走るナースプラクティショナー ~診断も治療もできる資格を持ち診療所の他に診療移動車に乗って街を走り診療しています~

カナダ、BC州でメンタルヘルス、薬物依存、ホームレス、貧困層の方々を診療しています。登場人物は全て仮名です。

誤診を起こさないため

2019年03月03日 | 仕事
今来ているNP学生さん、少しずつ成長していますがまだ、患者と一対一にする事が出来ません。プリ マチュア クロージャーというのですが、必要な情報を集める前に診断を決めつけてしまうからです。

仮説を立てる時には赤旗と呼ばれる最悪の診断を必ず念頭に入れてそれではない。そうではないことを証明できるようにきっちり問診しなければならないのですが、そこがいつもあやふやです。その見落としがあってはいけないので1人にできないのです。

例えば胸部の痛みを訴える高校生。とても不安が強いようです。気持ちが不安になると胸が痛くなると自分も気づいています。しかしだからといって他の胸痛の原因となる他の疾患を考慮せず不安症による胸痛と言い切るのはとても危険です。

他の疾患の可能性の問診が抜けていて、その上この子は未熟児で生まれ、心肺系の疾患があった事も聞き逃していました。この子には家庭医(GP)がいるので、GPがきっときっちり仕事をしていると推測して手を緩めてしまうのももっての他です。高校生にGPにこの事について診てもらった?と質問して、学生がうんといいました。診てもらうと言うのはどんな意味なのでしょうか?問診を受けた?身体所見?検査をしたならどんな検査?解釈のバラエティーがありすぎです。だから具体的にどんな検査を受けたのか1つ1つ聞かなければなりません。検査の名前を言ってもダメです。殆どの一般人が検査名を知らないのが当然なのですから。どんなふうに検査をされるのか説明して、それはした!と答えが得れれば確信が持てるでしょう。

このような丁寧な作業は診断には不可欠です。頑張れNP学生〜〜



サンピークスへ行っている間、家では大雪で空港も学校も閉鎖するほどだった。帰る頃には溶けてましたが、、、

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