走るナースプラクティショナー ~診断も治療もできる資格を持ち診療所の他に診療移動車に乗って街を走り診療しています~

カナダ、BC州でメンタルヘルス、薬物依存、ホームレス、貧困層の方々を診療しています。登場人物は全て仮名です。

夏の過ごし方

2018年08月03日 | 仕事
毎年の話。夏は仕事が楽になる。だって学校が休みなので高校のクリニックがお休み。そして天気が良いとホームレスの方々が病気になる頻度が低くなる(その逆、冬は肺炎、凍傷と忙しい)。

と言う事で空いた時間を自己研修に当てる事ができる。

で、この夏のお題はメサドン(麻薬のキングと呼びましょうか?麻薬の中でもポテンシーが高い麻薬)の処方権を得るためのオンラインのお勉強。25のモジュールがあります。

これを終了して実習を済ませれば国に申請ができるのだ。申請が2月にできるようになるのが目標。カナダのメサドン処方権は緩和目的と麻薬依存の治療目的の二つのライセンスがあり、薬物依存の分野で働く私は後者のライセンス取得を目指しているのだ。

昨年の夏はこれ、その前はこれ、となんだか麻薬関連ばかり。それほど危険度が高い薬で、このメサドンライセンスは医師も同じ行程を踏まなければならない。

で、今日やったモジュールの中に娘を薬物依存で亡くした家族の言葉がこのように出ていました。訳するのが超下手くそなのでご勘弁を。



薬物依存には最高の知識と愛を持った医療者が必要だ。子供たちの病は重く、希望を失い、カオスに中にいる。医療はもともと 人々を傷つける為ではなく助けるために生まれたのだ。治療法があるのだから誰一人薬物依存のために死ぬ必要はないのだ。

あああ、心が締め付けられる様な言葉だ。人間として扱ってもらえない、社会のクズの様に扱われてしまう薬物依存の患者たち。社会からのみならず、医療者からもそのように扱われた、もしくは医療者からの助けにも希望を持てず深みへはまっていくひとたち。このモジュールは病態生理学や薬学の知識のみならず、全人的ケアを教え、過去の失敗から学ぶ事で構成されています。

しかし夏もあと4週間しか残っていない。さあ、どこまで進める事ができるでしょうか?

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