走るナースプラクティショナー ~診断も治療もできる資格を持ち診療所の他に診療移動車に乗って街を走り診療しています~

カナダ、BC州でメンタルヘルス、薬物依存、ホームレス、貧困層の方々を診療しています。登場人物は全て仮名です。

患者と自分にとって正しい事

2018年04月05日 | 仕事
ずっと飲み続けている薬の処方箋が切れると、患者は薬局に連絡して、その薬剤師が処方者に連絡をして継続を続けるシステムがあります。薬切れを防止する解決策も1つ。しかし慢性病でも病状の観察や薬の効果など診察はもちろん必要です。私は慢性疾患がある患者には必ず3ヶ月分の処方を渡し、3ヶ月毎には再診に来る事を勧めます。

薬局からの再処方は行うけれど、次に切れる前には必ず診察に来るようにメモ書きをします。それでも来ない人がいます。その時は1ヶ月だけ更新して1ヶ月以内に再診に来なければ処方はこれ以上行わないとメモ書きをします。で、処方が切れると慌てて再診に来るようになります。

で、この方入院後、専門医に通っていたので、そちらで処方をもらっていました。専門医は薬が安定したのでプライマリーへ帰るようにと指示を出して。しかし患者は診察に来ません。最初は3ヶ月分の処方をして、次は1か月分。注意書きが書いてあったにもかかわらず、彼女は来診しません。薬局は再び再処方を願います。でも私のところには1年半診察に来ていないのですよ。もう無理です。診察なしでの処方は出せません、ときっぱり断ります。

でも心の中で、薬がなければ再入院になることは目に見えている。病状が悪化する事を知りながら処方をしないのは私も辛い。かと言って診たことない患者の処方は書けない。あれだけ警告を出して来たのに無視したのも彼女、と頭を横に振って邪念を振り払う。正しい事をするのだ。診察なしに処方をするのは危険な行為だという事を自分に言い聞かせるのだった。



北の国にも春の訪れが、、、

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