走るナースプラクティショナー ~診断も治療もできる資格を持ち診療所の他に診療移動車に乗って街を走り診療しています~

カナダ、BC州でメンタルヘルス、薬物依存、ホームレス、貧困層の方々を診療しています。登場人物は全て仮名です。

一人じゃない

2014年12月25日 | 仕事
旦那に知り合った時に日本ではクリスマスをどうやって過ごすの?と聞かれ、家で過ごすならケンタッキーフライドチキンを買う。恋人と過ごすなら素敵な外食とホテルに泊まるかなーなどと答えて、思いっきり???された。

こちらではクリスマスは家族と過ごすもの。食を囲んで家族の暖かい時間でしょうか。我が家はイブはトルティエ(ミートパイ)、プレゼントを開けるのはクリスマスの朝。クリスマスはターキー、ボクシングデーは近所で集まりブランチが習慣です。

家族と過ごすことが普通なので過ごせない人にはとても辛い時期。独り身、愛した人を失ってしまった人、この時期に自殺が増えるのもそのせい。

先日もシェルターの昼食時に行ってみると泣いているマリアを見つける。息子にも夫にも会えない今年のクリスマスが辛いと。しばらく一緒に座って彼女の話しを聞いた。泣いている私の患者はマリアだけではない。オードリーも疎遠になった息子のことを嘆いていた。

12月に入るとあちこちの教会やコミュニティーでクリスマスランチやディナーがもようされる。しかし実際のクリスマス3日間は皆が家族と過ごすのでシェルターも何処も静まり返る。お店もレストランも閉じてしまう。

私の患者のクリスとジェイソンが張り紙を貼っていた。
クリスマスポットラックの案内だ。
もしクリスマスの夜に一人で過ごすのなら一緒にポットラックで夕飯を食べて映画を一緒に見ようと。
なんていい考えなんだ!結構な人数が集まっているらしい。みんな家族と離れた理由がある。戻れなくても戻れない、修正のきかない過去。前向きに歩いていてもくじけそうになるのがこういうシーズンだ。

クリスとジェイソンの行動力に感心した。みんな一人じゃないんだよ、よかったねこんな仲間がいて。



我が家のクリスマスツリー


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