走るナースプラクティショナー ~診断も治療もできる資格を持ち診療所の他に診療移動車に乗って街を走り診療しています~

カナダ、BC州でメンタルヘルス、薬物依存、ホームレス、貧困層の方々を診療しています。登場人物は全て仮名です。

給与

2022年05月15日 | 仕事
昨日の続き。声明文の中のくだりに
「患者は医療者と過ごす時間が長ければ長いほど喜ぶ。NPの給与形態はそれを可能にする。しかし医師はこれができない、、」とあった。これについて。

カナダBC州以外の州でNPのような給与形態を医師に課せる州もある。選択できる州もある。以前BC州もその方向への動きがあった。しかし医師会からの猛反対で流れた。

で、先月の勉強会で医師との立話。NPの給与形態が羨ましいと彼女は言うので上記のことを話したら、

「今もその話はあるの。でも条件が悪いのよ。ロースター(登録患者数)はOOで、診察者数はXXで給与はこれだ、って言うけどその仕事を週に4日半かけてしろって言うのよ。今、週3日で済ませれる内容をなぜ4日半もかけてしなければならないの?だから私たちは反対するのよ」

んんんんんん?患者と時間を費やせるように、同じ仕事を長い時間かけても同じ給料が出るように政府は交渉しているのでは?短時間で数をこなす事だけが目的なら政府のオファーは気に入らないでしょうね、、、

こう言うことを言う人ってきっと時間給が上がったとしても、患者と過ごす時間は今と同じ5分診療なんだろうなあ、とそれ以後の言葉は全く頭に入って来なかった。飲み物を取りに行くふりをしてその場を去りました。

人間生きていくためにはお金が必要です。教育へのお金と時間をかけた分だけ稼ぎたいと思うのも人間の常でしょう。しかし診療を、患者の健康を金への換算でしか考えられないって、、、医師になろうと思った初心が擦り切れて無くなってしまう、そんな職業って何だか悲しいな、と思ったのでした。


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