走るナースプラクティショナー ~診断も治療もできる資格を持ち診療所の他に診療移動車に乗って街を走り診療しています~

カナダ、BC州でメンタルヘルス、薬物依存、ホームレス、貧困層の方々を診療しています。登場人物は全て仮名です。

日本で大麻?!

2022年10月17日 | 仕事
フォローしているYoutuberの方がCBDオイルの使用を勧めていて、通信販売先の情報も出していて、????と思ったので調べてみました。最近日本でようやく医療用大麻製剤の使用が認可されたばかり。通販でCBDオイル????と思ったから。

今までも大麻についてブログを書いてきているので検索欄に大麻と入れて検索してくださいませ。

ご存じの方も多いですがカナダでは大麻が合法化されました。お酒やタバコのような扱いになったのです。嗜好品としての扱い。これは医療目的で使用するものとは全く異なります。そしてお酒やタバコのように年齢制限もあります。なぜなら健康被害があるから。これはお酒もタバコも同じです。

で、大麻の成分を二つに分けるとCBDとTHCに分かれます。CBDの医学的効果は証明されていて、製薬会社が作るCBD系の医薬品(内服剤)は随分前から化学療法中の食欲低下や嘔吐の治療に使われてきました。いわゆる処方箋が必要な医薬品です。

少しここで寄り道。薬というのは植物や動物から直接作られるものと、シンセニックと言う、植物や動物の有効成分と同じ化学式を利用して作り出したものの2種類があります。例えば麻薬のモルヒネは元々ポピーから発見されて作られました。製薬会社ではモルヒネ剤をポピーから作るのではなくて化学式から作ります。それをさらに精製した化学式で作られたのがヒドロモルヒネ。これらはシンセニック。なので効果は高く(少量で効く)副作用は直接抽出されたものより低い、となります。シンセニックは化学的に作るから不純物が少ない、と書けばわかりやすいでしょうか?製薬会社は安価に大量生産する目標がありますからシンセニックが主流です。

先程書いた化学療法中に使用しているCBD系の医薬品はシンセニックなもので、大麻から抽出したものではありません。

さて、本文に戻って日本の麻薬取締法では大麻の製造、所持、販売を禁止しています。なのに日本でCBDオイルを販売、購入している???!!!!!となったからです。

だってカナダではCBDオイルと言うとシンセニックではなく大麻から抽出されたものになるので、?????となるわけです。

続く

冒頭写真: 島のべーカリー。ここの生地がめちゃ美味しくて全部食べたい!


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