走るナースプラクティショナー ~診断も治療もできる資格を持ち診療所の他に診療移動車に乗って街を走り診療しています~

カナダ、BC州でメンタルヘルス、薬物依存、ホームレス、貧困層の方々を診療しています。登場人物は全て仮名です。

生き残るために

2017年02月12日 | 仕事
先日あったランチ会議。産休に入るナースプラクティショナー(NP)が不安げに言う。

産休から復帰した時私のポジションはあるのだろうか?と。

そう、私たちNPのポジションは永遠ではないのだ。産休明け、病休明けに切られる人。はたまた働いていても、予算カットになったからと言われた人は多い。

何度も言うがNPの歴史が長いアメリカと異なりBC州は11年経った今も開拓時代。理解してもらえなかったり、予算の無駄遣いと判断されれば、起こり得る当然の事なのだ。州の医療費には限りがあり、無駄なものは切られる運命(クビになるのではなく、予算を切られるのでポジションそのものが消滅する)。

看護師は労働組合がついていてくれる。首にならない契約がある。しかしNPは労働組合に属していない。切られたら自分で次の仕事を見つけるまで無給となるのだ。

現在BC州に登録しているNPは約450人。全員がNPとして働いているわけではない。働きたくても職がなく他の仕事をしている人も。なので一つのポジションに何人もの応募者が来るわけだ。

だからただ働けば良いと言うわけではないのだ。自分の仕事の成果を売り込む力も重視される。仕事の成果、、、売上高とか、単純な数では測れないのが医療だ。特にNPのように患者の数より医療の質を要求される私たちはそれをどう評価するか?そう言う力量も試されるのだ。そして医師とは違うNPの良さを組織に印象付けなければならない。そうしなければ簡単に私たちの仕事は医師や他の職業にとって変わってしまう。

開拓時代に道を開き成功した人の事をパイオニアと呼ぶ。

パイオニアになるのか打ち首にあうのか、それはNP次第だ。



雄叫び美加ちゃん。旦那の一番のお気に入り写真だそうです。負けませんよー

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