心向くまま徒然徘徊紀

思うままに思い、思うままに徘徊し追憶・追記を重ねていきたい。

高校時代のある日の出来事

2020-07-25 11:22:36 | 文芸

白鷺城に見学旅行に出掛けたときのことだった。

桜が満開で咲き誇っていた。

 

その桜の木の花びらが風に吹かれ、

ヒラヒラと舞い散っていた。

その満開の木陰で数人の女学生達がたむろして、

楽しそうに談笑していた。

 

その中の一人が

キャッキャッと叫び笑い転げながら

飛び上がらんばかりに

嬉しそうに手をたたいていた。

 

その瞬間、

思わず、その子の方に目が向いていた。

しばらく、

我を忘れ呆然と其の子を見つめていた。

その瞳はキラキラと輝き、姿は歓喜に満ちていた。

 

愛くるしいつぶらな瞳がいつまでも、

瞼の中から消え去らなかった。

 

その姿は私の胸に一輪の華として、

高校生活の殺風景な私の心を彩っていた。

 

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