シリーズ2日目
シリーズの要約:
1日目:プロは自治団体を持ち、自治団体内で全てをまかなっているので、外部から干渉されない。
と1日目で書きました。 自治体を持っていると言うことは1日目の定義で書いた
③専門職の組織化が図られている。
④専門職集団を規準とした専門職としての考えや判断が明文化されている、
⑤倫理綱領を有する、
この3つを含んでいます。
私が働くカナダBC州では看護師の免許を発行する団体がこれにあたり、免許の発行、管理、更新やスタンダード、スコープの作成と更新を行なっています。ここに登録されていてそのプロ名を名乗って働くと言うことは、スタンダードやスコープを守る義務があり、守っていない登録者は罰せられる(免停、免許取上げ)機能があります。そのプロを養成する教育機関はこのスタンダードやスコープを基準に教育内容を作成、変更します。
日本で看護系組織と言えば
看護協会
日本看護系大学協議会
日本NP教育大学院協議会
日本専門看護師協議会
日本NP学会
他にも各分野に分かれて多々あります。
この中で先ほどカナダの例としてあげたような団体はありますか?
組織化はできています。団体の基準の言語化しているところもあります。倫理を含んでいる(ちなみに海外では倫理はスタンダードの中に含まれます)ものもあります。しかしそれらを登録者に対して義務として強制できる機能を持っている組織はありますか?
ないですよね。よって自律を象徴するプロとしての組織とは呼べないんですよ。
何故強制力(法的効力)必要なのか?以前にも書きました。
いくらスタンダードとスコープを作っても、強制力がなければそれに沿って働く人とそうでない人が生まれてしまいます。プロを名乗る団体がうちの登録者はスタンダードやスコープはを守っています。だから安心してください!と公民に対して言い切れるものです。日本の場合、看護協会が作った数ページのスタンダードは『ぜひ活用してください』と書かれているぐらいですから、それを守っているかどうかは個人の判断に任せられている。つまり強制力がなく、このスタンダードやスコープは無意味と言って良いほどです。一応作りました。しかし使うからどうかは個人任せです、とは責任を取りたくない組織的立ち位置にも取れませんか?責任を放棄している態度では公民から信頼を受ける団体にはなれません。
続く