走るナースプラクティショナー ~診断も治療もできる資格を持ち診療所の他に診療移動車に乗って街を走り診療しています~

カナダ、BC州でメンタルヘルス、薬物依存、ホームレス、貧困層の方々を診療しています。登場人物は全て仮名です。

所得と健康

2021年11月07日 | 仕事
もう、こう言うの好き。母校UBCの学生が集めたデータの話。英語ですがこちら。

過去27年の平均寿命と死亡原因を地図にしたのだ。

もちろん国別、州別のものはすでにあるのですが、ここまでの細かい地域に分けてのものは初めて。大変な作業だったでしょう。

しかし特に驚く結果ではない。公園や緑が多い場所では平均寿命が長い、と彼は書いていましたが、世帯収入の高い地域と低い地域の違いでもある。高所得者が集まる地域では税金収入も多いので公共事業(公園や緑地化)も多くなる。逆に低い地域はそうはいかない。古くなった公園設備、公衆トイレとか。

お金が有れば食品にかけるお金も多くなるし、ジムへ行ったり、旅行へ行ったり、プライベートのカウンセラーへ通うことだってできる。生徒の50%が朝ごはんを食べれずに登校している地域もある。生徒への食事サービスが学校で重要事業として行われている。食べるものさえ危うい家庭と先のような裕福な家庭。

所得と健康の関係性はとても深い。だからカナダでは公平な医療の提供が重要視されている国なんです。

さて、一億総中流なんて言葉が昭和にはありましたが、今は違いますよね。世帯収入が200万円以下の人口が増えてきています。貧困層が増えているのに、政治も経済も医療も企業や資産家に有利な制度の日本。世界一平均寿命が長い国。乳児死亡率の低い日本。人口減少、生産年齢層減少を控え、その上GDPの低下、資産格差の広がり一本道で一位の座をキープできるのでしょうか?

こんな国にした政党がまたもや衆議院選で絶対的過半数の勝利。国民のみなさんは、この深刻な状況を理解された上での決断だったでしょうか?今後の日本をとても興味深く外から眺めてい来たいと思います。


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