が見事に破裂してます。



ホースが当たっていたフレーム部分…
当初の設計もあまりよくないんだと思います。



こちらは高圧ホースを交換してガスチャージして完了。
ちなみに新品ホースは見事に角度やカバーも含め対策品になってました。



更にこちらも風は出るがエアコンが効かないというプリウス…
ハイブリッドなので電動コンプレッサーなんですが…
コンプレッサーが回っているかどうかは当然外見からは分からないので、診断機を繋ぎデータを見ると…



目標回転数8200rpmに対して実回転はゼロ…

コンプレッサー不良確定。

という事で、コンプレッサーの交換。
ガス回収後に取り外し…



取り外した電動コンプレッサー


注意書きを見ると、一応この電動コンプレッサーの取り外しには低圧電気取扱者資格がいるんですね…

まあ持ってるからいいけど、念のためセーフティプラグを抜いてから作業しました…


で、リビルトコンプレッサー…
これがメチャ高い…
リビルト仕切なのにそんなにするの⁉︎という値段…
出来れば壊れないでほしい部品ですねー。



車両に取り付け。



A/Cマシーンを繋いでガスチャージ。



無事にエアコンも効くようになって完了。




他にもコンプレッサーの交換も何台かありましたが、とりあえずこんな感じで車検や一般修理に加えてエアコン関連の修理も非常に多いです…
高い金額出して買ったA/Cマシーンですがこれだけ活躍してくれれば文句ないですね…




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最近の作業…35

2020-07-09 21:45:00 | 整備
しばらくブログをサボっていました。

写真は撮り溜めていましたが更新する程の余裕は無く、相変わらず仕事に追われています…
ウチは8月が決算なので来月は色んな意味で大変になると予想してます…

早いところホームページも完成させて求人も出さなければ…
今年中にはメカニックを1人増員させたいと考えています。




少し前の作業になりますが…

エルフやデュトロに搭載されているいすゞ製の6速ミッション…

ギヤオイルに5W-30トランスアクスルオイルを使用するタイプのミッションです。


ミッションからのオイル漏れが酷いという事でオーバーホールでお預かりです…



クラッチハウジング内はミッションオイルでベタベタ…


フロントシールからの漏れですね…

とりあえずミッション立てて分解の準備に入ります…



リヤケース分解…





6速ギヤやカウンターギヤの取り外し…
5速仕様に比べるとこの辺りの分解が追加で必要で、通常のミッションなら5速と6速は隣合わせがセオリーですがこのミッションは5速仕様と6速仕様の共通部品を多くするためか6速だけリヤエンドに後付けされたような構造になっています。


スピードメーターギヤに6速ギヤ…
更には6速カウンターギヤなどの取り外し。





で、メインケースの取り外し…



更にシャフトの取り外し…


クラッチハウジングやメインケースは洗浄…










今回はオイル漏れ修理でのオーバーホール依頼なのでシンクロやギヤ類も問題なければ再使用します。
問診時にも特定のギヤに入り難い事は無いとの事なので再使用出来る部分は極力再使用していきます…

とはいえ6速のニードルベアリングだけは少しカジり痕があったので交換しますが。



シール関係は問答無用で交換します…



ココにはグリスたっぷり塗ります…
初期なじみは重要ですからね…

後からグリスが足らなかったなんてのが一番困ります。
ましてやこのミッションは通常のギヤオイル粘度より遥かに低粘度指定なので当然漏れやすいですから…


で、掃除&シール関係の交換が終わったらシャフト類を組んでいくんですが…
このミッション…5速のカウンターギヤがシザースギヤになってるんです…


そのため、戻し状態でロックしておかないとシャフトを組む時にギヤを破損させちゃう可能性があるんですが…


その辺りの注意書きが整備書に記載されてないんですよね…
重要な事だと思うんですけど。
今回は適当なサイズのロックピンが無くて少々苦労しましたが…



で、更にシフトフォークを組み付け。






キレイに掃除したメインケースも組み付け…
フランジ面はオイルストーンで修正済みです。



ピンボケですが、ケースを組んで更にベアリングの圧入。


で、ベアリング類の圧入も終わったらカウンターシャフトのプレロード調整…



通常この辺りはスナップリングで調整するミッションが多いですが、このミッションはシムで調整するタイプ。
ケース端面からベアリングまでのクリアランスを測定…


数カ所測定からの平均値を出し、それに見合うサイズのシムを選定します…





今回使用するシムは2.41mm…



で、リテーナを組み付けて規定トルクで締め付け。



6速ギヤにカウンターギヤ、スピードメーター用のギヤも組み付け。





リヤケースも組み付け。





PTOやらシフトコントロールやら…





ミッションを横置きにして…





パレットに固定…






これにて作業も完了…
後は引取り待ちです。




お次は排気漏れ修理で入庫したプロフィア…
ターボとエキマニを繋ぐフランジからの漏れなんですが…
よく見るとまたボンドが塗ってある…



最近エキゾースト関係にボンド塗るの流行ってるの⁉︎



通常ガスケットが入る部分にボンドが塗ってある時点で嫌な予感しかしませんけど…
ターボを取り外すと…


ガスケット割れてるし…


オイル経路にも本来ならカーボンG/Kが入る所にボンド…




スタッドボルトもガタガタで全然固定されてない…
ボンドが塗ってあるって事はその時点で漏れるかもしれないという認識があったのは間違いないでしょう。


こんなやり方じゃそりゃあ漏れるって…


エキマニ側のネジ山が広がってしまっており、スタッドが締めきれない状態でした。
ネジ山もなんか修正した跡はあるけど、穴が広がっちゃってるのでまるで効いてない…


新品を入れてみるもガタガタだし斜めに喰っていくし…


こんなところから排気漏れなんて通常はあんまり無いですから…
それなのに漏れるというのは前回整備した時の方法に問題がある事が多いですね。

つまり人災。

とにかくこれではターボも固定出来ないし穴が広がっている為ネジ山も修正不可能なのでヘリサート加工で対応する事に。

ドリルでガタガタのネジ山は切り落とし…





新たに挿入するヘリサートに合わせたネジ山を切り直し…


ヘリサートを挿入…




新品のスタッドボルトがキチンと固定出来る事を確認して…



これでようやく正常な状態に戻りましたが、これは故障じゃなくて整備ミスの後処理作業…
後は元通りに組み付けて漏れが止まった事を確認して完了です。



他にもDPFの洗浄依頼も定期的に入ってきます。
こちらはお預かりしましたが…




残念ながら内部溶損の為、洗浄不可でした。
パッと見は分からないけど、よく見るとセルの中が埋まってます。


とりあえず洗浄は出来ないので交換ですね…。




こちらはプロフィアのDPF…
洗浄と再生修理の依頼。
接続面のよく腐るフランジリング…
固定をほどき、切り落とし。



新品のフランジリングを真っ二つにカットし挟み込み、仮に固定します…


位置決め…


で、溶接。


リング自体も本体に溶接固定。



再生完了。


あとは洗浄したDPFを組み付けて完了です。


それから関東からわざわざ寄って頂き、更に手土産まで頂いてしまいましたが…
やはり前向きな方との話は非常に有意義です…
T自動車様、ありがとうございました。
もっこすラーメン美味しく頂きました…
めちゃウマでした…笑




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低品質な整備…2

2020-05-31 07:56:00 | 整備
久々の低品質な整備シリーズ…

そんなシリーズあったのか?って話ですが。
過去にも少し記事にした事があるので 今回は第2弾にしてみました…笑

読んで字のごとく最近経験した低品質整備事例をご紹介します…


乗用車や外車をメインでやられている整備工場さんからのご依頼でアクセルを開けるとヒュルヒュルと異音がするという事で修理の依頼を受けたダイナ…

キャブを上げて目を疑いましたよ…

コレ。


分かります?





あろうことか4番のエキマニスタッドが折れ込んで、それを誤魔化す?ためにボンドで埋めてあるという暴挙…
(ちなみに依頼主さんの整備工場での仕事ではありません…)

コレやった奴は車触んない方が社会のためですよ。本当に。
もし整備士だったとしたら今すぐ辞めて頂きたい。


結論、異音の原因は4番マニホールドからの排気漏れでした…

イヤ、そりゃあどう考えたって締まってないんだから漏れるよな…

逆にコレをやった奴はボンドで排圧を止めきれると思ったのか?

いつどこで誰がやったのかは分かりませんし知りたくもないですけどね…


依頼主さんに説明すると予定を止めてもらうから直ぐに修理にかかってくれ…と。
(そりゃそうだよなぁ…)

部品を手配しつつ分解していくと他にも低品質な整備があちこちにあり…

まずベルト調整用のオルタの取り付けボルトは無くなってるし、ターボ上部のウォーターパイプのユニオンボルトはガスケットが3枚(通常は2枚)入ってるし…





ターボ外してエキマニも外すとガスケットも向きが全然違うし…




エキマニガスケットの向きが1番以外は全部ハズレ。




こんなところまで低品質な整備の手が回っているので正直嫌な予感しかしない。


で、問題の4番…


スタッドが折れた理由は分かりませんがそれを誤魔化すためにボンドって…

塗りたくられたボンドを除去すると上側の折れこんだボルトにはポンチの跡が残っており…
と、いうことは折れ込んだボルトを抜こうとしたという事。
ポンチの位置はセンターから全然ズレてるけどね…


ここまでやって続きをやらなかった事には疑問が残るけど…(ちなみにこの後その理由も判明する…笑)

とりあえずポンチ打ち直して下穴開けてまずはエキストラクターで挑戦…






すると上はすんなり抜けました…



そのまま下側のボルトにかかると、お気に入りの月光ドリルでも下穴が一向に開かない…

アレ?おかしいな…と思い表面をよく調べてみると、まさかの折れたエキストラクター?もしくはドリルが内部で折れ込んでる…





そりゃ穴も開かないはずだわ…

恐らく…
何らかの理由でスタッドが折れ、それを修理する為にターボ、エキマニを外して折れ込んだスタッドボルトの抜き取りにチャレンジするもエキストラクターもしくはドリルがスタッド内部で折れ込んでしまった為に諦めて破茶滅茶な組み方で戻してボンドを大量に塗りたくって誤魔化した…というとこでしょう。

ていうか折れ込ませたスタッドの中に更に余計なモンを折れ込ませてんじゃねぇよ…笑


どちらにしてもエキストラクターでの抜き取りが不可能なのでTIGでボルトに肉盛りして抜きとる事に…

肉盛りして…



適当なボルトを溶接して…



カジらないようにグリグリ慎重に抜き取り…



無事に摘出…






タップを立てて…



どちらのネジ山も問題なしでとりあえずひと安心…




他のスタッドボルトも全交換…



エキマニは当然と言えば当然なんですが歪んでおりました…





本当はエキマニも換えたいところですが、今回は依頼主さんの意向もあって歪みを可能な限り修正して再利用していきます…
鋳物なんであんまりプレスし過ぎちゃうと割れちゃうので注意が必要ですが…


当然ガスケットは新品に交換して…





組み付け…





冷却水も交換して修理も完了です…





今回はこんな低レベルな整備を目の当たりにしてあまりにも腹が立ってしまったので記事にしてみました…

この車両DPF付きだし、一歩間違えば車両火災になる可能性だって十分あった訳です…


お客さんはこんな低品質な整備がされているとも知らずにお金を払っている訳で…
逆に言うとお金払って車を壊されてるんです…

今までどこに修理を出していたのかはお客さんが1番分かっている事だと思いますので、今回の車の状態はありのままを説明させて頂きました。
初めはこの修理を行った所にクレームで持って行こうか…という話も出たのですが、こんな作業をする所がまともな修理が出来るとは思えませんからね…


理由はどうあれボルトを折ってしまった事は仕方ないとしてその時点でお客さんに説明して時間を貰ってでもキチンと修理するべきで…
ボルトの折れ込みなんてこの仕事では日常茶飯事なんだから説明するだけなんですよ…
お客さんに怒られようが何だろうが折れちゃったもんはしょうがないし謝るしかないんだから。

ただそれだけの話なのに自分のミスを隠そうとしてこんなクソ整備をしてる事に腹が立つ…


以上、低品質な整備事例でした…


あ、それからやっとアベちゃんマスク届いた…!!

しかも会社に…笑












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最近の作業…34

2020-05-25 22:22:00 | 整備
緊急事態宣言も多くの地域で解除されましたが…


ウチにはまだアベノマスクは届いておりません…


最近ではマスクの供給もだいぶ追いついてきているのか私の住んでいる地域ではそこそこ普通に買えるようになってきています…


なので…

今更…マスク要る⁇
しかも2枚だけとか…笑

ほとんどの方は使わずに放置されるような気がします…






今年のゴールデンウィークは1日だけ休みがありましたが、過剰自粛ムードの中どこにも行けないので朝から家で子供とゴロゴロして夕方にスーパーにちょっと買出しに行く程度で、それ以外は何もせずダラダラと過ごしました…
今年に入ってからは休み無しで仕事してきたので、まあそんな日もたまにはいいでしょう…笑


これは休み前の作業で…

SCR触媒交換で入庫したプロフィア …
差圧過剰のコードを検出しており、もう排気音からして明らかにおかしかったんですがNOxセンサーの取付ボスから中を覗き込むとスリップ触媒が割れているのが確認出来ました…



で、SCR触媒を交換するために取り外すと…

おぉ…



しかも飛び出してる…



更に取り外すと…
溶損ではなく破損…









この白い塊は尿素水がマフラー内で化学変化を起こす事で生成されるシアヌル酸という物質で、これは尿素水に含まれるトリウレットという不純物が原因です…

よく勘違いしている方がいますがこのシアヌル酸は尿素水がこぼれた時に出来る結晶とは全くの別物です。

この破損の原理も調べていくと生成されたシアヌル酸によって起きている可能性が高い事も分かり…
色々な分野のプロフェッショナルな方々に話を聞くと面白い程に点と点が線で繋がってきます…
その情報を整備の現場にフィードバックしたメンテナンスを行い…
その経過や結果を見ながらより効果の高い予防整備方法を模索、確立している段階です…

まあもちろん全てが想定通りの結果になる事は稀ですし、その過程でまた新たな別の問題が発覚する事も多々あります。

まあ、こんな事言うのもおかしいですが、だからこそ追求のし甲斐があるんですけどね…
簡単に直ったらなんの経験にもならないですから。

エンジンオイルもそう…
鉱物からフルシンセティックに変えた事で一部のエンジンでは別の問題も発生しています…
これは今色々と対策を実験、検証中なのでその結果を楽しみにしています。




で、新品を組み付けてデータをリセットして完了。







お次はマフラーカバーのステーが腐食で脱落したプロフィア の修理。







正攻法でいけばDPRユニットASSYでの交換になるんでしょうが、この年式にその修理代は割に合わないのでステーを製作してカバーを取り付ける事に…


適当なステーを製作。


仮付けしてボルト穴の位置を合わせながら…


位置が決まったら本溶接…



裏側にナットも溶接して…




カバーは取り付け穴が4箇所ありこのカバーの取り付け穴とナットの位置合わせが地味に大変です……

で、気休めの耐熱塗装を施し…



新品のカバーを取り付け…





完了です…




それからフォワードのDPFリビルトの依頼…
単品での持ち込みです。


内部はアッシュに加え軽油の混入も見られたのでこのDPFを搭載していた車両はインジェクターの交換も早めに行った方がいいですね。







分解して洗浄して組み付けて補修塗装まで行い完了…





更に車検で入庫したトラクタとトレーラのセット。


トラクタの方はベローズが危険領域なので交換…











問題はトレーラ…
車両引取り回送時にトレーラーABSのチェックランプが点灯しており…



WABCOのバリオCという古いシステムなんですが、自己診断をかけると…




コンピュータ異常のコード…
消去不可能で検出し続けるので恐らく本当にダメでしょう…

どちらにしてもこのままでは車検NGなので車検と平行して修理をする事に。

といっても、バリオCのコンピュータなんてもうとっくの昔に廃盤になっているのでまだ供給のあるVCS2にシステムごと載せ換え…
PCVやホイールセンサは再利用が可能なのでコンピュータとそれに関係する配線を引き直していきます…





まずは古いコンピュータを撤去して新しいコンピュータの位置決めから…






ここから配線を接続して各センサやアクチュエータ、電源、診断用コネクタを振り分けていくんですが…


とにかく配線が長い…笑








組んず解れつの配線を各所に無理な無いように這わせていきます…



外部診断用のコネクタも新設する必要があります…


現車がタンクローリーなのでタンクやフレーム、サイドバンパー、更にはアウトリガまでもがアルミ…


溶接で取り付け可能な場所が無いので既存の穴を利用して共締めで取り付け。





電源コネクタも当然交換です。



更にcautionラベルも…



で、試運転にて無事にチェックランプが消灯する事を確認して後は車検持込へ…





壊れたコンピュータを開けてみると見事に湿気にやられておりました。









それから少し時間が空いたのでACマシーンの使い方に慣れるためにも自社の足車のエアコン配管のフラッシングをする事に…

3万で買ってきたタントちゃん…



まずはガスを回収してパイプを切り離しフラッシングキットを接続します。


で、標準的な設定で内部フラッシングを開始…
この間は当然自動なので放ったらかしも可能です。


サイトグラスを流れるオイルや不純物を見ながら…



フラッシングも完了…


後は通常の真空引きからガスチャージを行います…



ついでにエアコンの効率をアップする添加剤を注入…


コレ、実際にデモを見せてもらい思ったのはコンプレッサーのフリクションロスは間違いなく減るでしょうね…



で、作業完了…



ビフォーを撮り忘れましたがバッチリ冷えているのでオッケーに。





DPFのチェックランプが点灯するという事で入庫したプロフィア…



洗浄前の差圧はご覧の通り…



DPFを洗浄後の差圧測定は劇的に改善しました…



なにせ大量のアッシュが取れましたからね…





最近面白いのはDPFから出てきたアッシュの状態を見て使用しているエンジンオイルの銘柄がなんとなく分かるようになってきたこと…笑

もちろん全部が全部分かる訳ではありませんがある特定の銘柄のエンジンオイルは出てくるアッシュにも特徴がある事が分かりました…

これは非常に興味深い。


しかし調べれば調べるほどエンジンオイルって奥が深いですねぇ…




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