走るナースプラクティショナー ~診断も治療もできる資格を持ち診療所の他に診療移動車に乗って街を走り診療しています~

カナダ、BC州でメンタルヘルス、薬物依存、ホームレス、貧困層の方々を診療しています。登場人物は全て仮名です。

仕事の為の保険

2017年09月05日 | 仕事
仕事の保険について少し。以前も書きましたがナースプラクティショナー(NP)は正看護師 (RN)より保険料が高く設定されています。NPはRNができない行為: 患者の診断や処方ができると言う事はそれなりの責任が伴う行為で訴訟された時に備える必要があります。

NPの免許を管理しているカレッジがその保険料も徴収します。一年毎の免許更新料はカレッジへの管理費、保険料の2つが含まれています。2017年の更新料はRNが$527.36 NPが $782.19でした。

私は大きな保険機構の元で働いているので、何かあれば職場の保険が先に使われ次にカレッジの保険となります。今まではこれで充分だと思っていましたが今年からもう1つ保険を加えることにしました。こちらは年間料が $89.25。

3個目の保険は職場もカレッジも私を後ろ盾してくれない時のものです。カレッジの役割はNPが安全にプラクティスできるように水準を管理すること。裏を返せば州民を守るため。私たちの義務はカレッジが勧める免許更新に必要な基準をこなし、カレッジが決めたルールの元でプラクティスをする事。それをしているからカレッジは私たちNPを弁護してくれるわけです(カレッジに雇われている弁護士が動いてくれる)。それらに満たないNPは勧告と言うか指導が入ります。基準を満たすようにサポートしてくれると言う事です。こうしてカレッジはNPが訴えられるような事に発展しないように防止策を引いているわけです。

しかしながらカレッジの役割は州民を守るためなので、もし州民がNPを訴えた場合は立場上内部調査がまず始まります。その内部調査に不服がある場合、後ろ盾になってくれるのが3つ目の保険です。

例えば職場に麻薬が盗まれるようになりNPが薬物依存症があると同僚が通報したとします。カレッジが調査したところ、それは事実なようなので免停にしたり指導が入ります。しかし薬物依存は全くの濡れ衣でカレッジの判断に不平がある時に3つ目の保険で弁護士を雇う事ができるわけです。

3つ目の保険はカナダ全体で働いている看護師のためで、カレッジもそこの弁護士を利用していますが、任意で入る保険は別口と言うわけです。

この団体はRNやNPが個人事業をしているなら、違うレベルの任意保険も勧めます。民事訴訟にかかる金額は膨大です。備えあれば憂いなし。ご自分の仕事の保険内容をご存知ですか?



火災の煙で毛布のように覆われたBC州の南は異常なくらい気温が高く、そんな中帰ってきました。帰ってみると近所の栗の木は枯れています。砂漠になっちゃうでしょうか?


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