白鷺城に見学旅行に出掛けたときのことだった。
桜が満開で咲き誇っていた。
その桜の木の花びらが風に吹かれ、
ヒラヒラと舞い散っていた。
その満開の木陰で数人の女学生達がたむろして、
楽しそうに談笑していた。
その中の一人が
キャッキャッと叫び笑い転げながら
飛び上がらんばかりに
嬉しそうに手をたたいていた。
その瞬間、
思わず、その子の方に目が向いていた。
しばらく、
我を忘れ呆然と其の子を見つめていた。
その瞳はキラキラと輝き、姿は歓喜に満ちていた。
愛くるしいつぶらな瞳がいつまでも、
瞼の中から消え去らなかった。
その姿は私の胸に一輪の華として、
高校生活の殺風景な私の心を彩っていた。