走るナースプラクティショナー ~診断も治療もできる資格を持ち診療所の他に診療移動車に乗って街を走り診療しています~

カナダ、BC州でメンタルヘルス、薬物依存、ホームレス、貧困層の方々を診療しています。登場人物は全て仮名です。

予防注射を拒否すると

2018年04月06日 | 仕事
学生最後の実習先は産前と産後のケアをするクリニックだったので沢山の妊婦さんや赤ちゃんの検診をした。予防注射も沢山した。

今の仕事についてからはあまりない。でもゼロではない。ただ今赤ちゃん2人が私の患者になっている。で、そのうちの1人。親が予防接種を断ります。理由は怖いから、必要ないでしょう。ここはカナダ、発展途上国じゃあないのよ。その病気はカナダでは撲滅されたんでしょう?と。

あららら、肩が落ちてしまう内容だわ。病院を退院した時パッケージをもらったでしょう?中を見てみましたか? あーあれね。開けてもないわ、と。

なので本日の診察では予防接種についてのカウンセリングです。

一番の間違いは撲滅したと思っていること。確かにカナダは発展途上国ではない。しかし移民も受け入れるし、グローバル化は旅人が輸送役となりあっという間に病気の輸出入が行える状態なのだ。結核、おたふく、はたまたポリオのアウトブレイクの報告が今でもあるのだ。髄膜炎だって、100日咳だって。

逆に予防接種の副作用の可能性は非常に低く、効果は非常に高い。地球上で最も優れた薬と呼んでも良いぐらいなのだ。

それを与えず、もしこれらの伝染病にあなたの赤ちゃんが接触して死亡又は障害を負うようなことになったら、、、、。防げるものを防がなかった、子供を無防備のままにしてしまった罪悪感は計り知れないものです。

ネットの出どころがわからない情報と学と免許を持ち合わせた医療者の言うこととどっちを信じるのですか?って言いたいぐらいだった。

セッションの終わりには気持ちが傾いているようで、納得できたかな?と感じた。そうでありますように!


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