メカニック日記

メカニックです。仕事ネタから感じた事思った事など気まぐれに更新していきます…

最近の作業…43。

2021-11-01 23:18:00 | 整備
急に寒くなったと思ったら昼間は汗ばむ気温だったりと体調管理に気を使う季節になりました…

メカニックが1人増えた事で処理台数が格段に増えたんですが、1人増えるだけでここまで効率が上がるとは想像もしていませんでした。
設備による効率化も重要ですが適正人員によって効率を上げる事も凄い重要だな…と今更ながらに感じました。


まずは車検で入庫のギガ…


入庫してきた段階でなんか甘ーい香りがするので調べると…

ラジエーターご臨終の為交換。






車検のトレーラー。
シューの残量が少なめなので交換。
返却したコアが再使用不可との事でコア代がかかった事以外は特に問題もありませんでした…
しかしコア代は高い…



クラッチオーバーホールのFP54スーパーグレート。


ミッション降ろすとフライホイールにクラック有りで要交換。






問題はフライホイールがメーカー欠品納期未定との事ですったもんだしましたが中古良品が手配出来たので事なきを得ました。



再生が終わらないというエルフ。
履歴ではタイムアウトエラーが入っていましたが…
とりあえずデータ注視しながら強制再生をかけるも温度がイマイチ上がらず、差圧も怪しさ満点。


排気シャッターをコチョコチョすると…


排気温度も600℃オーバーでもしかして…と、甘い期待を持ちましたが…

フィルター前の排気温度が5℃に…笑
どうやらトドメを刺してしまったようです…



こうなればキチンと引導を渡してあげなければなりません…
という事でDPFの洗浄。


案の定、取り外したDPFは酸化触媒が押されて温度センサーが折れていました…
こうなると差圧の測定口も埋もれているので正確な差圧は測れません…



酸化触媒をプレスで押し戻し、その後にフィルターと共に洗浄。


洗浄後の触媒位置…


一度ズレた触媒はズレ癖⁉︎と言うのかフィッティングが悪くなる為、そういう癖がついちゃいます…
ここで本来ならズレ止めの加工を施そうと思うのが普通なんですが…
個人的にはここはユーザーさんを見極める必要があると思っています。

何が言いたいかというと…
DPFにある程度知識や関心のある運送会社さんやユーザーさんなら迷わずズレ止めの加工をするんですが、個人で乗られているユーザーさんはいまだにDPFに無関心なユーザーさんも少なくありません…
そういうユーザーさんにズレ止め加工を施してエンジンが止まるまで乗り続けられるよりは、触媒がまたズレて再生不良のチェックランプでも点いてくれた方が早めに気付いてくれるので結果的に修理費用は抑えられると思うんですよねぇ…

まあそんな考えもあり、今回はズレ止め加工は施さず組み付け。


折れた温度センサは新品交換です…


車両に組み付け乾燥後に強制再生。
温度や差圧も適正になり完了。
今後はインジェクターもメンテした方が良さそうですが…




お次はギガのDPF洗浄…
これも診断の時点で差圧がおかしな数字だったので予測はしてましたが…
降ろして…


フィルターを分解するとドスコイ状態。



こちらも煤抜けは無いのでプレスで適正位置まで押し戻して洗浄工程に入ります…

で、洗浄が終わったら今回はズレ止め加工します…笑
ウチで管理している車両なので経過は見れるので。

ズレ止めのプレートを溶接。




せっせと組み付け…







車両にドッキング。


その後温度や差圧を点検して問題ない事を確認して完了…




それから年に数台は入庫するデッキ張替えのお仕事…


当初は部分的な張替えを検討していたのですが、床板のサイズ加工業者さんが廃業の為、既製品サイズになるとの事で仕方なく面での張替えに変更しました。


この仕事をすると腰がおじいちゃんになります…



ただ、面で張り替えた方が見た目やお客様の満足度、更には自分達の達成感は確実に上がりますね…笑




クラッチの摩耗限度の警告が点いたクオン…


ミッションを降ろし…


エスコットなので降ろすのに冷却水を抜かなきゃいけない事以外は比較的に楽です…
4軸の為、逃げスペースが…
2柱リフトがあればなぁ…とつくづく思います。
頑張って働いて新工場を建てるのが当面の目標です。




降ろしたクラッチはズル剥けの一歩手前…


クラッチシリンダーも交換します


新品クラッチカバーに…


ディスク…


クラッチシリンダーも新品。
エスコットは社外品が無いので純正オンリーとなり、部品代は高額です…



エスコットなのでクラッチ組み付けてミッションも載せたら各部のキャリブレーションが必要です…
コレを行わないとそもそも走れません。


ストロークセンサや…


ギヤインなどのシフトコントロールに…





最後にクラッチのエンゲージポイントのキャリブレーションなどを行い…


今まで現在故障として残っていた残量警告が過去である事を確認して消去。


エラーコードがない事も確認して完了です…




それから仕事とは全く関係ありませんが…
最近釣りを始めました…
独立して会社を設立してからもうすぐ3年になりますが、人間ってこんなに働けるんだ⁉︎という程休まず仕事をしてきました…
働き方改革が騒がれる中、大好きな整備の仕事がこれでもかというくらい出来るのは個人的には嬉しい事なんですが、流石に周りに心配されたり、子供と遊ぶ時間が会社員時代と比べると圧倒的に減りました…

そんな事もあり何か理由を付けてでも休まないとなぁ…とは考えていたんです。
そのタイミングで従業員や取引先の担当さんに釣り好きがいた事もあり、話の流れで釣りに行く事になりました。

海釣りデビューが船釣り…




たくさん釣れました。


初めて行った海釣りでどハマりしてしまい、早くも第二回の釣行に…




海上釣堀ですが、これがなかなか奥が深い…


釣った魚が食べられるというのも釣りの醍醐味…



これからも定期的に釣りは行こうと思います…
そうなってくるとマイ釣り道具が欲しくなってくる…笑

でも楽しい趣味が出来ました。






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最近の作業…42

2021-10-02 11:03:00 | 整備
9月に入ったと思えば気づいたらもう既に10月…
仕事に追われ、ブログの更新が滞っておりました…
インスタは簡単に投稿出来るため、ちょこちょこ更新してますが、ブログとなると文面や写真の編集などどうしても手間がかかるので更新頻度が落ちます…笑



近況としては9月から新しいメカニックも入社して今まで以上に現場の作業効率は上がりました…
が、人が増えればそれに準じて効率化のための設備投資もそれなりに必要になってきます…

という事で主に車検の効率を上げる設備をメインに今までホイールドーリーは1機しかなかったので新たに1機追加…




ウチは昇降は足踏みペダル式派です…
細かい事だけどこれだけでも効率上がります。





他にもグリスパッカーを導入。






これで手詰めから解放されます…笑
(今まで手詰めだったのか?という話。)

アウター、インナー共に早く確実にグリスの詰め替えが終わります。

設備を導入するだけが効率化ではありません…
車検での使用頻度が高い工具を選定、整理整頓して1箇所に集約。
キャスターも付けて自由に移動出来る様にしてあります。




この他にも写真はありませんが細かいSSTなども買いました。
まだまだ色々と導入したい設備は多いですが、いかんせん工場が狭いのが悩みどころ。


9月は車検が多く、それに加えて一般修理も相変わらず多いです…
メカニックが増えた事もありそれに準じて今まで断らざるを得なかった仕事を受け入れ可能になった事と、ありがたい事に8月から新規のお客様が3社増えました。

今後はお客様が増えても仕事の質を落とさないような体制造りが非常に重要になってきます…

まずは車検整備。

クオンの車検…


タンクトレーラーの車検…


4軸の車検…


増トンレンジャーの車検…


低床16輪トレーラーの車検…



他にも写真撮る余裕はありませんでしたが何台か車検がありました…

それに加えて一般修理も…


こちらはシリンダーヘッドO/Hのデュトロ…


インジェクションポンプ交換のV8プロフィア…






クラッチO/Hのレンジャー…




尿素水センサ交換のギガ…








ターボ交換のプロフィア…





車検で入庫したスーパーグレート…
ハブ摩耗の為、交換。


交換の為にハブを取り外そうとすると…
最近他社でスタッドボルトが換えられている形跡がありました…


が、裏ナットがカシメてないんですよね。
こんな状態で万が一ハブ脱落事故があった場合、整備ミスを指摘されますよ…


当のハブは段付き摩耗が酷い。




新品に交換。


当たり前ですがキチンとカシメます…


これで安心して車両を送り出せる…



それからここ最近悩まされていた増トンレンジャー。
エンジン不調なんですが、症状が出たり出なかったりでデータを見ながら気になるところを1つづつ潰していきますが、どうにもパッとしない…
















アレコレ試しながらようやく光が見えてきました…笑
お客様にはお時間を取らせてしまいましたが、治りそうで良かったです…


ブレーキ踏むとエアが漏れるというスーパーグレート。
サービスチャンバーのホースが破裂しておりました…


これ、6月に他社で車検やった車です…
ちなみに先に書いたハブボルトのロックがされていない車両と同じ業者です…


反対側はこんな感じ。
なんの為の車検ですか⁇

その時受かれば良いという感覚なのか単に確認していないだけなのか…
どちらにしてもトラックをこんな整備するようでは危なくてしょうがない。

亀裂が入っているホースは全て交換。





チェックランプ点灯のプロフィア…
安定のEGR故障…




新品に交換して…


テストして完了。



最後は夜の巡回整備…笑
パワーゲートが動かなくなったコンドル。


ユニットに電源入らず、基本的な所から調べましたが…










あちこち調べるも原因はハッキリせず…


万策尽きてメインスイッチを調べたら…

スイッチオンでランプ点くのにユニットには電気が流れていないという想定外の原因でした…笑


つまり、スイッチ不良でした。


とりあえず部品来るまで応急で使えるように処理。



皆さん、ランプ光ってるからといってスイッチを信用しないで下さいねー笑





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最近の作業…41

2021-08-08 10:22:00 | 整備
最近の作業…

まずは車検のトレーラ。


残量だけ見れば車検には受かりますがカムの立ち具合からシューを交換。


他にもリーフの端が欠損…
下廻り検査では気付かず、グリスアップする段階で気付いた…




リーフの交換…
部品があったから良かったけど、下廻り検査の段階で気付くべきでした。




ウェアパッド部にはモリブデングリスをタップリと塗っておきます…


足廻り組み付けて完了。



こちらはプロフィアの車検。




リヤのブレーキの残量が少ない為に交換。


その他は特に問題なく終了…


こちらは遠方より入庫して頂いたクオンの車検…






数ヶ月前にインジェクターを交換したクオンです…
エンジン廻りはベルト類を交換…


車検の少し前に水漏れトラブルで交換したM/Tオイルクーラーに接続される冷却水ホース…


その時は一本しか間に合わず、漏れていない方はノータッチだった残りのホースも車検のタイミングで予防交換。


更に劣化の見られたラジエーターホースも予防で交換。


他にもドライヤーや燃料エレメント類は問答無用で交換…
この辺りは定期的にメンテナンスしておく事が重要になってきます。
整備も終わり車検を受けて完了。



レリーズ焼き付きで走行不能となりレッカー入庫したレンジャー…


クラッチのO/H…




焼き付いたレリーズベアリング。


ハブのグリス孔はちゃんとキレイにしときましょう…


クラッチO/Hで完了。




出先で走行不能になったクオン…
とりあえずレッカーでお客様の車庫まで回送したあと、出張で点検しに行くとエンジンはかかるけどエアーが全く溜まらず…
コンプレッサーのチャージパイプ緩めて確認するもエアが出てこない…
という事でコンプレッサーに何かしらの不具合が起きているのは間違いなさそう。
現地でコンプレッサーを交換しようかとも考えましたが、色々と不安要素が多かったので工場まで回送する事に。
エンジンはかかるのでサービスカーに積んであるコンプレッサーから車両側エアタンクにエアを供給してエアーをあまり使わないように何とか工場まで回送してきました。

お客様の車庫からウチの工場まで数キロでしたがその間に3回ほど路上でエアチャージ…
周りの車からは何やってんだコイツら…と思われたでしょうね。笑

で、何とか工場まで回送してきて早速作業開始…




取り外したコンプレッサーを見てゾッとした…


ギヤを固定するナットが緩んでる…
キーも何もないテーパー嵌合なのでナットが緩んでギヤが空回りしていたようです。



にしてもナットが落ちなくて良かったですね…
落ちていたら間違いなくエンジンブローに繋がっていたでしょう…


原因は恐らく前の所有者時代に行った修理の可能性が高いという結論に。


今回はお客様の意向もあり中古のコンプレッサーで対応。
新品はバカみたいに高いですからね…


水廻りのホースも同時に交換。


無事にエアも汲むようになりました…


エスコットのクラッチ系の過去エラーが残っていたので消去とエスコットの作動やクラッチのテスト、残量確認を行い問題ない事を確認して完了。















DPF洗浄&SCR触媒交換で入庫したプロフィア …
まずはDPF降しーの…


SCR触媒降しーの…


新品SCRに洗浄済みのDPFを組み付けて…


ドッキング。


テールパイプのフランジ面が歪みで排気漏れを起こしていました。
にしてもすごい歪み…
これは取り外す前の画像ですが…


組み付けまでに部品が間に合わないのでアルミテープでシールして完了。




スーパーグレートの車検でシートベルト警告灯が点かない事に持ち込む直前で気付き急いで修理。
まあシートベルト警告が点かないケースのほとんどがバックルのスイッチ不良ですね…
内部で断線しておりました。


部品を待ってる余裕が無いので修理。
根本で断線しているので基盤にハンダで直付け…


無事にシートベルト警告も点灯&消灯するようになり完了。

せっかく修理したのに陸運局の検査官は見ませんでしたとさ…笑


ウィングが動かないという事で出張で点検…


とりあえず現状の確認をすると…
主電源は入り、スイッチ押すとマグネットも作動している音がちゃんとしていたのでマグネットスイッチまでモーター電源が来てるか確認すると来ていない…


という事で線を辿っていくとバッテリー裏で外れてプラプラしておりました…笑
バッテリー交換時には外す必要はないので、何かのタイミングで外したのに付け忘れた可能性が高いですね…
接続して…


マグネットスイッチ手前までちゃんと電気が来ている事を確認。


ウィングも動くようになりこちらも完了。




EXDギガのDPF洗浄…


手動再生要求が1日に何度もあるとの事で作業です…


個人的にはいすゞのこのタイプはDPF単体で脱着するよりユニットごと降ろしてからDPFとSCRを分離する方法のほうが圧倒的に早いと思います…
なにせ日野車と違ってあちこち遮熱カバーで覆われていますから…


温度センサ、NOxセンサ、EXパイプのフランジ、尿素水インジェクター、差圧センサのホースを取り外せば、あとは取り付けボルト4箇所を外せば降りてきます。
正味15分もあればユニットは降りるんじゃないかな…


全体を覆うように取り付けられた遮熱板を取り外して…


DPFとSCRを分離…


DPFの酸化触媒入口…
半分以上閉塞しちゃってます…


当然、触媒入口が閉塞しちゃうと再生温度上昇の妨げになるので何一ついい事はありません。

ECUは自動若しくは手動で燃焼させようとする→触媒入口が詰まっているため温度が適正温度まで上がらない→結果的に再生も正常に終わらない→あまり差圧が改善されない→そのためすぐにまた再生要求をかける→再生してもやっぱり焼けない…
といった悪循環になり、頻繁に再生要求される訳ですが、こうなったら潔く洗浄しましょう…


こちらも洗浄済みのフィルターに交換して…


SCRをドッキングして遮熱カバーの取り付け…



この遮熱カバーの取り付けが地味に時間かかる…
全体のカバー同士がどこかしらで共締めだし、ステーを取り外してるのでボルト穴は全体的にズレてくるし…


なんでこんな造りにしたんでしょうね。



組み付けたらユニットで車両にドッキング。




あとは強制再生して温度がキチンと上がる事と差圧の確認。
データのリセットも行い完了。


ウチでは珍しい外車ルポの車検。


チャージランプが点灯しておりオルタネータの発電量が9Vとご臨終のため交換。


リビルトオルタネータ…

にしてもオルタネータのB端子剥き出しってどうなんでしょう…




他にもABSのチェックランプも点灯していたのでオルタネータ交換後に点検。
外車に強いiSCANe…


ウチではあまり活躍しませんが、たまに入ってくる外車や近くの整備工場さんから依頼の外車の診断時には役に立ちます…笑



ABSアクチュエーターのエラー。


一度リセットするとその後は拾わないのでオルタネータ不良からの流れ弾だった可能性はありますね…


とりあえず様子見です。



車検を終えて納車した次の日に事故で再入庫したエルフ…
信号待ちで停車中に後ろから追突されたようで、テールランプ含めナンバープレートや、パワーゲートのセーフティバーまで曲がっちゃってます。


停車中の追突という事でこちらの過失割合は0ですが、昨日送り出したばっかりの車がこんなカタチで戻ってくるのは複雑ですね…笑
車検でテールレンズも換えたばっかりなのにもう既に割れてるし…笑
こちらも見積りと作業を進めます…



それから8月は決算月…
現場仕事に加え事務仕事、税理士との打合せなどなど忙しくなりそう…




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最近の作業…40

2021-07-16 08:57:00 | 整備
まずはEXD77ギガ…

燃料系のトラブルでインジェクター、サプライポンプ、コモンレールの交換…
6UZは補機の取り外しが多い…


まずはインジェクター交換からの…


サプライポンプの交換…


取り外したサプライポンプ。

カップリングの付け替え…


タイミングを合わせて取り付け。


インジェクションパイプやコモンレールも交換。




その他の補機をどんどん取り付けていきます…




組み付け終わったらIDコードの書き換えをしてエンジン始動…

各部に漏れがないことを確認して完了。


お次はFNプロフィアがチェックランプが点灯したという事で出張で点検…


尿素水インジェクターの故障でした…


翌日、部品を持って出張で交換して完了。



オイル漏れ修理のクオン…


オイルパンからの漏れが酷く修理…




セパレータも漏れ始めていたので同時に交換。






エアコン効き不良のギガ…
ガスが全く入っておらず、配管からガス漏れを起こしていました。
ギガのこのパイプってよく漏れますね…




配管とエバポレータの交換。
ギガのエバポは簡単で助かります…


後はA/Cマシンを繋いでガスチャージ。




効きもバッチリ直りました。


DPF洗浄でお預かりしたプロフィア…
フィルター取り外すとパイプ内がシアヌル酸で閉塞しかけておりました…


原因は尿素水インジェクター噴射口からのリーク…


意図しないタイミングで尿素水が少しずつ漏れ出した結果、内部で固まってしまうという状態…

幸いにもパイプ内だけで収まっていたので可能な限り取り除いて尿素水インジェクターも追加で交換する事になりました。

取り除いたシアヌル酸の塊り…


今回はたまたまDPFの洗浄タイミングで気が付いたから良かったものの、この内部リーク症状の怖いのはチェックランプが点く頃にはSCR触媒が使えない状態になっている可能性も少なくないという事…




再生要求頻度が多いというクオンのDPF洗浄…




DPFを取り外して洗浄…
コレも色々な車両のDPFを洗浄しているとメーカー特有の特色が見えてきます…
今国内のセラミックフィルターの材質にはコーディエライトと炭化ケイ素の2種類が主流ですが、洗っていても素材は同じコーディエライトのフィルターで外見は同じセルサイズでも内部の目の細かさが車両メーカーによって全然違う事が分かります…




洗浄後に取り付けて完成…


洗浄前に最大で10kPa近くあった差圧は…


1kPa付近まで下がりました…


これでお客様に通常の使用をしてもらい再生頻度がどのような頻度で推移していくのか見てもらいます。



走行中オーバーヒート気味になるレンジャーのラジエーター交換2台。
こちらはインタークーラーから漏れたオイルがラジエーターに付着して冷却効率が低下したパターン。


本来ならインタークーラーも換えたいところですが代替予定の為、洗浄で対応。



で、もう一台のレンジャーはフィンの詰まりで冷却効率が低下したパターン。





更にA/Cコンプレッサー不良のレンジャー…
交換のタイミングで内部のフラッシングも同時に作業。








最近ブログの更新が遅れていましたが…
こんな感じでバタバタしています…



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最近の作業…39

2021-05-27 09:29:00 | 整備
まずは2PG系のプロフィアA09CのEGRクーラーの交換作業…
2PG系A09のEGRクーラー初めて作業しましたが少々面倒くさい造りになっちゃいましたね…


インテークパイプやサーモケース外さないとEGRクーラー外れてきません…


クーラー内部でパンクして冷却水が減る事例で内部にはクーラント漏れた跡がクッキリあります…




新品のEGRクーラーを組み付けて冷却水も交換して完了。







お次はこちらも2PG系レンジャーのターボ&エンジンハーネス交換作業。
現行モデルになってからというもの、この手のチェックランプが点くと音声やアラームがうるさいのなんの…



これがツインターボだったらスケジュール的に厳しかったけど、シングルターボで一安心…笑

指の関節がもう一個あればと思う箇所もありましたがそれ以外はさほど苦労する事もありませんでした。










今回はエンジンハーネスも交換。
ターボかハーネスのどちらかが原因でコントローラを壊しちゃう事例のようです…


ターボ、ハーネス、コントローラを交換して故障コード消去&テストして完了。










洗浄でお預かりしたプロフィアのDPF…
案の定スタッドボルトは折れ込みフランジは腐食して使い物にならないので修理するんですが…


工具当てて少し緩めようとする段階で嫌な予感はプンプンしてましたが、案の定センサーがポッキリと折れました…
酸素で炙っても折れる時は折れます…


場所にもよりますがDPFの温度センサーが折れ込んだ場合、熱害の影響でエキストラクターでは抜けないレベルの固着がほとんどです…
そんな場合はドリルでギリギリまで削り…




残ったネジ山部分だけをクルクル抜き取ります。


あとはタップをたてて完了。


洗浄では大量のアッシュが…

洗浄&再生させて完了。



他にもチェックランプ点灯してエンジンが吹けないというレンジャー。
故障コードはサプライポンプの電磁弁…


SCVかな?と思ったけど、データ見ると電流目標値が0なので…
SCV単体の抵抗値測定すると約8Ωで正常。


ここから先は見事に写真撮り忘れたけど…結果、エンジンハーネスが途中で擦れて断線してました…
切り繋いでチェックランプも消え修理完了。
根本原因はハーネスクランプのツメが折れ、エンジンの振動でハーネスが擦れる事例。
よくハーネスのクランプ付け忘れてたり、ツメが馬鹿になってる車両見かけますが地味だけど重要な部分ですね…




車検&エアコン不調のコンドル。
エアコンが効いたり効かなかったりという事で預かった時には症状は確認出来ず…
とりあえずコンデンサーモーター古そうなのでモーター交換して一旦納車…


結果、症状がまだ出るという事で再度お預かり…
今回は電源来てるのにコンプレッサー回ってない事を確認出来たのでコンプレッサーとレシーバーも交換。
二度手間になりご迷惑をおかけしました…


リビルトコンプレッサー。


届いたリビルトコンプレッサー、コネクターのロック忘れてます…
確認不足ですね。


キチンとロックするとこうなります。


配管内のリフレッシュとガスチャージして完了。

どうでもいいけど、ウチのA/CマシーンもDST仕様になって頂きました。笑




車検のデュトロ。
1年間ほとんど使用していないという事でキャリパーのスライドピンが固着。
キャリパー共にオーバーホール…


あまり使わないからとメンテがいらないと勘違いしてる方も多いですが、使わない車には使わない車なりのメンテナンスが必要です…




他にもスタビリンカー持ち込みでブッシュ交換依頼のギガ。
半割れのタイプなので圧縮した状態からの圧入なのでSSTが必要です…
今回のも含め今まではφ65のブッシュだったんですが、ある年式からφ70っていうブッシュサイズになってます…
そのたった5mmの差のせいで同タイプのSSTがもう一個必要になります。
こういう仕様変更は嫌がらせですかね…笑


ガイド入れて…


プレスで圧入。




完成。


あとは引き取り待ちです…



最後は6Wでは定番のオイル漏れ修理…


タイミングギヤケース付近の漏れです。


コレね、間違いなくフランジシール剤が悪いと思いますよ…


パッキンも滲み始めているのでついでに交換します…








ケース側は幸いにも漏れていないのでノータッチ。




シールは問答無用で交換。




それ以降の写真ありませんでしたが、あとは水廻りも少し修理して完了です…




いつのまにか洗浄待ちのDPFがこんなに…
そろそろ溜まってきたDPFを洗って在庫しておかないと急なトラブルに対応出来なくなる…


しかしポスト新長期規制のレンジャーはチェックランプ点いてDPF降ろすと8割破損してますね…


TKG系のレンジャーはチェックランプ点いてからでは手遅れです。
破損する前に予防洗浄をお勧めします…





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クオン…インジェクター交換。その2

2021-05-06 20:51:00 | UD
前回の記事とは別のクオン…
ゴールデンウィーク前に立て続けに重なったエンジン不調の修理…

チェックランプが点灯してエンジンがバラついているという事で入庫。

エラーコードを見てみると現在故障で1番と3番の電流低下or断線のエラー、過去履歴には2番も同内容の履歴が残っています…



前回記事にしたクオンは初期診断こそしていませんが、同じ1、3番だったのでもしかしたらよくある事例なのかもしれませんね…
エラーコードを消去してもすぐに再入力されるような状態。
一度段取りを組むために出庫してもらう時にはチェックランプも消えていたりとランダムに症状が出ていました…

となるとハーネスも疑わしい訳でその辺りも含めて一度ハーネスだけ交換してみるか検討していましたが、インジェクターのエア噛みの症状も出始めている…という事だったので今回はインジェクターとハーネスの交換作業をする事に。


部品を手配して後日再入庫していただき作業を開始…
まずはインジェクター交換を先に済ませておきます…
ここは前回と同様の作業なのでサラっと。




前回も書きましたがロッカーシャフトASSYが重たいので1人でも安全&確実に脱着するために治具を考案中…(製作する時間があるかどうかは謎…)


純正SSTがあるようですがどうせ高いので値段すら聞いてません…


で、リビルトインジェクターを組み付け。





バルブクリアランスとプレリフトの調整時に各シリンダの上死点を出す必要がありますが、GH系のエンジンはクランキング用のサービスホールがクラッチハウジングの真下にあります…
つまり調整時には下に潜ってクランクシャフトを回しては今度は上に登ってカムシャフトの合マークを確認という作業を繰り返す訳ですが…
これが意外と面倒で時間かかるんです…
なので今後の事も考えてクランキングツールを購入しました。


調整も終わり残るはインジェクターハーネスの交換。
古いハーネスを取り外していきます…



問題のインジェクターハーネスは硬化してあちこちで被覆が破れておりました…






いつどこでショートしていてもおかしくない状態ですが…
故障コード自体はショートではなく断線系のコードだったので原因はハーネスなのかどうかはなんとも言えませんね…


で、このインジェクターハーネス…
元々はインジェクターハーネスだけの単品供給設定がなくエンジンハーネスごと交換が必要だったらしいのですが、あまりにトラブルが多いためか現在ではインジェクターハーネスのみの供給があります…

が、元々のエンジンハーネスの設計が一体物で作ってあり当然中継コネクターなど無いため、供給されるハーネスはECUの集中コネクターのピン部から差し換える必要があります…


まあこれは完全に設計当時のミスですね。
ハーネスのシリンダヘッド貫通部をコネクタ接続にしておけばよかっただけの話だし、この方式を採用するんだったらもう少し被覆の材質を考えるべきでしょうね。


各インジェクターとVCB駆動用のソレノイドに入るハーネスをコネクタから抜いて…


コルゲートから引き抜きますが、見事に全部同じ色なんですよね…
これではトラブルシューティング時も困るよなぁ。


で、新品のハーネスを無理のないように通します…




供給されるハーネスも見事に全部同じ色なので事前にどの配線を何番のピンに挿すか印を付けておきました。



各配線を挿してアースも接続したら…


ハーネスキットに含まれるカバー類を取り付けて完了。


ヘッドカバーやら補機類を取り付け。



エラーコードが無いことを確認して…


インジェクターのID書き換え。


エンジンを始動して各データを見ながら暖機。




インジェクターの補正値も良好。


ついでにDPFも強制再生…


温度やデータも特に気になる所も無さそう…


最後にもう一度エラーがないか確認して

最終の試運転も問題ナシ。
これで全ての作業が完了。


試運転時に感じた事…
LKG系も含め現行の2PG系もそうですが運転していて思うのは良い車なんですよね…
乗りやすいし、エンジンとエスコットとの相性も良いし…
故障やトラブルは別として運転手さんからの評判も酷評は聞きませんから…

つまり何が言いたいか…
ボルボトラックが親会社になってからのUDは徹底した情報制限で顧客囲い込みを計りましたが結果はどうでしょう?
あるデータを見れば一目瞭然で、日本国内で言えばそのマーケティングは上手くいっておらず、ブランド力は低下しています。
結局近年はボルボにとってもUDを傘下に収めておくメリットも無くなり、そんな時にちょうど業務提携の話をしていたいすゞに買収を持ちかけた訳です…

一度下がったブランド力を取り戻すのは簡単な事ではありませんが、少なくともベースとなる車両は決して悪い車ではないので、あとは売り方やアフターサービス次第で顧客の満足度や信頼は必ず上がると思うんですけどねぇ…

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クオン…インジェクター交換。その1

2021-05-04 21:42:00 | UD
遠方よりエンジン不調&再生要求頻度が多いという事で相談を受けていたCG5クオン…


事の発端は…
地方を走行中チェックランプが点灯して最寄りのディーラーに入庫…
No1とNo3のインジェクターが不良と診断され、その時はチェックランプだけ消してもらい帰庫し地元の整備工場に修理を依頼したところ、1番と3番のインジェクターだけ、しかも中古のインジェクター(廃車になった同型のエンジンから取り外したものらしい…)に交換したらしくそれ以降エンジンの調子が悪くなり更にDPFの堆積メーターの溜まりが早くなった…との事。


まあインジェクターの部分交換なんて今時のディーゼルエンジンにそんな作業をする整備工場がある事にもビックリですが…

それよりも中古のインジェクターって何⁇
そんなものあるの!?って感じ。

仮に中古があったとして…(絶対使わないけど…)
1番と3番だけ交換する!?
おまけにIDコードも登録していないらしいく…

そりゃ調子も悪くなるわな…

修理後も不調のため再度持ち込んだら今度はDPFやら燃料添加弁やらEGRバルブなどを交換されて戻ってきたがエンジン不調は直らず…

最終的に…圧縮が抜けている可能性があるのでエンジンを載せ替える必要があると説明されたらしいです…

さすがにおかしくない!?と言う事で相談を受けていました。

色々と話を聞いてると、圧縮が抜けているかもしれないという結論に行き着くだけのエビデンスは何も無いんですよね…


とりあえず近くに来るタイミングで会社に寄ってもらい診断する事に。


診断機を繋げてみるも現在エラーはナシ。



インジェクターのバランスを見てみると…


分かりやすくグラフにするとこんな感じ。

全体的なバランスも良くないのは見ての通り、中古インジェクターとやらを使ったとされる1番と3番はガッツリ増量補正が入ってる…笑


どうやら1番と3番には本当に中古が使われているようです…

とりあえず書き換えられていない1、3番のIDコードを正規のコードに書き換えて様子を見るも、結果はあまり改善はしませんでした。




という事で、とりあえずインジェクターを交換しないと次に進めない状況なので…

見積もりを出してインジェクターを交換する事になりました。


基本的に高精度な制御がされている昨今の多段噴射インジェクターは交換する場合、全数同時交換が基本です…

結局は全体のバランスの問題なので、部分的に交換すればバランスが崩れるのは想像に難くないですよね。

ユニットインジェクターはリビルトでも高額なので修理費用を抑えたい気持ちは分かりますが、全数換えておかないと後々別のトラブルを起こすだけです…


という事でインジェクターの交換…

交換作業自体は至ってシンプルで特に苦労する事もありませんが…






1番の難点はロッカーシャフトASSYが重たい事くらい…


取り外したインジェクター




で、インジェクターを取り付けて…






ロッカーシャフトを乗っけたら…


バルブクリアランスとプレリフトの調整。





後はカバーや取り外した補機を組み付けたら、完了。


IDコードを書き換えて、燃料系統のエア抜きを行い…



エラーコードが無いことを確認したら…


エンジンを始動して暖気&各データを点検していきます。





暖気も終わったらインジェクターのバランスを確認。
良好です…

交換前はこんな状態でしたから。




新車のデータとか見てても思うのは±10%くらいまでなら特に気にする必要もないのかな…なんて考えてますが、このあたりは今後色んな車両データを見て検証していく予定。


で、圧縮が抜けている可能性があると言われていたエンジンですが…

簡易診断として診断機から車上テストが可能なので実施してみると…結果は問題ナシ。


このテストは各シリンダのクランキングスピードやクランクケース内圧などの変化から各シリンダの圧縮状態を簡易的に診断する機能だと思いますが…
ここで数字がおかしかったら物理的にコンプレッションを測定して下さいね…という位置付けなのであくまでも参考値ではありますが…

仮にこのテストで明らかにおかしな数値が出ていれば圧縮が抜けている可能性もゼロではないと思いますが…

実際にはグラフの通り問題ナシ。


その上で現状エンジンのかかり具合やアイドリングでの振動や走行中のエンジンフィーリングも含めて個人的には圧縮が抜けてるとは到底思えません…

まあそういう診断をしたのには"何か"理由があるのかもしれませんがお客さんの事を考えたらもう少し慎重に診断するべきだと思うんですけどねぇ…

堆積メーターの溜まりが早いという症状に関しては…
とりあえずデータ上の堆積演算値をモニターしながら100km程試運転してデータ取り。
一度お客様に車を返し、業務に使ってもらいながら更にデータを取る予定です。

どこの数字をアテに演算してるのか、まだ確信が持てていない所もあるのでこればっかりは現車で変化を見ていくほかありません…

結果的に時間と労力を使っても何も分からない可能性も十分あり得ますが、結果はどうあれこういうプロセスから得られる情報は非常にためになるんですよね…



















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近況…

2021-04-29 21:56:00 | 整備
写真をあまり撮っていないので細かい作業ばかりになりますが…

車検で入庫したトレーラー。
下廻りはエア漏れや腐食が酷く色々なところを交換…
エアサスのベローズにリフトアクスル用のベローズ…


ショックアブソーバーの腐りとブッシュもヨレていたので交換。


更にスイングアームブラケットのフレーム側が腐食による穴あき…


溶接する部分だけ剥離…


プレートで補強&補修塗装
車検も受けて完了。




その他いすゞフォワードでアイドルボリュームスイッチが効かないという事で出張点検。
確かにボタンを押しても無反応…


データでステータスを確認しながら切り替えスイッチをパチパチ触ってみてもオート固定のまま…



スイッチを直結させると…


ステータスもマニュアルに変わり、スイッチでの調整も可能になりました…


という事で切り替えスイッチ不良の為、部品発注後、後日交換して完了。



それからトレーラーのインターロック機構の新規取り付け作業…
メタコン、キャブタイヤケーブル、リミットスイッチなどなど部品の手配に少々時間がかかりましたが…

トレーラー後部のドアが開いている状態ではエンジンがかからないようにする目的です…


運ぶ荷物が可燃性のガスなので万が一の安全対策として防爆仕様のリミットスイッチを使用。


新規で引いたドア開閉回路をエンジンスタート信号回路に割り込ませます…


ふそう車は配線図見るもどこに割り込ませようか悩む造りでした…
下手な所に入れると逆に危ないですからね…
後はリミットスイッチが壊れた時のフェイルセーフとして直結用の配線も作って動作確認をして完了。




エアコンが効いたり効かなかったりというアトレー。
調べた結果電動ファンモーター不良でした…

が、モーター単体の供給はナシでファンシュラウドassyとなり…


更に新品のシュラウドに切り込み加工が必要だったりと予想以上に手間がかかる…




コンデンサーも取り外している為、ガスチャージして完了。


それから最近買って個人的に大ヒットしているグラインダー。
キャンペーンという事で本体とカッティング用の刃もセットでかなりお買い得でした。


BOSCHのX-LOCKという機構のついたグラインダーなんですが…


ロック機構がワンタッチなので、刃の交換が秒で終わります…
替え刃の種類も豊富にあり、カット、サンディング、切削、研磨と…


コレ、一回使っちゃうと他のグラインダー使えなくなりますね…




それから去年の夏頃から補強を進めていた診断機…
診断専用で導入したSurfacePro7の2in1。


タブレット、ノートタイプと用途に応じて切り替えられるのが非常に使い勝手がいいです…





専用のペンも…

現場用なので専用のプロテクトカバーも…



サイズ感も現場や出張で使うにはちょうどいい…


で、新たに導入したケーブルやインターフェースの数々…



ずっとネックだったUD用の診断機も海外から導入しました。
海外とのやりとりという事で色々とすったもんだありましたが…
決して安くもないしそれぞれの診断機に毎年年間ライセンス料もかかるので元が取れるかと言われれば正直難しいでしょう…

コレ、経営的に考えれば本来NGなんでしょうけど、あくまで"回収"という意味ではですけどね…

私はそもそも診断機に関しては投資した分を回収しようなんて考えてないんですよね…笑

目先の損得で考えればそりゃ買わない方が絶対いいに決まってますから…

でも私が何より重要視してるのはその先にある経験…これに尽きます。

どんなに知識を備えようが経験出来なければその知識は単なる知識でしかありません…
知識と経験の両方があって初めて技術やノウハウとして蓄積していく事が可能になります。

もちろん、使うかどうか分からない物に何百万もかける事は出来ませんけどね…笑

まあUDさんに関しては電子制御に関する情報は無いに等しいのでとにかく現車に繋いで観察&考察していくしかありません…










色々な状況下でデータを見つつその状況が変わった時にデータがどう変化していくのか?

あーでもないこーでもないと考えながら色々試していく中でデータが予想通りの動きになると…

面白いんだなぁ…コレが。笑






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最近の作業…38

2021-03-28 14:44:00 | 整備
久しぶりの更新です…

まずはキャラバン…
車検をやって納車した次の日にチャージランプが点灯する…という事で再入庫。

納車した次の日という事で内心ヒヤヒヤしましたが…

結果的にダイナモのCIP不良で整備ミスでは無かったものの究極にタイミング悪いです…
誰の責任でもないとはいえ何となく微妙な空気にはなりますね…笑

とりあえずリンク品に交換。


1WAYクラッチご臨終。


お客さんも急いでいるのでASSY交換です。





それから2月は何故かターボ交換が多かった…

まずはプロフィアA09C…
LKG、QKG系のプロフィアはA09CもE13Cもターボ交換は楽なので助かります…笑




組み付けて完了。



他にもGK5クオンのGH11…
外部に目立った漏れは無いけどオイルが異常に減るという症状で色々と調べていた結果、PCVセパレータ不良による内圧上昇からのターボ側や吸気経路へのオイルリークという結論に。

お客さんに説明の上、まずはセパレータを交換して様子を見ますか?という話をしていたのですがターボも交換しちゃってくれ…との事で両方交換する事に。

まずはターボの交換から…
パイプの接続部がテーパー嵌合なので固着が酷いモノだと外す時に無理すると傷を付ける恐れがありますが、ひと手間かけてあげればすんなり外れます…


ホースやパイプの付け替え。




組み付けてターボは完了。





PCVセパレータの交換は地味にやり難いです…




このタイプのセパレータはエンジンオイルの油圧を利用してフィンを回し、ブローバイガス中の油分を遠心分離します…

が、当然の事ながら油圧駆動なのでオイルの劣化具合によりセパレータも機能低下します…
オイルジェットの穴径も小さいのでスラッジが貯まればそりゃそうなるわな…

赤い矢印がオイルジェットの穴で、ここにオイルポンプの油圧がかかり…

オイルジェットから噴射されたエンジンオイルの油圧によってフィンが回されます。


コレもエンジンオイルの管理が重要になってくる事例で…
個人的にはクリーンディーゼルエンジンでは鉱物油ベースのオイル使用はホント辞めたほうがいいと思います。
ダウンサイジング高過給圧エンジンになれば尚更で…

理由は明確でオイル自体の劣化が早く蒸発しやすいという事は言い換えればスラッジが溜まりやすくブローバイガス還元装置に流れるオイルミスト量も多くなるという事…
その結果、後にどうなるかは嫌と言うほど見てきています。



お次はMK37コンドルのヘッドオーバーホール&ターボ交換。
元々チェックランプが点いたという事で診断していた車両でそちらは毎度毎度のVNTアクチュエータのトラブル。
その時にお客さんに冷却水が減るからそれも見ておいて!と言われており、色々調べた結果ヘッドの可能性が高いという事での作業。

水圧テストに出す為、ヘッドの分解。






まあヘッド降ろした段階でシリンダーの中に水が溜まっており…


エンジン屋さんの水圧テストの結果1、3、4、5番のノズルチューブから漏れてました。
ほぼ全滅…

歪みは無かったのでノズルチューブの入替をしてもらい戻ってきたヘッド…


スタッドボルトを全数交換して…


バルブを組み付けていきます…








マニホールド類を組み付けたら…




ヘッドをドッキング。






ターボもVNT不良の為、交換。


組み付けて完了…





他にも坂道などを登る時だけ、たまにチェックランプが点灯するというEXD77ギガ…
一度エンジンを切ると正常復帰してその後の走行は問題ない…との事。

故障コードを確認するとレール圧低圧異常のコードが…


ポンプかな…
インジェクターかな…
はたまたセンサーかな…

なんて考えながら何気なく車を見ていると燃料タンクからのサクションホースが…


半分潰れてる…
ていうか原因コレの可能性大でしょ。


登坂時の燃料が沢山必要な時にサクションこれだけ絞られたらそりゃあ燃圧足らなくなるよ…


ポンプだ云々言う前にまずはここを直さないと話にならない…という事でホースのレイアウトを余裕のある取り回しに変更。




セジメンタも過去に換えられた形跡が無かったので燃料フィルターと合わせて交換。



結果、それ以降チェックランプが点く事は無くなったそうです…
という事で原因はホースの潰れでした。


他にもエンジンチェックランプが点灯したというFRプロフィア 。


この2PG系もトラブルが段々と多くなってきました…

故障コードはDPRの差圧過剰…


差圧も7.5kPaと高めなので強制再生をする事に…


再生は無事終わったんですが送気運転中に排気温度が700℃を超えだし…


ちょ待て待て待て待て!という感じ…

直ちに送気運転を辞めてアイドリング状態に戻すとゆっくりと温度が下がっていき一安心。





これ…
再生中のデータを見てて思うのは…
QKG系よりも再生中のメインインジェクターの噴射量が圧倒的に少なくなってるんですよね…

どういう事かと言うと、恐らく2PG系の排ガス規制になってから再生中メインインジェクターでのポスト噴射をあまり多用しなくなったという事…
その代わりに燃料添加弁、いわゆる排気管内噴射の稼働率を上げるようになったんだと思います…

が、しかし…

この選択は今後トラブル予備軍になる気しかしません…
だって燃料添加弁の噴射圧力ってコモンレールの圧に比べたら屁みたいなもんでしょ…⁉︎
そんな圧力で良好な燃焼が行えるとは思えないわけで…
結果的に不完全燃焼からの煤溜まりという構図が見えてきます。

今後要注意ですね…



次はエキマニスタッド折れで修理のレンジャー


折れてますね…


ついでにEGRクーラーも洗浄してとの事なのでEGRクーラーも取り外します。




中は安定のエライこっちゃ状態。




出口側…


こちらはEGR専用の特殊な洗浄液に浸けてグツグツ煮込みます…

その間に本題のスタッドボルトの交換…



全数新品に打ち替え…





で、合間を見ながらEGRクーラーをあーだこーだすると…

こんな感じになります…





コレも下手な溶剤を使用するとロクな結果を招きませんのでご注意を…
材質やコアの溶着方法が使用する溶剤によっては溶かしてしまう事もありますから…
いくらキレイになっても使えなくなっては何の意味もないですからね… 


で、取り付けて


こちらも完成。




それからここ最近悩まされていた車両…
マツダボンゴ…


元々エンジンから異音がするという事で入庫したんですが、音の種類からしてベルトかベアリングか…というようなヒュルヒュル音。
サウンドスコープをP/Sポンプに当てると一番音が大きかったのでP/Sポンプダメだな…という事で交換する手配をしていたんですが…

いざ、交換しようとベルトを取り外した時に確認の為エンジンをかけたんです…
本当にP/Sポンプかどうか確認するために。

ところがベルトかかってないのにエンジンかけたら同じヒュルヒュル音がするではありませんか…
その時点でやっちまった感がありましたが…

とりあえず依頼主さんに連絡してポンプじゃありませんでした…と伝え更に原因を探っていくわけですが…
そうなると次に怪しいのはタイミングベルトになり…
とりあえずタイベル付近をバラして点検…


半年前に別の整備工場で交換歴があるタイミングベルトでしたが、ベルトとテンショナープーリーを交換してみるも結果変わらず…

ベルトカバー開けた状態でエンジンかけてサウンドスコープで音の発生源を探っていくと、一番音がダイレクトなのはオイルポンプ付近になり…

オイルポンプを点検する為にオイルパンを取り外すと、クランクシャフトギヤとオイルポンプギヤの当たり面がガリガリ…




こちらはクランク側。





何らかの原因でギヤの当たりが悪くなり、クランクシャフト側のギヤにバリが出てそれがオイルポンプのアルミハウジングに擦れていた跡があったのでそれが異音の原因と推測。

ところがクランクシャフト側のギヤが単品での供給がなくクランクシャフトASSY…

そんなアホな…

またまた相談の結果クランクシャフト側のギヤは可能な限り修正してオイルポンプを換えてみる事に…


新品のオイルポンプassy


削れたオイルポンプ…



組み付けていざ、エンジン始動。






結果…





直らず…





マジか…
という事は異音の発生源はクランク側なのか?となり…
クランクシャフトassyの交換=エンジンオーバーホールとなります…


もう一度依頼主さんに相談…

結論、このまま乗るという事になりとりあえずバラしたところを元通りに組みなおして完了…

異音の原因は恐らくクランクシャフトのオイルポンプ駆動用ギヤ周辺だと思うのですが、真相は分からず…

パワステポンプの異音と診断して始まったこの修理…
結果的に原因も分からず終いで実に情けない話です…




それにしても3月の陸運局の混み具合はほんと嫌になってくる…


昼イチで持ち込んで会社に戻ってきたの17時って…

半日潰れてますからね…

貴重な時間をただただ並んで費やすというなんとも非効率的な…

勘弁してほしい…



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ギガ…ミッションO/H。

2021-02-07 22:51:00 | いすゞ
インスタでも少し触れましたが…

お客さんに『1月中には完成するよね⁉︎』と言われ『出来ません…』とは言えなかったEXD52ギガ…
(そもそも預かったのは1月上旬だったのに1月25まで手付かずで後回しにされていたので…)



4速変速時にギヤ鳴りがするという事で相談を受けていたんですが…

他のギヤはギヤ鳴りする事もなく4速だけ。
ダブルクラッチ操作で変速させるとギヤ鳴りせず…
という事は4速変速時に同期が上手くいっていないという事で、4速のシンクロ不良という結論に…

選択肢としてはリビルト載せ替え、中古載せ替え、オーバーホールという3択。

シンクロ不良程度でリビルトミッション載せ替えは高額で割に合わないし、中古は内部の程度が分からず当たりはずれがある上にそこまで安くもない…
結果的にシンクロと当該ギヤの交換程度であればオーバーホールのメリットは大きいという事で今回の選択になりました。


まずはミッションを降ろして縦置きに。




整備書通りの作業だと縦にしたり、横にしたりが面倒…というか大変なので補機も縦の状態で取り外し。

MJZ系のミッションは何度かO/Hした事ありますが、MJTは今回が初めて。
見た目は似てるけど中身は結構違うんですね…


PTO、アッパーコードラント、インターロック機構の取り外し。



フランジの取り外し…
ロックナットのサイズである63mmのソケットが当社になく工具屋を何件か探し回ったけどそんなサイズを在庫している店があるはずもなく出鼻を挫かれましたが、日頃から取引のある整備工場さんに借りる事が出来て事なきを得ました…笑
T自工さんありがとうございました!
その後ウチでもソケット買いました…笑

で、フランジの取り外し。


更にリヤカバーの取り外し。


カウンターシャフトリヤベアリングのインナーレース抜き取り。



リバースアイドルギヤ取り外し。


1速とリバースギヤを取り外して…


メインケースも取り外しますが…
このミッション…
何故かインプットとメインシャフトの接続部分にサークリップが入っていてメインシャフトが簡単には抜けてこないんです…

整備書だとこのメインケースを外す前にインプットシャフトを先に取り外してサークリップのロックを外す事になっているんですが、そんな面倒な事しなくても少し工夫すればメインシャフトは取り外せます。
だってインプットシャフトを先に外すとなるとそれこそ専用工具が必要になりますからね…


メイン、カウンター、シフトロッドを一体で抜き取り。







で、それぞれを分離させてメインシャフトを分解していきます。

画像だとちっちゃく見えますが、このメインシャフトASSY重くて天井クレーンじゃないと持ち上げられません…


適当なスタンドに立てて…




まずはベアリングの取り外し…
おNEWのベアリングプーラーがさっそく役に立つ。






2-3速ギヤを取り外したら…


ひっくり返して7速ギヤに4-5速ギヤの取り外し。


ウマの足にちょうど収まり安定した…笑


6-7速のクラッチハブを抜き取り…

4-5速はプレスで一気に抜き取り。


クソ重たいメインシャフトを落とさないように下で気合入れて支えながらプレス。



メインシャフト単体。


4速のシンクロナイザーとドッグギヤのチャンファー面は当然ガリガリに削れてしまっています…
ドッグギヤだけ交換出来ればいいんですが4速ギヤと溶接で一体化されているのでギヤASSYで交換する必要があります…





その相手のスリーブも当然ガリガリ…





5速のドッグギヤも削れてしまっていたのでこの際だから交換。



交換部品としては各ギヤのシンクロは全交換、4-5速のメインギヤとスリーブ、後は外したベアリングに細かいシール関係といったところ。

2-3速のシンクロ交換。
2-3速だけは摩擦力の強いデュアルコーン式。




4-5速はハブは再使用でシンクロナイザー、コーン、スリーブにプランジャー類は交換。




新品の5速ギヤ。
当たり前ですがチャンファー面はピン角


新品4速ギヤ。


クラッチハブは再使用でスリーブとシンクロナイザーを組み付け。



で、メインシャフトに4-5速組み付け…


更に7速と6-7速のクラッチハブも…
ひっくり返して2-3速も同じように組み付けてメインシャフトはとりあえず完了。


後はカウンターシャフトのベアリングだけ抜いておきます。
今回カウンターシャフトはノータッチ。
というか交換する必要のある部品が無かったので…

で、メイン、カウンター、シフトロッドを一体で組み付け。


今回はインプットシャフトを抜かずに作業しているので(整備書は抜いて作業する事になってる…)サークリップとスプラインの位置関係に少々注意点はあるものの上手く位置合わせすれば入ります。


4-5速は新品。



更にメインケースを取り付け。


リヤベアリングを打ち込み…




リテーナを付けたらミッションを横置きに一度変更。
リヤケースを組み付ける前にインプットシャフトとメインシャフトのスラストが問題ないかを見るためです…




天狗の鼻シールは交換…







天狗の鼻、オイルポンプを組み付けて、メイン、カウンター共にスムーズに回るか?やギヤインとニュートラルの確認…

問題なければもう一回縦置きにして…


残りのギヤを組み付けていきます…










フランジ、ロックナットを締め付け。


インターロックやシフトコントロール系統も組み付けて…




クラッチフォークやレリーズベアリングを組み付けたら、ミッション側の作業は完了。




残りはクラッチ側の作業を行い…
パイロットベアリングの交換。


フライホイールは歪みも無いのでそのまま。


フロント側のディスクをセット。

インターミディエイトプレートは新品交換してリヤディスクのセット。


更にはクラッチカバーの取り付け。


前後スプラインの確認。


で、ミッションを載せる準備を…


ゴソゴソして車載。


プロペラシャフトやその他補機類も取り付けて…


ミッションオイルを注入。
エンジンをかけてしばらくミッションを試運転させて適正量まで補充。


試運転後に各部の締め付けや漏れ確認をして完成。


今回交換した部品。



という事で何とか1月中に間に合い、納車も無事に終わり完了。










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